2018年9月18日更新.3,327記事.5,528,363文字.

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シスタチンCは血清クレアチニンよりも優れている?

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腎機能検査

腎機能検査の項目には、クレアチニン以外にも、シスタチンC尿素窒素(BUN)などがある。
クレアチニンとどのように使い分け、評価すればよいのか?

シスタチンCとは酵素による細胞質や組織の障害を抑え、細菌・ウイルスの増殖を抑制するプロテアーゼインヒビターです。
シスタチンCは低分子で腎糸球体を自由に通過できる物質であるため、GFRの低下に伴い血中濃度は上昇します。
 
通常、腎機能検査として使用されている血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動の影響を受けますが、血清シスタチンC値は食事や炎症、年齢、性差、筋肉量などの影響を受けないため、小児・老人・妊産婦などでも問題なく測定できます。
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇し、腎機能障害の早期診断に有用です。
 
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には早期腎症と考え、血清シスタチンCを検査します。
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、シスタチンCを測定する意義はありませんが、軽度上昇例で評価が困難な場合、シスタチンC測定で腎機能をみることができる。

シスタチンCは血清Crよりも優れている?

血清Crが低い患者で、腎機能が良いからではなく、栄養状態が不良である場合がある。
通常、痩せた患者では筋肉由来の内因性腎機能評価物質であるCrベースの腎機能推算式はあてにならない。
血清Cr値が0.6mg/dL未満の高齢者ではeGFRまたは推算CCrが大きな値になりがちである。

栄養状態が悪い高齢者のような症例では血清Crをもとにした推算式は用いるべきではない。
筋肉量が減少している患者んでは、血清Cr値をもとにした腎機能推算式を用いると腎機能を過大評価してしまう。
もともとeGFR式、Cockcroft-Gault式ともに高齢者には適用しにくい式であり、シスタチンCの測定か、実測CCrの測定が推奨される。

血清Crをもとにした式では筋肉量が少ない為血清Cr値が低いのか、腎機能が良いから血清Cr値が低いのか判断しにくい。
特に長期臥床高齢者では前者の場合が圧倒的に多い。高齢者なのに推算値が100mL/min以上の正常値になったとしてもその値を信用してはならない。

シスタチンCは炎症などの細胞外の影響を受けにくく、全身の有核細胞由来のため年齢によらず産生量も一定である。
また、細胞外に分泌されたシスタチンCは血中の蛋白と結合せず、free体として存在しており、糸球体で濾過される。
濾過後はほとんどがアミノ酸に分解されるため、血中には戻らない。

このため、シスタチンCの血中濃度はGFRに依存している。したがって、シスタチンCはCrと比較して性差や年齢の影響を受けにくいといえる。
腎機能が軽度~中程度~重症腎障害のときにはCrよりも鋭敏であるため非常に有用であり、特に腎機能低下の早期で有効である。しかしシスタチンCの血中濃度は腎機能が低下すると頭打ちになることがわかっており、進行した腎不全では腎機能を正確に反映できない可能性があるが、腎機能が低下すれば血清Cr値のみで腎機能を評価できるため、使い分けが重要となる。

BUN

尿素は主な排泄経路が腎臓であり、血中濃度は腎機能の指標となる。
クレアチニンと同様に腎機能低下時には上昇するが、高蛋白食、脱水、消化管出血のときにも上昇する。
絶食による体蛋白の崩壊、発熱、感染症、アシドーシスによる異化亢進状態など腎機能以外の影響を受けることがあるため注意が必要である。

クレアチニンと合わせて考えると、BUNとCrの比(BUN/Cr)をみることによって幅広い情報が得られる。BUN/Crが10以上であると、食事指導が守られていない過剰な蛋白摂取、あるいは異化亢進状態、消化管の大量出血、脱水や心不全が疑われ、高齢者の腎機能低下においても筋肉量が少ないためBUN/Crが上昇する。腎機能を容易に悪化させる脱水のマーカーとしてはBUN/Cr>20は有用である。

参考書籍:調剤と情報2015.5

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