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トレドミンとハルナールは併用禁忌?
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約4分40秒で読めます.
3,127 ビュー. カテゴリ:SNRIと排尿障害
SNRIといえば、トレドミン。
あとサインバルタ。
トレドミンの禁忌に、
「尿閉(前立腺疾患等)のある患者[本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、症状を悪化させるおそれがある。]」
とある。
ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、前立腺肥大症に禁忌とのこと。
しかし、サインバルタのほうの禁忌には、尿閉とも前立腺肥大症とも書かれていない。
緑内障には禁忌になってるけど。
やっぱりサインバルタはセロトニン再取り込み阻害率が高く、トレドミンはノルアドレナリン再取り込み阻害率が高いってことなのか。
トレドミンと前立腺肥大症
ミルナシプランの副作用のうち排尿障害は、他の抗うつ薬に比べて出現頻度が高い。
同薬の投与により、ノルアドレナリンが増加しα1受容体が刺激されることで、膀胱排尿筋の弛緩および膀胱括約筋の収縮が起き、排尿しにくくなると考えられている。
さらに、前立腺肥大症の患者の場合には、ミルナシプランによる間接的なα1受容体刺激により、前立腺組織、前立腺被膜、後部尿道平滑筋の収縮も起きるため、前立腺部尿道の内圧が上昇して尿道抵抗が増大し急性尿閉が起きる恐れがある。
実際、同剤の国内の臨床試験では、前立腺肥大症を基礎疾患とする1人の患者で尿閉が出現したことが報告されている。
このことからミルナシプランは尿閉(前立腺疾患など)のある患者には投与禁忌であり、排尿困難のある患者には慎重投与となっている。
患者が前立腺肥大症と診断されている場合には、特段の理由がない限り、トレドミンの使用は避けなければならない。
前立腺肥大症にSNRIは禁忌?
ミルナシプラン塩酸塩(トレドミン)は、脳内神経細胞終末におけるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、これら神経伝達物質のシナプス間隙濃度を高めることで抗うつ効果を発揮するセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)である。
ミルナシプランの副作用のうち排尿障害は、他の抗うつ薬に比べて出現頻度が高い。
ミルナシプランの投与により、ノルアドレナリンが増加しα1受容体が刺激されることで、膀胱排尿筋の弛緩および膀胱括約筋の収縮が起き、排尿しにくくなると考えられている。
さらに、前立腺肥大症の患者の場合には、ミルナシプランによる間接的なα1受容体刺激により、前立腺組織、前立腺被膜、後部尿道平滑筋の収縮も起きるため、前立腺部尿道の内圧が上昇して尿道抵抗が増大し急性尿閉が起きる恐れがある。
実際、同剤の国内の臨床試験では、前立腺肥大症を基礎疾患とする1人の 患者で尿閉が出現したことが報告さ
れている。
このことからミルナシブランは尿閉(前立腺疾患など)のある患者には投与禁忌であり、排尿困難のある患者には慎重投与となっている。
患者が前立腺肥大症と診断されている場合には、特段の理由がない限り、トレドミンの使用は避けなければならない。
前立腺肥大症の治療薬としてα1遮断薬のタムスロシン塩酸塩(ハルナール)が処方されている場合、ミルナシプランを併用することでα1受容体で作用が桔抗し、タムスロシンの薬効が減弱する可能性もある。
ミルナシプランの代替薬としては、添付文書の慎重投与の欄に排尿障害の記赦がないフルポキサミンマレイン酸塩(デプロメール、ルボックス)やパロキセチン塩酸塩(パキシル)が挙げられる。
これらは選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であり、ノルアドレナリンの増加を伴わないため α1受容体を介した排尿障害の副作用は起きにくい。
ただし、これらの単独投与においても、排尿困雌、排尿障害、尿閉などの副作用が起きた という報告もあるので注意は必要である。
ちなみに、三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬もノルアドレナリンを増加させるが、α1受容体阻害作用があるため、α1受容体を介した排尿障害は起きにくい。
ただし、これらの薬剤では抗コリン作用による排尿障害が起きる可能性があり、やはり前立腺肥大症患者への処方はふさわしくない。
疑義照会を行ってもトレドミンが中止されない場合には、患者に「尿閉が起きたら、直ちに医療機関を受診するように」と指導する。
また、内科診療所の医師に疑義照会し、排尿障害治療薬の変更を提言するという選択肢もある。
その場合の代替薬としては、α受容体を介さずに膀胱排尿筋収縮不全を改善するコリンエステラーゼ阻害薬のジスチグミン臭化物(ウブレチド)や、植物エキス製剤のエビプロスタットなどが考えられる。
トレドミンとハルナールとα1受容体
α1遮断薬のハルナールとトレドミンを併用することでα1受容体で作用が桔抗し、ハルナールの薬効が減弱する可能性がある。
三環系抗うつ薬と前立腺肥大症
三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬もノルアドレナリンを増加させるが、α1受容体阻害作用があるため、α1受容体を介した排尿障害は起きにくい。
ただし、これらの薬剤では抗コリン作用による排尿障害が起きる可能性があり、やはり前立腺肥大症患者への処方はふさわしくない。
参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇
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