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適応外処方一覧
公開. 更新. 投稿者: 28,464 ビュー. カテゴリ:調剤/調剤過誤. タグ:薬剤一覧ポケットブック. この記事は約2分43秒で読めます.
適応外処方

適応外処方とは、承認されている効能・効果以外の目的で医薬品を処方すること。
結構あります。
しかし、適応外処方だろうなあ、と薬剤師が思っていても、それは推測に過ぎず、実際はわからない。医師に疑義照会して聞かなければわからない。
処方せんに病名が書かれていれば、「これは適応外です」とビシッと言えますが、現在そこまで進んではいない。
医師はレセ病名という裏技を使うこともあるので、保険請求上の病名と患者に伝えている病名が違うということもありうる。
適応外処方だと思っていたら、いつの間にか効能効果が追加されていた、なんてこともあります。
さらにわかりにくいのが、適応外処方だと思っていたら、公知申請されていた、なんてことも最近ではあります。
定期的に見直しアップデートしないと古い情報に踊らされてしまいます。
| 医薬品 | 処方目的 | 
|---|---|
| ACE阻害薬 | 2型糖尿病などに伴う蛋白尿 | 
| ネフローゼ症候群 | |
| レイノー病(現象) | |
| 拡張型心筋症、心不全 | |
| 冠動脈形成術(PCI)後の再狭窄予防 | |
| 誤嚥性肺炎 | |
| 心筋梗塞後の予後改善 | |
| 心肥大 | |
| H2ブロッカー | NSAIDs潰瘍の予防 | 
| いぼ | |
| 乾癬 | |
| 癌転移の予防(シメチジン) | |
| 抗精神病薬による体重増加 | |
| 食道静脈瘤(門脈圧亢進症) | |
| 石灰沈着症による肩関節・股関節痛(シメチジン) | |
| 舌痛、口渇(ニザチジン) | |
| 帯状疱疹 | |
| 単純ヘルペス | |
| 慢性膵炎 | |
| 慢性蕁麻疹 | |
| α1遮断薬 | 慢性前立腺炎 | 
| αグルコシダーゼ阻害薬 | 胃切除後ダンピング症候群 | 
| α刺激薬 | 尿失禁 | 
| β2刺激薬 | 上気道炎(塩酸ツロブテロール) | 
| 切迫流・早産 | |
| β遮断薬 | 拡張型心筋症、心不全 | 
| 甲状腺機能亢進症 | |
| 食道静脈瘤(門脈圧亢進症) | |
| 片頭痛の予防 | |
| 本態性振戦 | |
| アイピーディ | 膀胱炎、頻尿 | 
| アクトス | 多嚢胞性卵巣症候群 | 
| 非アルコール性脂肪性肝炎 | |
| アザニン/イムラン | 関節リウマチ | 
| アスピリン | 習慣性流産 | 
| 妊娠中毒症 | |
| アデホス | めまい | 
| 不整脈 | |
| 嗅覚障害 | |
| アレグラ | かぜに伴う鼻汁 | 
| アレディア | SAPHO症候群 | 
| アンジオテンシンII受容体拮抗薬 | 心不全、腎障害 | 
| 糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群 | |
| アンプラーグ | 労作性狭心症、PCI後の狭心症 | 
| エスベリベン | リンパ管浮腫 | 
| エパデール | クローン病 | 
| めまい | |
| 貧血 | |
| エルシトニン | 脊柱管狭窄症 | 
| 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD) | |
| エンドキサンP | 関節リウマチ、間質性肺炎、ループス腎炎 | 
| オパルモン | 急性感音難聴 | 
| 頸椎症性脊髄症 | |
| ガストローム | 潰瘍性大腸炎 | 
| ガスロンN | 口内炎 | 
| カタプレス | 小児の低身長 | 
| 慢性疼痛 | |
| カナマイシン | 肝性脳症 | 
| カルシウム拮抗薬 | レイノー病(現象) | 
| 間欠性跛行 | |
| 切迫早産 | |
| 妊娠中毒症 | |
| ケタラール | 慢性疼痛 | 
| コルヒチン | ベーチェット病の眼症状 | 
| 壊死性血管炎などの皮膚疾患 | |
| 原発性胆汁性肝硬変 | |
| サイトテック | 三叉神経痛 | 
| 多発性硬化症 | |
| 分娩誘発 | |
| ザイロリック | 口内炎 | 
| サリグレン | 口渇 | 
| ジスロマック | 淋菌性膣炎 | 
| シプロキサン | クローン病 | 
| ゼスラン | かぜで鼻炎症状が強いときに頓服 | 
| セディール | 進行性核上性麻痺 | 
| セファランチン | 慢性血小板減少性紫斑病、滲出性中耳炎(内用剤) | 
| セロクラール | 慢性疼痛 | 
| ソル・メドロール | ネフローゼ症候群 | 
| ダイアモックス | 高山病 | 
| 統合失調症 | |
| チガソン | 痒疹 | 
| チスタニン | 口渇 | 
| ドグマチール | 食欲不振 | 
| 乳汁分泌不全 | |
| トランサミン | 肝斑(しみ) | 
| トランデート | 妊娠中毒症 | 
| ネオーラル | 間質性肺炎 | 
| 関節リウマチ | |
| バイアグラ | 原発性肺高血圧症 | 
| パナルジン | 心筋梗塞のステント植込術後(再狭窄予防) | 
| パラミヂン | ワルファリンの作用増強 | 
| バリキサ | サイトメガロウイルス感染症 | 
| ビソルボン | 口渇 | 
| ビタミンC製剤 | 抗パーキンソン病剤の吸収補助 | 
| 貧血(鉄剤との併用) | |
| 毛細血管性出血 | |
| ビタミンD製剤 | 角化症 | 
| 関節痛、ふらつき | |
| ビタミンK製剤 | 肝発癌予防 | 
| 骨髄異形成症候群 | |
| フェノバール | しゃっくり | 
| 帯状疱疹後神経痛、慢性疼痛 | |
| フォリアミン | メトトレキサートの副作用予防 | 
| フラジール | にきび | 
| 偽膜性腸炎 | |
| 潰瘍性大腸炎、クローン病 | |
| プレタール | 徐脈性不整脈 | 
| 心筋梗塞のステント植込術後(再狭窄予防) | |
| プロトンポンプ阻害薬 | NSAIDs潰瘍の予防 | 
| NSAIDs潰瘍の予防 | |
| 胃食道逆流症の診断(PPIテスト) | |
| 胃食道逆流症の診断(PPIテスト) | |
| 肝性脳症 | |
| 急性胃粘膜障害 | |
| 血小板凝固抑制薬使用に際しての胃粘膜保護 | |
| 反復性副鼻腔炎(タケプロンOD) | |
| 慢性咳嗽 | |
| 慢性咳嗽 | |
| プロマック | C型慢性肝炎 | 
| 亜鉛欠乏、味覚障害 | |
| 口内炎 | |
| フロリネフ | 糖尿病性自律神経障害(起立性低血圧) | 
| ベプリコール | 心房細動 | 
| ペリアクチン | 食欲不振 | 
| 糖尿病腎症 | |
| マクロライド系薬 | びまん性汎細気管支炎(DPB) | 
| 糖尿病性自律神経障害(胃腸症) | |
| 便秘 | |
| 慢性副鼻腔炎 | |
| ミノマイシン | 関節リウマチ | 
| 類天疱瘡、色素性痒疹 | |
| ムコスタ | NSAIDs使用時の胃粘膜障害予防 | 
| 口内炎 | |
| メキシチール | 神経因性疼痛 | 
| メジコン | 慢性疼痛 | 
| メチコバール | 睡眠障害 | 
| 男性不妊 | |
| メトグルコ | 多嚢胞性卵巣症候群 | 
| 非アルコール性脂肪性肝炎 | |
| メトトレキサート | 乾癬 | 
| 掌蹠膿庖症 | |
| ラシックス | 気管支喘息 | 
| リザベン | 冠動脈形成術(PCI)後の再狭窄予防 | 
| リスパダール | 認知症における幻覚・妄想 | 
| リタリン | 注意欠陥多動性障害(ADHD) | 
| レクチゾール | アナフィラクトイド紫斑病、円板状狼瘡 | 
| レペタン | 慢性疼痛 | 
| レミケード | 乾癬性関節炎 | 
| ロイコトリエン拮抗薬 | 小児アレルギー性鼻炎に伴う鼻閉 | 
| 慢性咳嗽、上気道炎後の咳 | |
| ロキソニン | 認知症の進行予防 | 
| 頻尿、尿失禁 | |
| ワソラン | 高血圧症 | 
| 糖尿病神経障害 | |
| 片頭痛 | |
| 抗てんかん薬 | こむら返り | 
| しびれ(クロナゼパム) | |
| むずむず脚症候群(クロナゼパム) | |
| 帯状疱疹後神経痛、慢性疼痛 | |
| 糖尿病神経障害 | |
| 統合失調症(デパケン) | |
| 不整脈 | |
| 片頭痛 | |
| 本態性振戦(クロナゼパム) | |
| 三環系抗うつ薬 | 帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、慢性疼痛 | 
| 中枢性筋弛緩薬 | しゃっくり(バクロフェン) | 
| 緊張型頭痛 | |
| 沈降炭酸カルシウム | 慢性腎不全 | 
| 低容量ピル | 月経困難症 | 
保険適応外と公知申請
公知申請とは、承認済医薬品の適応外処方について科学的根拠に基づいて医学薬学上公知であると認められる場合に、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく効能又は効果等の承認が可能となる制度のことです。
つまり添付文書上は保険適応外ですが、レセプト上問題の無い適応外処方。
公知申請に関する品目は以下のPMDAのページで検索できる。
また、公知申請には該当しなくても、審査上保険請求が認められているものもある。社会保険診療支払基金のホームページに載っている。
適応外処方を見つけた際には確認してみよう。
公知申請と副作用被害
適応外処方で気になるのは、副作用被害救済制度の対象になるのかどうかという点。
その点については、Q&Aに、
Q 副作用被害救済制度については、どのように運用されるのか。
A 医師の診察により医薬品が適正に使用されたと考えられる場合には副作用被害救済制度の対象となり得るが、救済給付の決定に当たっては、個別事案ごとに、薬事・食品衛生審議会が、添付文書の記載事項のみならず、医薬品の適正な使用による健康被害であるか等の医学的薬学的事項を判定することとしていること。
と書かれている。
曖昧な表現で記載されていますが、公知申請だからといって、副作用被害救済制度の対象にならないというわけではないようだ。




