2019年3月19日更新.3,395記事.5,972,840文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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胆汁酸トランスポーター阻害薬が便秘に効く?

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グーフィス錠

また新しい便秘薬が発売されるようです。
グーフィス錠。有効成分は、エロビキシバット水和物
作用機序は、胆汁酸トランスポーター阻害作用。

アミティーザと似たようなものと推測するが、いかに?

グーフィスの特徴としては、
・世界初の胆汁酸トランスポーター阻害剤
・大腸に流入した胆汁酸により、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用(Dual Action)で排便効果を促す
・回腸末端の胆汁酸トランスポーターへ直接作用し、体内への吸収はわずか
といったことが挙げられます。

胆汁酸

胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成される物質です。
肝臓で合成された後、短銃の主成分として胆のうに蓄えられ、食事に伴って胆のうから胆管を経て十二指腸へ分泌され、食物脂肪の消化、吸収に関与します。

分泌された胆汁酸は腸肝循環により小腸で約95%が再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌されます。
一方、再吸収されなかった胆汁酸は大腸へ到達します。
大腸管腔内で胆汁酸が増加すると、胆汁酸の働きによって大腸管腔内へ水分が分泌され、また消化管運動が促進することが知られています。

胆汁酸と下痢

胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成される物質です。
肝臓で合成された後、胆汁の主成分として胆嚢に蓄えられ、食事に伴って胆嚢から胆管を経て十二指腸へ分泌され、食物脂肪の消化、吸収に関与します。

分泌された胆汁酸は腸肝循環により小腸で約95%が再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌されます。
一方、再吸収されなかった胆汁酸は大腸へ到達します。

大腸管腔内で胆汁酸が増加すると、胆汁酸の働きによって大腸管腔内へ水分が分泌され、また消化管運動が促進することが知られています。

エロビキシバットは、回腸末端部にあって胆汁酸の再吸収に関わるトランスポーターであるIBAT(ileal bile acid transporter)を特異的に阻害する作用を有しています。
エロビキシバットのIBATに対する作用によって胆汁酸再吸収が阻害され大腸へ到達する胆汁酸が増加すれば、大腸管腔内への水分の分泌、消化管運動が促進すると考えられます。

ウルソを飲んで下痢をする、を応用した機序でしょうか。
胆汁酸の吸収阻害という機序なので、ウルソとの併用は併用注意に挙げられています。

グーフィスのインタビューフォームに以下のように書かれている。

胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸)
本剤は、胆汁酸の再吸収に関わる回腸末端部に発現するトランスポーターであるIBAT(ileal bile acid transporter)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させ、排便を促すと考えられる。本薬理作用のため、胆汁酸製剤の再吸収が阻害され、胆汁酸製剤の作用が減弱するおそれがあることから併用注意の薬剤として設定した。

デュアル・アクション

エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。
胆汁酸は、大腸管腔内に水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させるため(Dual action)、エロビキシバットの便秘治療効果が発現する。

結局どちらも胆汁酸の働きなので、胆汁酸のデュアル・アクションであって、エロビキシバットはシングル・アクションのような気もする。

グーフィスの用法用量

グーフィスの用法用量は以下のようになっている。

通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

グーフィス錠の規格は5mgなので、1回2錠ということになる。
こういう1回2錠がデフォルトの薬は気に入らない。たまにしか処方されないと、1回1錠で処方されていても普通にスルーしてしまう。

用法は「食前」。
添付文書の食事の影響をみると、

日本人慢性便秘患者60名を対象に、クロスオーバー法で、本剤単回経口投与後の食事摂取の有無による薬物動態への影響を評価した。食前投与時のCmax及びAUC0-∞は、食事非摂取時の約20~30%であった。

つまり、食後に比べて食前だと吸収が20~30%になる。
体内に吸収されて働く薬ではないので、食前に服用することで不必要な薬剤の曝露を防げる。
食事による胆汁酸の分泌促進とのタイミングにも合わせているのだろう。

胆汁酸とグーフィス

胆汁酸は食物脂肪の吸収に必要な物質であり、肝臓でコレステロールから合成され胆汁の主成分として胆嚢・胆管を経て十二指腸に分泌されます。
分泌された胆汁酸の95%は小腸で再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌されるといういわゆる腸肝循環が行われています。
再吸収されなかった胆汁酸は大腸内において水分を分泌させ、消化管運動を亢進させます。
そのため胆汁酸製剤の投与により軟便や下痢の副作用が生じることや回腸の疾病では大量の胆汁が大腸に到達して下痢を引き起こすことが知られています。

グーフィスは、胆汁酸の再吸収に係わるトランスポーターであるIBATを阻害する低分子化合物です。
グーフィスは回腸末端部においてIBATを阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させ、排便を促すと考えられます。

食物が胃から十二指腸に排出されることが刺激となって、胆嚢から十二指腸に胆汁酸が分泌されます。
グーフィスを食後に服用した場合、グーフィスは食物と一緒に少しずつ十二指腸に排出されるため、胃から十二指腸にすべてのグーフィスが排出されるころには、食物と混ざった胆汁酸が小腸内を進んで遠位回腸からどんどん再吸収されてしまった後のため、十分な効果を発揮することができません。
グーフィスを食前に服用しておくと、遠位回腸にある胆汁酸再吸収のためのトランスポーターに十分なグーフィスが結合し、食後に食物と混ざった胆汁酸が小腸を進んで遠位回腸に到達しても再吸収が阻害され、大腸に運ばれた胆汁酸が大腸内において水分を分泌させ、消化管運動を亢進させることで便秘への効果を発揮すると考えられます。

下剤の併用

新規作用機序の薬剤ということで、ほかの下剤との併用はどうなんだ?と思いますが、添付文書上は他の下剤との併用に関しての記載はない。

プルゼニドやラキソベロンといった大腸刺激性下剤はもちろん、塩類下剤の酸化マグネシウムや、クロライドチャネルアクチベーターのアミティーザも作用機序が違うので、併用は可能とみられる。
しかし、副作用の下痢や腹痛には注意する必要がある。

グーフィス

2018年4月に発売されたエロビキシバットは胆汁酸トランスポーター阻害というまったく新しい作用機序を持つ慢性便秘症治療薬です。
回腸末端部の胆汁酸トランスポーターによる胆汁酸の再吸収を阻害することにより、大腸に流入する胆汁酸の量を増加させ、大腸内の水分分泌を促すとともに大腸の運動を促進させ、自発排便回数を増加させます。

グーフィスは回腸末端の胆汁酸トランスポーターへ直接作用し、体内への吸収はわずかです。

グーフィスは長期投与試験において(52週間)、良好な排便状況が維持されました。
しかし、漫然と継続投与しないよう、定期的に投与継続の必要性を検討する必要があります。

グーフィスの初回自発排便発現までの時間の中央値は5.2時間。
用法は「1日1回食前」であるが、夕食前に飲んだ場合、夜間に排便したくなる可能性もあるので、飲み始めは朝食前のほうがいい。

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マクサルト服用片頭痛患者 併用禁忌の予防薬は?

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薬剤師

「マクサルト(一般名:リザトリプタン)を服用している片頭痛患者」に対して、新たに予防薬の投与を考える際に併用禁忌となる薬はどれか。
A. ミグシス(一般名:ロメリジン)
B. インデラル(一般名:プロプラノロール)
C. デパケン(一般名:バルプロ酸)
D. トリプタノール(一般名:アミトリプチン)
E. ワソラン(一般名:ベラパミル)

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