2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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川崎病は感染症?

川崎病とは

川崎病は1967年に小児科の川崎富作先生が最初に報告した原因不明の病気です。4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症がおきていろいろな症状が出ます。

①高熱
②両側の眼球結膜(目の白いところ)の充血
③真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌
④体の発赤疹
⑤手足の腫れ
⑥首のリンパ節の腫れ
の6つの症状のうち5つ以上の症状があれば川崎病と診断します。小さなお子さんではBCGを注射した場所が紅く腫れ上がることも、特徴的な症状の1つです。

類似した疾患として溶連菌感染症があり、①高熱、③苺舌、④発疹、⑥リンパの腫れは見られます。しかし、結膜充血や手足の腫れは見られない。
ただ、何か別の原因で結膜充血などを起こしていれば、川崎病と診断されることもあるのではないか、誤診されることもあるのではないかと思いますが、もし万が一川崎病だったとすれば、早期発見治療し後遺症を残さないようにすることが重要ですので、治療開始してしまったほうが得策ともいえます。

川崎病は汎血管炎、つまり全身の血管に炎症が起こる疾患で、血管の炎症とは、いわば血管の火傷です。全身の血管に火傷が起こるため、高熱が出ます。ただし、高熱を発する疾患はほかにもあるので、川崎病のエキスパートでも高熱だけでは診断できません。高熱が続き、数日の経過で前述したさまざまな症状が現れることによって初めて川崎病と診断することができます。

特徴的なのは手足の変化で、発赤を伴う浮腫が急性期の四肢末端の症状として見られますが、一般的な浮腫と違って川崎病の場合は硬くパンパンに張って押してもへこみません。そして2週間くらい経つと、手の皮が指の先からむける膜様落屑が見られます。

川崎病の特徴的な6種類の症状自体は、治療せずに放置しても多くが1~2週間で自然に治まります。しかし、川崎病で問題視されているのは、これらの症状の背後に血管の炎症があり、特に心臓の冠動脈に後遺症をもたらすことです。冠動脈が拡大したり冠動脈に瘤ができやすくなり、この状態だと将来冠動脈が狭くなったり急性心筋梗塞を起こすおそれがあるのです。

川崎病の診断

川崎病で怖いのは冠動脈瘤などの後遺症を残すこと。
早期に診断し治療すれば、後遺症を防ぐことができる。

症状が出現してから「7病日以内に診断」し、「10病日以内に熱を下げる」ことが、後遺症を残さず治療を完了するための大切な要素です。

現在、川崎病の診断には2002年に厚生労働省川崎病研究班が作成した「川崎病(MCLS、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)診断の手引き」(改訂第5版)が使われている。
一般的に、39度以上など高熱に加えて、口唇や口腔内の発赤、全身の発疹や眼球結膜の充血などを認めた場合に強く疑われる。

川崎病の好発年齢は1歳前後とされ診断のポイントも明確にされているが、年齢によって症状の出方が違うことが多いので、注意が必要だ。
例えば、1歳以下の乳児で見るべきポイントの一つが、BCGの接種痕だ。高熱を来した患児のBCG接種部位が赤く腫れていたら、まず川崎病を疑う。
罹患児のすべてに見られるわけではないが、この所見があれば川崎病である可能性が高く、早期に免疫グロブリンの大量投与を検討すべき。
1歳以下では、免疫グロブリンの大量投与が効きにくく、冠動脈瘤の後遺症が発生しやすいことが分かっている。早期の発見と治療開始が重要。
一方、年長児では粘膜の所見が出にくい。

もう一つ、注意すべき点としては頸部のリンパ腺の腫脹が挙げられる。
川崎病患者の場合、胸鎖乳突筋の片側が縮んで斜頸になっていることがあるが、それを見て化膿性リンパ節炎やおたふくかぜと診断されてしまうケースがあるという。
こうした疾患との鑑別には、腹部用のエコーを使った腫脹している部位の観察が有用だ。
リンパ節炎では、膿が1カ所に集まっている所見が特徴的だが、川崎病ではブドウの房のようにいくつもの高エコーが集積しているように見える。

川崎病は感染症?

「川崎病の原因は何ですか?」と聞かれて困る私です。

川崎病の原因は未だわかっていません。
川崎病の原因は不明ですが、感染症の可能性が疑われています。

ただ、他人にうつすことは無い。
無いと断言はできないかも知れませんが、地域での流行や、兄弟間、友人間での感染報告というのがみられないため、感染力はあっても弱いと推測されます。

病因として、以前は細菌説が有力であったものの、抗菌薬が無効で原因菌が発見されないことから、後に否定された。
このほかウイルス感染や水銀中毒、ダニ抗原説などが疑われているが、いまだ結論は出ていない。

川崎病は公害病?

医療関係者なら川崎病といえばわかりますが、一般の人では川崎公害病と勘違いする人もいます。
川崎公害病とは、川崎市周辺で発生した大気汚染による喘息被害のことですが、川崎病はこれとは全く関係ありません。
小児科医の川崎富作が発見した、原因不明の小児の病気です。

川崎病は遺伝病?

遺伝子コンソーシアムとは 川崎病遺伝コンソーシアム
・女の子に比べて、男の子の方が1.4倍多く発症する。
・アジア系人種、中でも日本人に多い。
・親や兄弟が川崎病にかかったことがある場合、かかったことがない場合に比べて数倍かかりやすい。
らしい。
日本人に多いらしい。
だから川崎富作先生が発見。

大人も川崎病にかかる?

川崎病は、おもに乳幼児にかかる急性熱性発疹性疾患。

大人の川崎病は聞いたことはありませんが、稀にあるそうな。

成人発症の川崎病はきわめて稀であり本邦においてもその報告例はわずかです。

このため、成人発症の川崎病ではしばしば診断に難渋し治療開始が遅れる可能性があります。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

2 件のコメント

  • M のコメント
         

    いつも拝読させていただいている薬局薬剤師です。しばらく更新が途絶えていらっしゃるようなので心配になり、連絡させて頂きました。お身体は大丈夫でしょうか。また更新お待ちしております。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    ご心配くださりありがとうございます。
    新しい試みを考えておりまして、プログラミングについて勉強していた次第でございます。
    また、どこかの薬剤師が役に立つようなものを作っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

コメント


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プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
著書:薬局ですぐに役立つ薬剤一覧ポケットブック
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