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タケプロンOD錠をお湯に溶かしちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分40秒で読めます.
10,755 ビュー. カテゴリ:タケプロンOD錠の簡易懸濁法
胃ろうをしている患者さんにタケプロンOD錠が処方された。
ランソプラゾールOD錠「トーワ」に変更。
他の薬は粉砕していますが、OD錠は粉砕しなくても水に溶けるよな、と思いそのまま調剤。
しかし、ジェネリックのOD錠は崩壊性に難があるものもあるのでちょっと心配。
簡易懸濁法的なこともお話した。
ここで、「内服薬経管投与ハンドブック」1)で調べてみた。
簡易懸濁法とは 錠剤粉砕やカプセル開封をせずに、錠剤・カプセルをそのまま、あるいはコーティングに亀裂を入れて、温湯(約55℃)に入れ、崩壊・懸濁させて経管投与する方法です。
簡易懸濁法で55℃の湯を使う理由として、温度が高すぎると固まってしまう薬があります。
添加物のマクロゴール6000は56~61度で凝固するため、これを含有しているものは温度が高すぎると固まってしまい、チューブが閉塞する原因となります。
タケプロンOD錠にはマクロゴール6000が含有されています。もちろんGEであるランソプラゾールOD錠「トーワ」にも入っています。
ちなみに、簡易懸濁法できるPPIはタケプロンOD錠だけです。他のPPI、パリエットやオメプラールなどは腸溶錠であるため胃酸によって速やかに失活してしまうからです。
タケプロンも腸溶性の工夫がされていますが、腸溶性コーティングをした細粒が含まれている錠剤で粗くつぶす限りは問題にならないので、簡易懸濁法が可能です。
タケプロンODは7層の腸溶性皮膜に被われた微粒の裸錠である。
薬剤師ノート – 水でむせるのでタケプロンODを溶解ではなく粉砕でだせないか? [タケプロンOD錠-粉砕可否] – xpwiki
トンカチ等で砕くのは問題ないが、粉砕機、乳鉢等によるすり潰しでは皮膜が壊れ胃で失活してしまうので不可
ちなみにパリエットの粉砕について。
パリエットは胃酸により失活するため粉砕は不可。(pH5の条件下だと30分で100%失活する。胃酸はpH2~3で薬の胃内滞留時間は1~2時間であることを考慮すると、経口投与時の粉砕は全く効果が見込めない)
薬剤師ノート – パリエット粉砕について [‘パリエット ラベプラゾールナトリウム 粉砕可否’] – xpwiki
患者が自己判断で粉砕してしまう場合もあるので、噛んだり砕いたりしていないかインタビューすることも必要。
タケプロンOD錠は簡易懸濁しちゃダメ?
簡易懸濁法では通常、薬剤の調製に55℃の湯を使用します。
この温度の湯なら、15分放置後も37 ℃程度となりカプセルが十分に溶解するというのが、55 °Cという温度設定の根拠だそうです。
薬によっては、簡易懸濁法で調製した薬液が、栄養チューブをしばしば閉塞させるらしい。
医薬品の添加物にマクロゴール(ポリエチレングリコール)という添加剤が、苦味のマスキングと主薬の安定化のために用いられています。
このマクロゴールには重合度により幾つかの種類があり、マクロゴール6000という成分は、常温ではパラフィン状の固形だが、融点は56 ~61 °Cとなっており、簡易懸濁法で用いるお湯の温度に非常に近い。
液状に融解したマクロゴール6000 が冷えて再度固形化すると、元の腸溶性顆粒よりも大きな、非常に凝集しやすい粒子になってしまうとのこと。
このマクロゴール6000の性質で、簡易懸濁法の実施時にマクロゴール6000の融点を上回る温度の湯を使用すると、融解したマクロゴール6000 が投与中に再び固形化してチューブ内で凝集し、チューブの閉塞を来すことがあるので注意が必要になる。
参考文献
1)倉田なおみ.内服薬経管投与ハンドブック─簡易懸濁法可能医薬品一覧─第3版.じほう 2015
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
簡易懸濁法で 粉砕してから 55度のお湯でとかしても問題ないですか?
コメントありがとうございます。
簡易懸濁法は、錠剤をそのままお湯に入れて溶かす方法なので、粉砕してからというのはイレギュラーな方法になりますが、「薬が硬い場合やコーティング錠の場合には、懸濁しやすいように軽く砕いた後にお湯に入れる」ということも行われますし、まあ、大抵の薬は大丈夫なんでしょうけど、酸化マグネシウムの場合、粉砕するとチューブを閉塞させるということもあるので、粉砕しないほうがいいということもあります。
個々の薬で違うと思いますので、各メーカーに問いあわせるしかないでしょうか。