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プラザキサの用法は食直前?
公開. 更新. 投稿者:脳梗塞/血栓.この記事は約2分38秒で読めます.
1,687 ビュー. カテゴリ:プラザキサの用法
プラザキサは食直前に飲んだほうがいいの?
プラザキサの患者向けリーフレットで「プラザキサの上手な飲み方のご紹介」というのをもらったが、そこに「プラザキサは食直前(いただきますのすぐ前に)または食事中にコップ1杯の水で飲みましょう。」という記載があった。
プラザキサの用法は以下の通り。
通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。
食後も食前もとくに記載は無い。
処方箋の記載としては「食後」が多いだろう。
「食事の影響」については以下のように書かれている。
健康被験者に、高脂質、高カロリーの朝食後に本剤を投与したとき、空腹時投与に比べてAUC0-∞は約27%増加したが、Cmaxは約9%の上昇であった。tmaxは約2時間延長したが、バイオアベイラビリティに顕著な影響はないと考えられる(外国人データ)。
食事の影響はほぼない。
プラザキサを食直前に飲んだほうがいい理由は、プラザキサの吸収率を高めるために使われている酒石酸にある。
プラザキサは吸収率を高めるために酒石酸を使っており、胃内のpHが下がって胃粘膜が傷害され、飲んだ後に胃が痛む、おなかの中がもやもやするという。
プラザキサ(ダビガトランエテキシラート)は吸収効率が高くないため、溶解度を高めるために酸性環境を作る必要がある。
そのためプラザキサのカプセル内には、酒石酸を核とした粒子に原薬をコーティングしたペレットが複数含まれている。このカプセルが胃内で崩壊した際、酒石酸により局所的な酸性環境が形成され、主薬の吸収を促し効果を示す。
一方で、食道でカプセルが溶解した場合、周囲のpHを下げることから食道炎や食道潰瘍の発生リスクが高まるというわけだ。
そのため、プラザキサは食直前あるいは食事中に服用した方が胃への負担は少ない。
だとしても、医師の指示とメーカーの説明に違いがあれば、患者も戸惑うし、薬局への問い合わせも増えるので、あまりこのような文言は入れないでほしいと思った。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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