2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ベネットの週1回製剤を毎日服用?

リセドロン酸と骨ページェット病

薬剤師

ベネット錠17.5㎎を毎日って間違いじゃないの?

ベネット錠17.5mgの適応に「骨ページェット病」という疾患があります。

骨パジェット病ともいう。変形性骨炎ともいう。
特定疾患です。ベーチェット病と名前が似ているが、違う病気です。

骨は吸収と再生を繰り返していますが(リモデリング)、骨ページェット病はその両方に異常がおこる、原因不明の慢性疾患です。
骨が軟化したり腫れたり、痛みや変形などの症状がおこったりする。

ベネット2.5mgやベネット75mgには骨ページェット病の適応はありません。

骨ページェット病に対するベネット17.5mgの用法は、

通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを1日1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに8週間連日経口投与する。
なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

8週間の連日投与です。

通常、骨粗鬆症に処方されるため、ベネット17.5mgのシートには、「週1回1錠のむ薬です」と印刷されている。
このシートを骨ページェット病の患者に渡してはいけません。

骨ページェット病患者には、骨ページェット病用のシートというのが、販売されています。
20錠包装と40錠包装は骨粗鬆症用のシートですが、56錠包装はページェット病用のシートとなってる。

40錠包装より大きい包装が無いか、発注システムを探していたら、56錠包装というのがあったので、発注しそうになったことがある。

処方せんにベネット錠17.5mg1日1回56日分とか書かれていたら、「処方間違いだな」と決めつけて疑義照会してしまいそうですが、51の処方せんだった場合、骨ページェット病の可能性もあるので注意。

ビスホスホネート製剤の用法間違い

ビスホスホネート製剤の用法の処方間違いというのをたまに見かける。

特にリセドロン酸(ベネット/アクトネル)には週1回製剤と月1回製剤があるので頻度が高い。

商品名一般名規格用法
フォサマック/ボナロンアレンドロン酸5mg1日1回
アレンドロン酸35mg週1回
ベネット/アクトネルリセドロン酸2.5mg1日1回
リセドロン酸17.5mg週1回
リセドロン酸75mg月1回
ボノテオ/リカルボンミノドロン酸1mg1日1回
ミノドロン酸50mg4週1回
ボンビバイバンドロン酸100mg月1回

一般名処方で来た場合に、「アレンドロン酸錠35mg 月1回」「ミノドロン酸50mg 週1回」といったひっかけ問題が生じることがある。規格と用法でピンと来ないことも多いので、覚えるようにする。

週1回製剤と月1回製剤を間違える、というタイミングについては、まず上記の「処方箋発行時点」、次に「調剤時」、そして事務員による「処方箋入力時」がある。

薬剤師が監査として重要視するのが、「処方箋が間違いないか。疑義照会の必要がないか。」そして、「調剤した薬が間違いないか。患者に間違った薬を渡してないか。」といった点。

そして抜け落ちるのが、「用法入力間違い。印刷物の記載間違い。」なのである。

調剤監査システムを採用している薬局でも、薬の総量の確認はしても、用法の確認まではできないからである。

薬袋を確認し、週1回の薬が月1回になっていないか、月1回の薬が週1回になっていないか確認する必要がある。

もし間違っていたとしても、患者はシートの記載を見て、医師の話を思い出して、間違った飲み方を回避できる可能性は高いが…間違えないように注意すべきである。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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