更新日:2016年12月21日.全記事数:3,089件

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ニトログリセリン舌下錠は1日何回まで?


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ニトログリセリンの使用回数

舌下錠や舌下スプレーなどは飲み込まずに効果を発揮する薬です。
舌の下の粘膜から吸収される、って言われても本当に効くのかな、って疑いたくなります。

狭心症の発作で苦しいときに、1回使って効かないと、すぐにもう1回使いたい、と思ってしまいます。

30~60分は間隔をあけて使うようにしましょう。
間隔さえ十分空ければ、1日何回使っても構いません。

ミオコールスプレー

スプレータイプだと特に何回も使ってしまうケースがあるようです。
スプレー剤を一度に3回~6回噴霧し、血圧低下から意識を失った例というのも報告されています。

舌下錠と舌下スプレーの違いは?

狭心症の発作時に使うニトログリセリンには、ニトロペンのような舌下錠やミオコールスプレーのようなスプレー剤があります。

舌下錠は、口の中が乾燥しているような人だと溶解しにくいので、スプレー剤のほうが速く効きます。

ニトログリセリンのスプレー剤と舌下錠の発作寛解までの時間を比較したところ、スプレー剤は平均92秒と、舌下錠の120秒に比べて有意に短かったとの報告もあります。

ミオコールスプレーを舌下以外に噴霧しちゃダメ?

ミオコールスプレーの使い方は、まず、容器を持つ指があごに付くくらいまで噴霧口を口に近づけます。
容器はなるべく垂直にして持ち、寝ている場合は、頭を少し起こします。

噴霧の際は、舌を上あごに付くまで上げてから、息を止めた状態で舌下(舌の裏側)に向けて1回噴霧し、息を深く吸い込まずに口を閉じます。
このとき、頬の内側に噴霧すると、舌下への噴霧に比べてスプレー剤の吸収量が2分の1に減るとのデータがあり、噴霧する場所は必ず舌下とします。
これは、口腔粘膜より舌下粘膜のほうが透過性が高いからです。

舌下錠は飲み込んでも効かない?

舌下錠は飲み込んでも効かないと言います。

ニトログリセリンは粘膜から吸収させると効果があり、飲み込むと肝臓で分解され効果がなくなります。
そのため、ニトロペン舌下錠やニトログリセリン舌下錠は、飲み込んでも効きません。

ニトログリセリンは初回通過効果を受けやすく、脱ニトロ化された二硝酸グリセリンの血管拡張作用はニトログリセリンの約1/10なので、経口投与で効果を得るのは難しい。

舌下錠はなんで効くのか?

舌の下に入れて溶かして吸収させる舌下錠。
飲み込んだほうが早いんじゃないか?と思う患者さんもしばしば。
しかし飲み込んでしまうとほとんど効かない。
不思議です。
その秘密は初回通過効果。

初回通過効果とは?

飲み込んだ薬は小腸から吸収され、門脈を経由して、肝臓に入り、そこで部分的に分解(代謝)されてから血液中に入ります。
そのため、薬が血液に循環するころには、かなり分解されています。

この、薬が全身を循環する前に肝臓を通過して代謝されてしまうことを、初回通過効果といいます。
この初回通過効果を回避するためには、肝臓を通過しなければいい。

そのため、初回通過効果を受けやすい薬は、皮膚に貼ったり、舌の下に入れたりという方法を取ります。

初回通過効果

薬剤が目的の作用部位で効果を発揮するには、まず血管に入り、肝臓、心臓を経て全身循環血液の中に移行しなければなりません。
この過程を「吸収」と呼びますが、静注などの直接投与以外に、薬が100%吸収されることはありません。

たとえば経口投与の場合、胃液のpH、消化管運動、胃の内容物、小腸の消化酵素、薬物相互作用など、消化管内だけでもさまざまな影響を受け、さらに肝臓で代謝を受けるため、全身循環に入る薬の量はかなり減少します。
これを「初回通過効果」と呼んでいます。

したがって、消化液で破壊されてしまう薬剤や肝臓を通過するだけで大部分が代謝される薬剤は、経口投与できないことになります。
薬剤の性質によっても吸収の程度は異なっています。

一般的に、脂肪に溶けやすい性質をもった脂溶性の薬、あまり分子が大きくない薬、イオンになっていない分子型の薬は吸収しやすいといわれています。
また、カプセル、錠剤、粉薬など、その剤形によっても吸収の程度は異なります。

ニトロール錠の用法

同じニトロ製剤に、ニトログリセリンではなく、硝酸イソソルビドがあります。

ニトロール錠。

用法は以下のようになっています。

(経口)
通常成人は、1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして1回5~10mg)を1日3~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(舌下)
狭心発作時には、通常成人1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして1回5~10mg)を舌下投与する。
狭心発作時以外には、通常成人1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして5~10mg)を1日3~4回舌下投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

飲んでも効くのですね。

脱ニトロ化代謝物も比較的強い血管拡張作用を示すため作用時間が長くなり、内服でも使用される。

舌下の屯用でしか見たことはありませんが。
飲み込んだときには、その効果は15分以上たたないと出てきません。

ニトロペンを飲み込んでしまったら?

舌下錠を服用すると、肝臓で初回通過効果を受けるため効果はありません。
したがって、飲み込んでしまった場合には、すぐに追加で1錠舌下投与することが必要です。

参考書籍:クレデンシャル2010.7

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