更新日:2017年11月9日.全記事数:3,169件.

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COPD患者は脂肪を摂取したほうが良い?


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COPD患者の体重減少

COPD患者は、病気の悪化に伴い体重が減少することが知られています。
これには、エネルギー代謝の亢進と、摂取エネルギーの低下が大きく関係しています。

エネルギー代謝の亢進は、換気障害により呼吸が荒くなり、呼吸運動に必要なエネルギーが増加するために起こります。
さらにCOPDは全身性の炎症性疾患であるため、炎症性サイトカインの代謝・分解に伴うエネルギー消費が発生します。

これらを食事量に換算すると、健康な方と比べて約1.5倍もの量を食べないといけないという報告があります。
その一方で、摂取エネルギーは低下しがちになります。

これには、食べ物の咀嚼や嚥下の際に呼吸が乱れたり、肺の過膨張で腹部が圧迫されるため、少量でも満腹感を感じやすくなることが関係しています。
また、摂食に影響するホルモンの量の変化で、食欲が減退しがちになります。

このため、COPDの進行に伴い体重は減少しやすくなるのですが、その結果、体力・筋力が低下して息切れしやすくなり、食事量が減って、さらに体重が減るという悪循環が生じます。

COPDでは糖尿病などの生活習慣病と比べると栄養指導は疎かにされがちですが、適切な食生活と食習慣によって死亡率が減少するという報告もあるので、栄養管理はかなり重要です。
食事中の息切れなどのために十分なカロリー摂取ができていない恐れがある場合、食事の回数を増やすことで、必要なカロリー摂取を達成しやすくなります。
1日の総カロリーを増やすために、間食が勧められることもあります。

呼吸商

COPDの栄養管理では、呼吸商の低い食品の比率を上げて、肺が二酸化炭素を排出する負担をできるだけ軽くする工夫が必要です。
呼吸商とは、体内で栄養素をエネルギーに変換するときに、消費される酸素に対して発生する二酸化炭素の比のことです。

糖質、蛋白質、脂質の中では、脂質が最も呼吸商が低いため、脂質が多い食事が望まれます。
また脂質は質量当たりのカロリーも高い(9kcal/g)ので、同じエネルギーを摂取するなら、脂質優位の食事にする方が膨満感を抑えることができ、換気系への負担も軽くなります。

COPDの患者さんやご家族への服薬指導では十分なカロリー摂取を促すため①食事の前に呼吸を落ち着ける②ゆっくり食べる③少量ずつ何回かに分ける、など、栄養管理に対するアドバイスもできるとよいでしょう。

ABC療法

COPDの増悪時の薬物療法の基本はABCアプローチと言われます。
Aは抗菌薬(antibiotics)、Bは気管支拡張薬(bronchodilators)、Cはステロイド薬(corticosteroids)です。

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