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薬嫌いの子に薬を飲ませる方法
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約6分3秒で読めます.
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子供に薬を飲ませる方法
うちの子、薬が嫌いなんだけど上手に飲ませる方法ってある?
子供に粉薬が処方されると、お母さんから「この薬どうやって飲ませたらいいですか?」と聞かれることがあります。
自分で飲めない年齢の子供の場合と、薬が嫌いな子供の場合があります。
自分で飲めない乳児に薬が処方されているときは、薬の飲ませ方を伝授します。
基本的には、口の中に放り込めばOKです。
スポイトで粉薬に水を数滴たらして、上あごとか頬の内側に塗ってもらい、何か飲ませるという方法があります。
飲みやすい薬なら水に混ぜてから、スポイトや哺乳瓶の先で少しずつ吸わせても大丈夫です。
薬嫌いの子供の場合は、飲みやすくなるように工夫します。
例えば、冷たいと味を感じなくなるのでアイスクリームやシャーベットなどに混ぜるのはよい方法です。
1歳前後になると味がわかってきますので、水での服薬が原則ですが、薬を嫌がる子どもには、何かに混ぜて飲ますのも1つの方法です。
幼児の場合は、冷めた味噌汁(甘味を嫌がる子の場合)、熟したバナナ(味、匂いが強い)、ココア(味が濃い、ノンカフェイン)、練りチョコレートなどに混ぜて飲ますと薬剤の味は消えます。
砂糖を加えることで服薬しやすくなる場合もある。
オブラートは、薬を包んだ後、水を入れたコップに外側をひたしてとろみをつける方法もある。袋型やフルーツ味のオブラートで飲めたという話もしばしば耳にする。
基本的には、苦い薬でも、「元気になるためのお薬だからね」ということを言い聞かせて飲ませるのがベストです。
錠剤は上を向いて飲む?カプセルは下を向いて飲む?
錠剤やカプセルが飲み込めないというお子さんがいます。
そんなときのテクニック。
錠剤は水に沈むので、下を向いて飲むと舌にひっかかる。
なので、錠剤を飲み込むときは上を向いて飲むとスムーズ。
カプセルは逆に水に浮くので、上を向いて飲むと、水だけ飲み込んでカプセルが残るなんてことも。
なので、下を向いて飲むといいと、誰かさんが言っていました。
下を向いて飲み込む、という発想はあまり無かったので、これを聞いたときは衝撃的でした。
昔、カプセルを飲み込めなくて、水ばかり飲みこんでお腹がタプンタプンになったのを思い出します。
じゃあ粉薬はどうやって飲み込むと良いのかと言うと。。。「気合で」飲むんだと、紙兎ロペが言っていました。
錠剤を飲める年齢
一般的に、5歳前後までは錠剤の内服が難しいといわれていますが個人差が大きく、10歳を過ぎても散剤を好む患児もいます。
実際に、錠剤の内服可能年齢について調査した結果では、6歳の半分以上では錠剤が服用できないとの報告もあります。
マクロライド系抗菌薬の苦み
マクロライド系抗菌薬は原薬に苦みがあり、DSではその苦味を軽減するために原薬をコーティングしています。
口腔内ではコーティングが溶けずに、胃内の胃酸下の酸性の状況でコーティングが溶解するように設計されています。
そのため、オレンジジュース、スポーツ飲料、ヨーグルトなどの酸性のものと同時服用することで本来は溶けにくいはずの口腔内でもコーティングが溶解してしまい、苦味を強く感じることは有名です。
ハチミツに混ぜちゃダメ?
1歳未満の乳児の場合、蜂蜜により乳児ボツリヌス症を発症する危険があるため、蜂蜜は与えないよう指導する。
ハチミツには土壌細菌であるボツリヌス菌が含まれており、腸内細菌叢が未成熟な乳児では、ハチミツによる乳児ボツリヌス症を発症した報告があります。
2017年には国内で初めて死亡例も報告されています。
そのため、服薬に限らず、乳児にハチミツは摂取させないよう指導することが必要です。
ジュースに混ぜちゃダメ?
酸性でコーティングがはがれる薬剤の場合、オレンジなどの柑橘系ジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料などとの混合により、コーティングがはがれて苦味が出たり含量が低下したりするため注意が必要である。
ヨーグルト、練乳、ジャム、プリン、チョコレートクリーム、ピーナッツクリーム、コンデンスミルク、ジュース、スポーツドリンク、プリンなどは味や香りが強く、氷やアイスクリームは舌を冷やし、薬の味を感じにくくする。
マクロライド系抗菌薬のドライシロップは、酸味のあるオレンジジュースなどと混ぜると大人でも服用が難しいほどの苦味が出ますので、ジュースの場合はリンゴが適しています。
ヨーグルトに混ぜちゃダメ?
薬をヨーグルトに混ぜて飲ませる人がいる。
ゼリーとかヨーグルトとかドロドロしたものに混ぜると苦味をマスクして、のどごしもいいので、おすすめです。
抗菌剤の粉薬の場合、ヨーグルトに混ぜると、ヨーグルト内の乳酸菌が殺されてしまう。
ヨーグルト以外の乳酸菌飲料でも。
まあ、薬を飲みやすくする目的であれば、乳酸菌が殺されようが構わないんだろうけど。
抗菌剤の力価にどの程度影響があるかは不明。
ミルクに混ぜちゃダメ?
主食であるミルクやごはんを食べなくなると困るので、主食には混ぜないようにする。
食べきれる・飲みきれる量に混ぜ、苦味が出たり薬効が変化したりしないうちにただちに飲ませる。
ミルクに薬を混ぜると、ミルクの味が変わってミルク嫌いの原因になります。
また、飲み残したときには正確な量のお薬を飲まなかったことになるので、ミルクには混ぜないで下さい。
離乳食にも基本的には食事嫌いになるので混ぜないほうがいいです。
・・・というのが教科書的ですが、最終的には飲まないとどうしようもないので、ミルクに混ぜるのも食事に混ぜるのも容認されます。
哺乳直前に最初20mL程度のミルクに薬を溶いて与え、飲みきった後、哺乳瓶を洗い通常のミルクを作って与えます。
これは、空腹時に薬入りのミルクを味が変だなと思う前に飲み切り、薬が残るのを防ぐためです。
しかし、ミルクに混ぜると効果が落ちるニューキノロン系やテトラサイクリン系のミノマイシンなどは混ぜない。これらはミルクに含まれるカルシウムとキレートを形成し、吸収が低下します。カルシウムなどとキレートを形成する薬剤の場合、牛乳などの乳製品にも注意が必要である。
服薬用ゼリーに混ぜちゃダメ?
マクロライド系抗菌薬の水での服薬が困難な場合には、服薬用ゼリーの使用も有用です。しかし、服薬用ゼリーの一部にも酸性の製品があり、注意が必要です。中性の製品である「苦い薬用」のものが推奨されます。
服薬補助ゼリーは、ゼリーの上に薬を置き、その上からゼリーをのせて挟むように使用する。また、余分な水分は捨ててから使用する。
薬の飲ませ方
まず、薬を飲ませる人の手を清潔にし、粉薬1回分をスプーンや小さなカップに出して適量の水でシロップのように溶かす。
それをそのままスプーンで飲ませたり、ミルク瓶の乳首やスポイトなどで、吐き出したりこぼしたりしないよう、口の奥のほうへ入れて飲ませる。
または、粉薬1回分を小皿などに出して一滴ずつ水を垂らして団子状や泥状に練り、指で子どもの頬の内側や上顎などに塗り、その後にぬるま湯やお茶、ミルク、ジュース、ココアなどで洗い流すように飲ませる。
内服が困難な場合には、子どもを仰向けに寝かせ、子どもが飲むのを確認しながら、水で溶かした内用剤を内服用のシリンジで右・左と頬の内側をつたうように少量ずつ入れたり、子どもの体を起こした状態で口の中にピュッと入れた後、すぐにジュースなどを飲ませたりすると、嫌がっている子どもでも上手に飲むことができる。
溶かすときには、飲みきれる少量の水で混ぜ、苦味が出たり薬効が変化したりしないうちにただちに飲ませるようにする。
また、舌先は苦味を強く感じ、ざらざらした感じを嫌う子どももいるため、直接舌に乗らないように注意する。
上手に飲めたときには子どもを褒めてあげることも大事である。
赤ちゃんは薬を食前に飲ませる?
薬の処方は食後であることが多いですが、赤ちゃんの場合は食前(ミルク前)に飲ませたほうが飲ませやすいです。
お腹がすいている時の方がよく飲んでくれるし、飲んだばかりのミルクを吐くことも少ないからです。
乳児において通常一般診療で用いられる薬については、食前投与により影響がある薬は少ないです。
消化管への影響についても、通常、小児が急性期に服用する薬で消化管障害が強い薬は多くはないので、さほど考慮する必要はないといわれています。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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