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β遮断薬で特定薬剤管理指導加算を算定できるか?
公開. 投稿者:不整脈.この記事は約1分42秒で読めます.
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β遮断薬とハイリスク薬
β遮断薬は薬効分類番号212の抗不整脈薬に分類されており、特定薬剤管理指導加算が算定可能である。
しかし算定するには「不整脈に使われた場合」という縛りがあります。
各β遮断薬の適応症は以下のようになっている。
医薬品名 | 適応症 |
---|---|
テノーミン | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮) |
メインテート | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮、虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全、頻脈性心房細動 |
セロケン、ロプレソール | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈 |
アセタノール | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮、発作性上室性頻拍、新鮮心房細動、除細動後の洞調律の維持) |
インデラル | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、褐色細胞腫手術時、期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防、片頭痛発作の発症抑制、右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制 |
ナディック | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈 |
ミケラン | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、心臓神経症、不整脈(洞性頻脈、頻脈型不整脈、上室性期外収縮、心室性期外収縮)、狭心症 |
カルビスケン | 本態性高血圧症(軽症~中等症) 、狭心症、洞性頻脈 |
アロチノロール塩酸塩 | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈、本態性振戦 |
アーチスト | 本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症、狭心症、虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全、頻脈性心房細動 |
不整脈のみに適応のあるβ遮断薬は無いので、患者インタビューにより不整脈であることが確認できなければ特管は算定できません。
また、mg数によって適応の違うβ遮断薬もあります。
アーチスト錠の1.25mgは「虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全」にしか適応がなく、不整脈には使えません。
メインテート錠の0.625mgも「虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全」にしか適応がなく、不整脈には使えない。
これらの規格で間違って特定薬剤管理指導加算を算定したら、返戻の対象となります。
β遮断薬では病名の確認は必須です。
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