2018年10月23日更新.3,351記事.5,706,842文字.

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プレドニゾロン換算5mg/日なら副作用は出ない?

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少量のステロイドであれば副作用は出ない?

経口ステロイド剤はプレドニゾロン換算で5mg/日なら副作用は出ないという話を聞いたことがある。

人間の副腎は天然のステロイドを一日に5mg程度分泌しているので、それと同じ量なら副作用は出ないはずという理屈のようだ。

実際は、少量のステロイドでも長期に服用すれば副作用は出る。

ステロイドの副作用の発生リスク

ステロイドの副作用の中でも特に発見しにくく、予後も不良となる恐れがあり、注意が必要なのは、感染症と骨粗鬆症です。
感染症は、ステロイドの用量が増えれば発症頻度が高まる。

プレドニゾロン換算で20mg/日以上になると、免疫力が低下し、日和見感染や肺炎が起こりやすくなる。
ただし、20mg/日より少量であっても投与期間が長くて総投与量が多いほど、感染症の発症頻度が高い。
ステロイドが、炎症が起こっていることを分かりにくくしてしまうため、微熱であっても実は肺炎など重症化しているケースもある点には注意が必要。

また、ステロイドは、骨形成を阻害し、骨吸収を助長することで、骨粗鬆症を引き起こす。
ステロイドが、骨形成に関わる骨芽細胞のアポトーシスを促進し骨形成を阻害するとともに、破骨細胞の成熟を助長し、骨吸収を増強させることが知られている。
さらに、腸管や腎臓などカルシウム代謝に関わる臓器にも影響を与え、骨吸収を促進させ、ステロイド性骨粗鬆症が進展するものと考えられている。

ステロイド性骨粗鬆症では、骨密度だけでなく骨強度の低下も特徴で、骨密度が高くても骨折するケースがある。
骨折リスクは、プレドニゾロン換算で2.5mg/日以上の投与開始から3~6か月でピークに達して、以後安定状態(プラトー)となる。

そのほか、経口ステロイドの副作用としては、ムーンフェイスや多毛などが知られている。
ムーンフェイスはプレドニゾロン換算で10mg/日以上服用すると起こりやすくなるとされ、服用を中止すれば100日前後で症状は消失する。
患者には一時的なものであることを伝え、安心感を与えたい。

一般に経口ステロイドは、数週間以内の服用なら、投与量に関わらず、副作用はまず心配ないと捉える薬剤師は多い。
しかし、患者の体には服用直後から変化が起きている。
例えば、興奮による不眠、血糖や血圧の上昇。
血糖の上昇は、肝臓での糖新生の亢進、筋肉や脂肪組織での糖取り込みの抑制などが起こるためで、糖尿病の患者では、服用が長期にわたる場合、コントロール不良となる恐れがある。
服薬指導では、間食を控えるように伝えるなど、食事指導に気を配ることが大切。
ステロイドが糖代謝に与える影響は、糖質コルチコイドによって異なり、デキサメタゾンやベタメタゾンは単回投与でも血糖の上昇効果が36~54時間も継続する。

ステロイドの副作用発生リスク
感染症プレドニゾロン換算で20~40mg/日以上では、日和見感染や重篤な肺炎、敗血症がしばしばみられる。20mg/日未満でも投与期間が長く、総投与量が多くなるほど、発症頻度は上がる。
続発性副腎皮質機能不全プレドニゾロン換算で10mg/日以上を3年間以上投与した場合、または総投与量が1500~7000mgの場合には、ほぼ全例で視床下部、下垂体の抑制が起こるとされる。
毎朝1回、40mg未満のプレドニゾロンを5日間投与した場合、臨床的に問題になるような副腎皮質の機能低下は惹起しなかったと報告されている。
糖尿病35歳以上の患者が発症するリスクは、ヒドロコルチゾン換算で40mg/日未満で1.8倍、40~70mg/日で3.0倍とされる。
血糖は投与後2~3時間から上昇し、約5~8時間後にピーク
再生不良性貧血と肝疾患では、少量投与でも早期に発症する傾向
脂質異常症プレドニゾロン投与後48時間で血中脂肪濃度は上昇し、2~3か月後には満月様顔貌など中心性肥満が観察される。
プレドニゾロン7.5mg/日以上では心血管イベントの発症リスクが2.56倍に上昇。クッシング症候群を呈した患者ではハザード比4.16で何らかの心血管イベントを高率に発症した。
血圧上昇服用後1~4週間で徐々に上がることが多く、減量で元に戻る。
高血圧の発症頻度は20%前後とされ、65歳以上の高齢者では全例20mg/日以上の投与量で、家族歴との関係が強かった。
骨粗鬆症プレドニゾロン換算で2.5mg/日以上投与し、3~6か月で骨折リスクはピークに達するとされる。
精神変調投与開始もしくは増量から2~3週間以内に生じるとされる。
プレドニゾロン換算で40mg/日が1つの目安。この量を超えるとそれ以下と比べて、症状の発生頻度は数倍から10数倍に上昇。
緑内障眼圧上昇は用量依存性。高齢者はプレドニゾロン40mg/日以上、小児では30mg/日以上で発症する可能性が高く、これを超える場合は定期的な眼圧測定が必要。
眼圧が上がりやすいステロイドレスポンダーは注意(若年者を中心に健常者の1~4割)
白内障プレドニゾロン換算で成人は10~15mg/日、小児では1~3mg/日を6か月間投与すると、頻度が急上昇。小児では2~3か月で発症も。
満月様顔貌(ムーンフェイス)プレドニゾロン換算で中等量以上服用するとほぼ必発。投与開始3~4週目で現れ始めて、減量し始めて3か月後くらいが最も顕著。
減量して10mg/日程度になるとほとんど目立たなくなる。服用中止後100日前後で元に戻る。

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