更新日:2015年10月22日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ベイスンを食後に飲んでも無意味?


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食直前じゃなきゃダメ?

ベイスンやセイブルなどのαグルコシダーゼ阻害薬は、食事の分解を遅らせて、吸収を遅らせ、食後の過血糖を抑える薬です。

なので、食事といっしょに摂らなければ効果はありません。

そのため、飲み方は食直前です。

食事といっしょに飲んでも効果はあります。

食事中に飲み忘れに気づいたらすぐに飲みましょう。

しかし、食後に気づいたらどうでしょう?

食後すぐであれば、効果はあります。

時間が過ぎていたら効果は期待できないでしょう。

体の中に吸収されて働く薬ではなく、これといって重い副作用もないので、忘れたら食後に飲んでもいいかと。

食事開始後30分以内なら飲んでいい?

αGIを食直前に飲み忘れた場合、食事開始から30分以内ならすぐに服用し、それ以上ならはその回は服用しない。

この対応はミグリトールでも同じである。

ミグリトールは小腸上部で吸収される点でほかのαGIと異なるが、食直前に飲み忘れた場合の対応に違いはない。

ミグリトールは食事を開始してから30分以内の服用なら、食直前服用と効果が変わらないとする報告が存在する。

3ヶ月間、「食直前」に服用を続けた群と「食事開始30分以内」の服用群を比較した結果、体重やHbA1c、血糖コントロールの指標となる1.5アンヒドログリシドール(1.5AG)に、有意差は認められなかったことが報告されている。

参考書籍:日経DI2011.5

αグルコシダーゼ阻害薬はなぜ食直前服用?

炭水化物はブドウ糖に変換され腸管から吸収されますが、アカルボース、ボグリボースなどの薬剤は、腸管において二糖類から単糖への分解を担うニ糖類水解酵素(αグルコシダーゼ)を阻害し、糖質の消化・吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善します。

したがって、胃内容物がαーグルコシダーゼにより分解されるタイミングで薬効が発揮されないと効果がなく、食直前に服用すべきなのです。

αGIは効かない?

各薬剤のHbA1c低下効果を、プラセボを対照としたデータをもとに比較すると、第三世代SU薬のグリメピリド(アマリール)とビグアナイド薬(メトホルミン)のHbA1c低下効果が高く、いずれもプラセボに比べHbA1cを1.5~2%低下させることが示されている。
チアゾリジン薬や速効型インスリン分泌促進薬などは、1.0~1.5%のHbA1c低下効果が確認されている。

なお、α-グルコシダーゼ阻害薬のHbA1c低下効果は1%未満にとどまるとされている。
薬剤投与後のHbA1c値低下の時間的推移は、臨床での手ごたえに直結する重要な要素の一つである。
グリメピリドは投与4週間後から有意なHbA1c低下効果が認められ、ピオグリタゾンやメトホルミンに比べ、より早期にHbA1c低下が得られる。

ベイスンの特徴は?

消化管の二糖類分解酵素を阻害。

IGTから糖尿病への進展抑制効果。

腸管においてα-グルコシダーゼ(スクラーゼ、マルターゼなど)を阻害する。

α-アミラーゼの阻害作用はほとんどない(ブタ・ラット膵でのα-アミラーゼ阻害作用は、アカルボースの約1/3000)。

α-GIの特徴は?

α-GIには、ベイスン、グルコバイ、セイブルの3種類があります。

食後の血糖上昇を抑制。

比較的軽症例に有効。

放屁が増えることあり。

朝食前血糖<140mg/dLだが食後高血糖がある比較的軽症例が単独投与の適応となる。

SU剤、インスリンなどとの併用時に低血糖を生じた場合、ブドウ糖の摂取が必要である。

ブドウ糖を渡したり、ブドウ糖を多く含む清涼飲料水を教えておく。

α-GIはα-グルコシダーゼ阻害薬の名の通り、α-グルコシダーゼを阻害しますが、グルコバイにはα-アミラーゼも阻害します。

そのため、澱粉・多糖類→ニ糖類→ブドウ糖など全過程を阻害するので効果が高い。食事量の多い人に向きます。

効果が強いということは、消化を妨げる作用が強い→副作用も多いということにつながります。

α-GIのよくある副作用として、腹痛、下痢、便秘、お腹が張る、おならなどがあります。これらの副作用がグルコバイは多い。

α-GIは、代謝産物としてピロガール類が生成し、肝障害の原因となります。

ベイスンは1回0.2mgと用量が少ないので影響少ないが、グルコバイは1回50mgと多量のため注意が必要とのこと。

3種類のなかで、セイブルだけは特殊。

グルコバイ、ベイスンは体内に吸収されることはありませんが、セイブルだけは吸収されます。

小腸上部で吸収されることで、小腸の上部では働くけど、小腸下部では働かない。
小腸下部では糖質が吸収されるため、未消化のまま大腸に到達する糖質が少ない。

そのため、セイブルは副作用が少ないという特徴があります。

αグルコシダーゼ阻害薬の作用機序は?

腸内のαグルコシダーゼを阻害し炭水化物の消化・吸収を遅延化

αグルコシダーゼ阻害薬の利点は?

・低血糖なし
・食後高血糖の抑制
・心血管イベント減少?(STOP-NIDDM試験)
・非全身性

αグルコシダーゼ阻害薬の欠点は?

・HbA1c降下作用が一般に控えめ
・消化管症状(腹部膨満、下痢)
・頻回な服用

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