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ゼチーアはいつ飲んでも効く?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約2分8秒で読めます.
6,566 ビュー. カテゴリ:ゼチーアの服用時点
ゼチーアという脂質異常症の薬。
未だにどの程度効果のあるものなのかわからない。神秘の薬。
糖尿病におけるαGI的なイメージの薬なのですが、違うのか。
用法の基礎的なことも疎かにしているので学びなおす。
αGIは糖の吸収を妨げる薬であるため、糖が吸収された後に飲んでも効果はない。
なので、αGIの服用時点は「食直前」となっている。
ゼチーアはコレステロールの吸収を妨げる薬。
であれば、αGI同様食直前に飲んで、食事中のコレステロール吸収をブロックせねばなるまいと考えたのは私だけか。
ゼチーアの用法は、
「通常,成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する.なお,年齢,症状により適宜減量する.」
と、むしろ食後という用法が定められています。
しかも1日1回の服用で持続する。
その理由は「腸肝循環」。
ゼチーアのIFによると、「ヒトにおける主排泄経路は,腸肝循環を伴う胆汁排泄による糞中排泄である。」
ゼチーアは腸肝循環する。
腸肝循環しながら、胆汁中のコレステロールの吸収を阻害するわけだ。
胆汁中のコレステロールは、食事由来のものだけではなく、肝臓から胆汁中に排泄されたコレステロールも含む。
胆汁性コレステロール(肝臓から胆汁中に排泄されるコレステロール)は800~2000mg/日、食事から摂取されるコレステロールは400~500mg/日と言われる。両者は、小腸の粘膜上皮細胞の絨網(先端)に存在する小腸コレステロールトランスポーターにより、体内に吸収される。
胆汁酸
食事由来のコレステロールよりも、肝臓から排泄されるコレステロールのほうが多い。
糖やたんぱく質よりも、脂質の吸収には時間がかかる。
そのため食後の服用で問題ないし、食事といっしょに存在するというよりも、きちんと胆汁酸の中に溶け込むことが重要で、そのためには食後に胆汁酸が分泌されてからの投与が効果的ということか。
アトーゼットは食後服用
ゼチーアとリピトール(アトルバスタチン)の配合剤の用法も、ゼチーア同様の「食後」となっている。
リピトール単剤の服用時点は特に定められていないが、ゼチーアが食後の用法なので、食後に飲むのが妥当。
しかも、アトーゼットの食事の影響の項目をみると、
(2) 食事の影響
エゼチミブ
健康成人男性に本剤10mg/10mg(13例)及び10mg/20mg(14例)を食後又は空腹時に単回投与したとき、空腹時に比べて食後投与での血漿中エゼチミブ(非抱合体)のAUCは5%~14%、Cmaxは14%~18%低かった。
アトルバスタチン
健康成人男性に本剤10mg/10mg(13例)及び10mg/20mg(14例)を食後又は空腹時に単回投与したとき、空腹時に比べて食後投与での血漿中アトルバスタチンのAUCは21%~23%、Cmaxは47%~68%低かった。
と記載されており、アトルバスタチンの吸収にゼチーアが大きな影響を及ぼしている。
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