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プラビックスとアスピリンの配合薬?
公開. 更新. 投稿者:脳梗塞/血栓.この記事は約3分31秒で読めます.
2,441 ビュー. カテゴリ:コンプラビン配合錠
コプラビン配合錠という抗血小板薬の合剤がある。
コンプラビンは、抗血小板剤であるプラビックス錠の有効成分クロピドグレル75mgにアスピリン100mgを配合した抗血小板薬の経口配合剤。
コンプラビンの適応症は、
経皮的冠動脈形成術(PCI) が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
DAPT(Dual Anti-Platelet Therapy:抗血小板薬2剤併用療法)は、経皮的冠動脈形成術(PCI)の術後にステント血栓症のリスクを低減させる目的で行われる治療法である。
併用する2剤は、基本的にアスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬(パナルジン、プラビックス)である。
経皮的冠動脈形成術とは?
経皮的冠動脈形成術(PCI)は、カテーテルを用いて、手や足の動脈から心臓の冠動脈までバルーン(風船)やステントを送り込み、狭窄部位を広げる治療であり、手術のために胸を切開する必要がないため、患者の負担を格段に減らせる。
対象となるのは、薬物療法では十分な改善が得られない狭心症や、不安定狭心症、および心筋梗塞などで早急な治療が必要な患者である。
狭窄の状態によりPCIが適さない場合、冠動脈バイパス手術などを選択する。
PCI後、血管壁に生じた損傷やステント上にできる血小板血栓などに起因する冠動脈閉塞(ステント血栓症)を起こす患者がいる。
ステント血栓症には、PCI後30日以内に生じる早期ステント血栓症と、30日後以降に生じる遅発性ステント血栓症がある。
頻度は合計でも1%前後と低いが、血栓形成により血流が阻害されれば、心不全などの重篤な症状が生じる。
これを防ぐため、チェノピリジン系の抗血小板薬とアスピリンを併用する二剤抗血小板療法(dual antiplatelet therapy:DAPT)が実施される。コンプラビンはDAPTの服薬アドヒアランスを改善するために作られた配合剤である。
血栓予防はいつまで続ける?
PCI後にDAPTを継続する最適な期間については、現在各国で検討が進められている。
一般に薬剤溶出性ステント(DES) は、ベアメタルステント(BMS) よりも遅発性ステント血栓症発症率が高いため、より長い期間のDAPTが必要である。
欧州心臓病学会などの10 年のガイドラインでは、DES留置後のDAPT期間は6~12ヵ月、BMS については1ヵ月とされている。
米国心臓協会などが11年に示したガイドラインでは、DES留置例では最低12ヵ月、BMS留置例では最低1ヵ月、DAPTを継続することが推奨されている。
しかし、DESの改良が進んだことで、DAPTの期間は短縮される傾向にある。
日本では統一した推奨期間はないものの、DAPTの継続期間のエビデンスとなるデータ収集が進んでおり、従来考えられていたより短期間でよいとする解析結果も出ている。
今後、PCI後のDAPT期間は短縮される可能性もある。
コンプラビンは腸溶錠?
コンプラビンの添付文書に、
本剤は腸溶性の内核を含む有核錠であるので、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。
とある。
外殻層にクロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして75mg)、腸溶性の内核にアスピリン(100mg)を含むフィルムコーティング錠(有核錠)となっている。
腸溶錠といえば、バイアスピリン。
粉砕はダメ、半割もダメ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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