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芍薬甘草湯が不妊症に効く?
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約2分42秒で読めます.
2,802 ビュー. カテゴリ:不妊症に芍薬甘草湯
西洋医学においては、排卵障害・不妊症は、一般にクロミフェン(クロミッド)が用いられます。
下垂体前葉に働きゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の分泌を促し排卵を誘発します。
漢方薬では当帰芍薬散や温経湯が間脳に働き、ひいては視床下部の支配下にある下垂体前葉に働き、LH(黄体形成ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を高め、エストロゲンやプロゲステロンの分泌増加に作用すると考えられています。
一方、鎮痛剤として繁用されている芍薬甘草湯も排卵障害に有効とされています。
排卵障害には、テストステロン(男性ホルモン)やプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)が多すぎて起こる場合はありますが、芍薬甘草湯はこのテストステロンやプロラクチンの分泌を下げる作用があるといわれています。
その機序は芍薬甘草湯の有効成分グリチルレチン酸によってテストステロンの分泌を抑制するとされています。
不妊症に使う漢方薬
日本産科婦人科学会においては、「妊娠を希望する男女が、ある一定期間性生活を行っても妊娠しない状態」を「不妊」と定義しています。
最近では、10組に1組が不妊といわれています。
不妊治療に対しては、西洋医学のみならう、漢方治療を取り入れた双方の治療の併用による相乗効果が期待されています。
漢方では、不妊症も気血水や五行説における五臓のバランス異常と捉えており、やはり、随証治療によって行われます。
一般には、当帰芍薬散、温経湯などが繁用されていますが、不妊症の人には胃腸が虚弱である場合が多いようです。
胃腸は生命のエネルギーの源である「気」をつくるところであり、胃腸が弱いと気が不足して妊娠する状態がつくれないと考えています。
このようなケースでは、六君子湯、香蘇散、小建中湯など胃腸を丈夫にする漢方薬を用います。
また、心的要素が強い場合には、抑肝散、加味逍遥散などが使われます。
芍薬甘草湯
虚・実に関係なく用いられる。
鎮痙・鎮痛の基本処方である。
急激に起こる筋肉の痙攣性疼痛(四肢の骨格筋)ならびに腹部疝痛(消化管の平滑筋)に頓服として用いる。
即効性も十分期待できる。
なお、甘草の量が多いので、長期に使用することは低カリウム血症を引き起こす場合があるので望ましくないと思われる。
他剤と併用して用いることが多く、また、燥性の方剤の長期投与に合方するのもよいと思われる。
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