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好中球減少時に生ものを食べてはいけない?
公開. 更新. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約2分14秒で読めます.
2,640 ビュー. カテゴリ:顆粒球減少症と無顆粒球症
白血球のなかで、細胞につぶつぶ(顆粒)があるものを顆粒球といいます。
顆粒球は細菌を貪食する作用があり、生体防御には欠かせません。
好中球、好酸球、好塩基球の3種類があり、細胞を染めたときのつぶつぶの色で区別されます。
「顆粒球減少症」とは、末梢血中の成熟好中球の絶対数が減少した状態のことで、一般には1500/μL以下の場合をいいます。
通常、顆粒球の大部分は好中球が占めるため、好中球減少症という言葉もほぼ同義語として用いられます。
「無顆粒球症」とは、500/μL以下に好中球が激減した場合に用いられます。
好中球の減少によって感染症、特に細菌や真菌感染をきたしやすくなりますが、無顆粒球症ではそのリスクが一段と高くなるのです。
好中球、好酸球、好塩基球の違いは?
白血球の種類は好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球。
このうち好中球、好酸球、好塩基球は顆粒球とも呼ばれる。
好中球は末梢血内では白血球全体の50から70%を占め 、顆粒球では約90から95%を占める。
なので、顆粒球はほぼ好中球といえる。
好酸球はアレルギー反応に関与しており、アレルギー性疾患では高値になる。
好塩基球の存在意義は不明とのこと。
好中球減少時の食事制限
「好中球減少時、感染予防のために食事制限(生ものの摂取禁止など)を行いますか?」という質問に対して、65%(241人)の医師が「はい」と回答した。このうち、疾患別に食事制限の有無を聞いたところ、急性白血病では99%、その他の血液腫瘍では69%、固形癌では57%だった。
制限する生ものの食事の種類は、魚介類が96%、卵が83%、肉が97%、野菜が50%、果物が33%。食事制限を開始する時期は、「好中球数500 /μL未満」が70%、「好中球数1000 /μL未満」が16%。また、食事制限を解除する時期は、「好中球数500 /μL以上」に回復した時が43%、「好中球数1000 /μL以上」が45%だった。
高橋氏は食事制限の必要性について、「私見では、特定の食物が危険というわけではなく、自分の口に入るまでの衛生管理ができているかが肝心ではないかと思う。食物の保管や調理の面での衛生管理を適切に行えば、食物の内容はそれほど制限しなくても安全性が担保されるのではないかと考えているが、それを証明するには比較試験が必要」と指摘。今後は、全ての癌種において好中球減少時の食事制限を同様に行うべきか、入院時のような食事提供時の衛生管理が行われている環境でも食事制限が必要か、そもそも食事制限自体が必要なのか、などについて検討が必要であると語った。好中球減少時の食事制限は65%の医師が実施【臨床腫瘍学会2013】:日経メディカル オンライン
白血球の顆粒球には、好中球以外にも、好酸球や好塩基球などがありますが、顆粒球の90~95%は好中球なので、好中球減少=顆粒球減少と捕らえられる。
「自分の口に入るまでの衛生管理ができているかが肝心」と言いますが、それが一番難しい。
生ものは避けた方が無難だと思う。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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