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カフェインは危険?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約3分18秒で読めます.
2,992 ビュー. カテゴリ:エナジードリンクって危ない飲み物なの?
エナジードリンクは危険?
アメリカではエナジードリンクの飲用で死亡という記事が多く見られていましたが、日本でも死者が出ました。
含有されているカフェインにより心臓発作が引き起こされます。
カフェインなど覚醒作用のある成分を多く含む栄養ドリンクを飲んでも休養や睡眠の代わりにはならないと注意喚起がされています。
カフェインは中枢神経系興奮作用があり、眠気防止や疲労感の軽減、鎮痛作用の増強などが期待できます。
その目的で、医療用医薬品だけでなくOTC薬や滋養強壮ドリンク、炭酸飲料など様々なものに配合されています。
またコーヒーや煎茶などの食品にも含まれています。
しかし、カフェインには精神依存性や耐性があり、摂取量によっては、中毒や離脱症状(頭痛、疲労感、過眠、抑うつ、不安など)を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
カフェインの安全な量は?
日本では特に定められていませんが、海外の規制当局は、悪影響のないカフェイン最大摂取量について「健康な成人400mg/日、妊婦200~300mg/日、小児2.5mg/kg/日」と規定しています。
1日当たりの健康に悪影響の無い最大摂取量 | 機関名 | |
---|---|---|
妊婦 | 300mg/日 | オーストリア保険・食品安全局(AGES) |
200mg/日 | 英国食品基準庁(FSA) | |
300mg/日 | カナダ保健省 | |
子ども | 2.5mg/kg体重/日 | |
4~6歳 | 45mg/日 | |
7~9歳 | 62.5mg/日 | |
10~12歳 | 85mg/日 | |
健康な成人 | 400mg/日 |
コーヒーカップ1杯を150mLとすると、1日4~5杯のコーヒーを飲むと成人の上限量に届くことになります。
ただし250mg/日以上の摂取でも、不眠や吐き気、頻脈、頻尿などの症状が表れる可能性があります。
特にカフェイン過敏症であれば、少量のカフェイン摂取でも中毒症状を起こす恐れがあるので注意してください。
また成人では、一度に1g以上摂取すると中毒症状が表れる恐れがあります。
実際に、1g以上2g未満で頻回嘔吐や血清カリウム値低下、2g以上で頻脈、心電図異常(心室期外収縮、QT延長)、筋症状(振戦、硬直、筋肉痛)、クレアチニンキナーゼ上昇の出現が報告されています。
経口投与時の急性致死量は、明確なデータが示されている訳ではありませんが、5~10gと考えられています。
カフェインの半数致死量 (LD50) は一般に約200mg/kgと言われているが、個体差があり、年齢やカフェイン分解酵素(CYPやモノアミンオキシダーゼ)の活量や肝機能に違いがあるため、5g〜10gが致死量と考えられます。
中毒症状発現量と致死量の差が狭く、生物に対する毒性は強いとされるが、ごく普通に身近に存在し、様々な用途や場面で人体に摂取されている。
これは一部の生物や哺乳類に対する毒性は極めて強いが、ヒトに対しての毒性は低いためである(選択毒性)。
一般的な成人では、1時間以内に6.5mg/kg以上のカフェインを摂取した場合は約半数が、3時間以内に17mg/kg以上のカフェインを摂取した場合はすべての場合に急性症状を発症します。
カフェイン含有量一覧
食品・医薬品等 | カフェイン含有量 |
---|---|
ドリップコーヒー | 60mg |
インスタントコーヒー | 57mg |
紅茶 | 30mg |
煎茶 | 20mg |
缶コーヒー | 50~80mg |
カフェラテ(缶・ペットボトル) | 30~40mg |
コーラ | 10mg |
ペットボトル緑茶 | 10~20mg |
ココア | 30mg |
高カカオチョコレート | 68~120mg |
メガシャキ | 100mg |
眠眠打破 | 120mg |
強強打破 | 170mg |
リポビタンD | 50mg |
チオビタドリンク | 50mg |
アリナミンV | 50mg |
オロナミンC | 18mg |
レッドブル | 80mg |
モンスターエナジー | 144mg |
エスタロンモカ内服液 | 150mg |
エスタロンモカ12 | 200mg |
イブクイック頭痛薬 | 80mg |
イブA錠 | 80mg |
バファリンプレミアム | 80mg |
バファリンルナi | 80mg |
エスタックイブファイン | 25mg |
新ルルA錠 | 25mg |
PL配合顆粒 | 60mg |
SG配合顆粒 | 50mg |
長距離運転手に、「一番効くヤツをくれ」と言われたら強強打破かなあ。
カフェインで眠気が覚める?
カフェインは、アデノシン受容体を阻害する働きをもっており、覚醒作用を有する。
アデノシンの作用
アデノシンの濃度は大脳皮質と前庭基底部において断眠時間に依存して上昇、その後の睡眠中に減少し、またアデノシン脳内投与により睡眠を誘発するので、従来から内因性睡眠物質の1つであると考えられてきた。
中枢神経系には4種類のアデノシン受容体(A1、A2A、A2B、A3)が存在する。
このなかでA1受容体とA2A受容体が睡眠調節に関係すると考えられている。
カフェインで頭痛になる?頭痛が治る?
コーヒーを飲むと頭痛が和らぐことがあります。
これはカフェインの効果で、血管を収縮させるために頭痛が和らぎます。
クリアミンやカフェルゴットなどの片頭痛治療薬にもカフェインが含まれています。
しかし、カフェインを常用すると逆に頭痛が起こりやすくなります。
カフェイン禁断性頭痛といって、カフェインの中毒症状です。
毎朝コーヒーを飲んでいるような人が、休みの日の朝は遅くまで寝ていると、カフェインの摂取が遅れて頭痛が誘発される、なんてこともあるようです。
コーヒーで頭痛
血管を収縮する物質を連日摂取していると、それから離脱するときに血管が拡張し、頭痛が起こります。
例えば、コーヒーを1日3、4杯常用していて、連日過剰のカフェインを摂取していると血管は収縮した状態になります。
何らかの理由でコーヒーを飲まなくなると、離脱による頭痛が発生する。
他に、チラミンが含まれるチョコレートやチーズ、アミノ酸のグルタミン酸なども、同様の機序で頭痛が起こります。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
カフェインはパーキンソンの症状を和らげ、予防にも効果があるそうですね。
門前のパーキンソン専門医師は患者さんにコーヒーをよくとるよう勧めています。