更新日:2016年4月24日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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スピロペントが尿漏れに効く?


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腹圧性尿失禁に咳止め?

スピロペント錠が処方されている患者に、「咳ですか?」とか聞くと「は?」と言われるかも知れない。
スピロペントの適応症は、「気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎」という呼吸器疾患以外に、腹圧性尿失禁にも適応がある。

腹圧性尿失禁の薬物療法では、唯一、適応があるβ2刺激剤の塩酸クレンブテロール(スピロペント)が第1選択薬となる。

膀胱や尿道のβ2受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させ、外尿道括約筋の収縮を増強することで蓄尿機能を改善する。

咳が出てその腹圧により腹圧性尿失禁を伴っている患者さんであれば、両方の治療目的で処方されている可能性もある。
その場合、患者さんは恥ずかしさから尿失禁のことは伏せて、咳止めとして使っていることしか薬剤師には話さないだろう。

ちなみに、呼吸器疾患に対してスピロペントの用法は「1日2回、朝及び就寝前」となっているが、尿失禁に対しては「1日2回、朝及び夕」となっている。
尿失禁に対する処方以外で朝夕食後の用法であれば、疑義照会が必要となる。

尿失禁の種類

女性の尿失禁は、加齢とともに増加する。

40歳を超えると、その罹患率は4割以上になるという報告もある。

尿失禁は、
1.せきやくしゃみなどで急に腹圧が上昇すると尿漏れが起きる「腹圧性尿失禁」
2.不随意な膀胱収縮により我慢できずに尿が漏れてしまう「切迫性尿失禁」
3.腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の混ざった「混合型尿失禁」

などに分類されるが、40歳以上の女性でみられる尿失禁では、半数以上を腹圧性尿失禁が占める。

腹圧性尿失禁は女性に多いが、男性でも前立腺肥大症で前立腺全摘した患者などでは腹圧性尿失禁がみられることもある。

くしゃみをすると尿が漏れる?

腹圧性尿失禁は、内尿道括約筋の収縮力低下や骨盤底筋群の弛緩などが原因で起きる。
多くは、強いくしゃみをした時などに少量の失禁が起きる軽症例だが、中には歩行などの軽い運動でも失禁が起き、著しくQOLが低下してしまう重症例も存在する。

重症例では、手術療法が適用される場合もある。
軽症例の治療では、生活指導と薬物療法が中心となる。

生活指導では、骨盤底筋群への負担となる肥満や便秘を改善するために、食事療法や運動療法が行われる。

また、骨盤底筋群の筋力強化のための訓練も有効である。

訓練方法は様々だが、例えば、肛門や膣孔を締める運動を朝昼晩と就寝前にそれぞれ20回ずつ行う。

訓練は、長期間続けるほど有効で、治癒・改善率が60~80%とする報告もある。

骨盤底筋体操で尿漏れ改善?

骨盤底筋を鍛えると、尿もれが改善されるという話。

①体の力を抜いて、リラックスする
腹式呼吸をし、息を吸うことよりも吐くことに集中する。
口から長くゆっくりと細く息を吐き、その時に身体の力も抜く。
吐ききったら深く吸う。

②背筋を伸ばし、足を肩幅くらいに開く

③骨盤底筋が締まることを確認する
肛門の収縮が確認できたら、そのままさらに膣を締める。
膣を締めるのは、体の中に引っぱり込むような感じで、尿を我慢している時をイメージする。

④5つ数える間、骨盤底筋を締めたままにする
できるだけ強く、長く締め、力が抜けたらまた締め直す。

⑤5つ数えたら、ゆっくり力を抜く

膣から子宮が出てくる?

骨盤臓器脱(性器脱)とは、骨盤の内側にある子宮や膀胱(ぼうこう)などの臓器が体外に出て、尿漏れなどにつながる病気。
子宮などの骨盤内の臓器を支える筋肉である骨盤底筋が出産経験や加齢などによってゆるんで、臓器が膣の中に落ち込み、膣壁と一緒に体外に脱出する。
尿が出にくい、尿が近い、尿が漏れる、残尿感、残便感など、患者によって様々な症状が表れる。

子宮脱のことは昔から「なすび」と言われていたようです。
「なすびが出てきたらお迎えが近い」といわれます。

子宮や膀胱が出てくるなんて怖いですね。
それでも病院には行かない人が多いようです。

高齢になったら仕方ないと、あきらめている。恥ずかしいし、人にも言えない。
トイレが近いだけなら我慢する。

メッシュ手術で楽になるようなので、婦人科でご相談を。

産後の子宮脱

うちの嫁が最近出産したのですが、産後1か月は外出も水仕事もできない、と言って実家に引きこもり、寝たきりの生活。
しかもマタニティーブルーでイライラ。
そんな生活のほうが体に悪いんじゃないか、と思いますが。
産後1か月は無理しない方がいい、の根拠は子宮脱にあります。

 女性の骨盤底には、子宮と腟を真ん中にして、前側に膀胱と尿道が、後側に直腸と肛門が並んでいます。この全体を骨盤底筋という筋肉の集まりが包んで支えています。

 この骨盤底筋が衰えたり緩んだりすると、子宮や腟が下がってしまい、性器脱になります。程度によって、子宮が腟の中に下がっているのが子宮下垂、腟の出口(腟口)から子宮の一部または全部が脱出するものを子宮脱といい、腟壁が下垂している子宮を包むように反転して一緒に腟口から脱出します。このとき、腟や子宮の下部と接している膀胱や尿道の一部、あるいは直腸の一部も反転した腟壁と一緒によく下垂し、(経腟壁)膀胱下垂・脱、直腸下垂・脱と呼ばれます。産後にこのような症状が出ても、からだが回復するにつれて骨盤底の筋力も回復して、下垂・脱は軽快します。

 症状は、子宮の出口が下着などでこすれて性器出血しやすくなったり、感染を起こしやすくなること、膀胱や直腸が腟壁方向へ脱出するため尿や便が出にくく、残尿や残便が起きて膀胱炎などを起こすこと、あるいは体位を変えたときに尿漏れが起きること、酷くなると膀胱内にいつも尿が一杯たまって腎臓からの尿の流れが滞り水腎症という状態になって、腎臓の機能が低下すること、などがあります。

 子宮脱になりやすい方はもともと骨盤底筋の力が弱い方が多く、すなわち極端なやせ、肥満、便秘、トイレに行くのをいつも我慢するような生活習慣の方、運動不足の方などは、その可能性があります。また、上記に加えて、妊娠中の体重増加の著明な方、巨大児や羊水過多、多胎妊娠の方、難産だった方などは、骨盤底の筋力が衰えやすく、子宮下垂・脱ばかりでなく、尿失禁も酷い状態になりやすくなります。

 実は、妊娠中から子宮下垂になる方もまれにいらっしゃいます。
 予防法としては、妊娠前から適切な体重コントロールをし、生活習慣を改善して、便秘やトイレを我慢することがないようにすることと、歩くことをはじめ脚(股)を開閉するような適切な運動をしてください。

 妊娠中も上記と同様ですが、ずっと座位でいると妊娠子宮の重量が骨盤底の筋を緩ませることになるため、とくに疲れたときは臥位になって休むこと、臥位の姿勢でできる骨盤底を鍛える運動することなどを心がけてください。分娩後は、骨盤底筋体操をして子宮下垂・脱や腹圧性尿失禁の予防をしましょう。

 なお更年期以後、女性ホルモンの分泌が低下すると骨盤底筋力が低下するため、いったん軽快していた状態が悪化することもあります。産後に症状のあった人は、予防のために骨盤底筋体操を続けることが必要です。それでも子宮脱が酷くなる場合は、比較的軽い人や高齢者、合併症で手術のリスクのある方はペッサリーという器具を腟内に入れて、子宮下垂を防ぐ方法をとります。性器出血を繰り返したり、排尿、排便がスムーズに行かず日常生活に差し支えのある方、水腎症などになっている方は手術で完治させることが必要です。この場合、腟式の手術(子宮摘出+腟会陰形成術や腟閉鎖術など)を行います。赤ちゃん&子育てインフォ|インターネット相談室 【産後のからだ】Q&A

産後に無理はしないほうがいいですね。

でも、少しも動こうとしない嫁にはちょっとイラつきますが。

参考書籍:日経DI2003.5

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