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心不全で喘息になる?
公開. 更新. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約2分46秒で読めます.
2,585 ビュー. カテゴリ:右心不全と左心不全の違い
心不全には、左心系が主に障害される左心不全と右心系が主に障害される右心不全がある。
心不全は、原因となる基礎疾患に虚血性心疾患や弁膜症などがあるが、主たる障害が右心系にある右心不全と、左心系にある左心不全に大きく分けられる。
右心不全では、右室の後方にある静脈や肝臓がうっ血するため、肝腫大や浮腫、静脈怒張などを起こす。
一方、左心不全では、左室の後方にある肺循環がうっ血し、ガス交換が障害されて呼吸困難を生じる。
軽度の場合は、易疲労感や労作時の息切れだが、進行すると安静時にも日常生活動作も困難になるほどの呼吸困難を生じるようになる。
夜間発作性呼吸困難と心臓喘息
夜間発作性呼吸困難とは、就寝から数時間後に突然、呼吸困難や咳、痰を生じて覚醒する症状をいう。
発症機序の詳細は不明であるが、臥位をとったことで下半身の静脈圧が低下し、血管外水分が血管内に移行して静脈還流量が増大することが要因と考えられている。
また、睡眠によって呼吸中枢の反応性が低下し、低酸素血症がかなり進んでから発作的に症状が起こる、ともいわれている。
夜間発作性呼吸困難では、呼吸困難と咳に加えて、喘鳴が現れることがある。
肺うっ血によって肺間質や気管支粘膜に浮腫を生じ、気管支が閉塞することが原因とされており、症状が気管支喘息の発作とよく似ているので、心臓喘息と呼ばれる。
心臓喘息では、起き上がって座り、静脈還流を腹部や下肢にシフトさせると改善することがあるが、できるだけ早く受診して処置を受けることが大切である。
心臓喘息の症状に加えて、血痰や泡沫状のピンク色の痰が現れるようになったら、さらに緊急性を要する。
このような場合、肺毛細血管圧が著しく上昇し、血管内の水分が漏出した肺水腫を来しており、直ちに適切な治療を行わなければ、死亡する危険性がある。
気管支喘息と心臓喘息
気管支喘息には、ホクナリンやメプチンなどのβ刺激薬が使われます。
心臓喘息を来たしている心不全患者には、アーチストやメインテートなどのβ遮断薬が使われます。
心臓喘息にホクナリンやメプチンを使うことは好ましくないが、禁忌ではない。
しかし、気管支喘息にアーチストやメインテートは禁忌なので注意する必要がある。
気管支喘息を心臓喘息だと間違える、なんてことはまず無いでしょう。
しかし、心臓喘息を気管支喘息と間違える、ということはあり得る。
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