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リウマトレックスとメソトレキセートの違いは?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約4分10秒で読めます.
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リウマトレックスとメソトレキセートの違いは?
リウマトレックスもメソトレキセートも成分は同じ、メトトレキサート。
リウマトレックスカプセルは2mg。
メソトレキセート錠は2.5mg
それだけじゃなくて、効能効果も用法も違う。
リウマトレックスは、
関節リウマチ
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。関節症状を伴う若年性特発性関節炎
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして4~10mg/m2とし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。
メソトレキセートは、
白血病
メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として1週間に3~6日経口投与する。
幼児 1.25~2.5mg(1/2~1錠)
小児 2.5~5mg (1~2錠)
成人 5~10mg (2~4錠)絨毛性疾患
1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10~30mg(4~12錠)を経口投与する。
休薬期間は、通常、7~12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。
なお、いずれの場合でも年齢、症状により適宜増減する。
「メソトレキサート2.5㎎」と「メトトレキサート錠2㎎」である。ヒヤリハット事例でも報告されており、間違えやすい名称類似薬である。量的には誤調剤しても健康被害のリスクは少ないかもしれないがハイリスクな薬であり影響は大きい。
メソトレキセートの処方を受け付けたことはありませんが、だからこそ受け付けた場合に気づかない可能性大である。
抗癌剤が関節リウマチに効く?
メトトレキサートの歴史は意外に古く、1948年に代謝拮抗薬(葉酸拮抗薬)の免疫抑制剤・抗癌薬として開発され、当初は主に小児白血病に用いられた。
1951年、米国で白血病に対する常用量を関節リウマチに投与して有効とされたものの、骨髄抑制などの重大な副作用が出現したため、一時はDMARDsとしての開発が断念されている。
しかし、1964年に尋常性乾癬に対し、細胞増殖の周期に合わせた12時間ごとの低用量MTXパルス療法が試みられ、1972年にこの投与法が関節リウマチにも有効であることが確認された。
以後、その有効性を示す報告が相次ぎ、米国では承認申請のための治験を経ることなく、1988年にMTX低用量パルス療法がDMARDsとして承認されている。
葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサートがなぜ関節リウマチに効くのか?
そもそも抗癌剤は骨髄細胞の分裂も抑制するので免疫力は低下します。免疫抑制剤と同じですね。ただ、免疫抑制剤の説明でも、「免疫機能を抑える」という言葉は使いたくない。健康を害するマイナスイメージを与えるから。
炎症を引き起こす細胞の増殖を抑え、リウマチの関節炎症状を抑えるという説明がいいかな。
メトトレキサートは腹水に禁忌?
メソトレキセートの禁忌の項目に、
胸水、腹水等のある患者[胸水、腹水等に長時間貯留して毒性が増強されることがある。]
とある。
腹水があると、効きすぎる。
リウマトレックスにも同様の記載がある。
しかし、癌患者に腹水はつきもので、この縛りがどの程度守られているものなのかは知らない。
調べてみたら、癌性腹膜炎に、MTX/5-FU時間差療法なんてのもあるようで。
禁忌ってなんだろうなあ。
がん性腹水を抜いたら死期が早まる?
がん性腹水はお腹の中に散らばったがん細胞が様々な炎症を起こし、その影響で血管から水分や血液成分がしみ出してしまう状態です。腹水が何リットルも貯まると、胃腸や腎臓が圧迫されて食欲不振や腎機能の低下を招きます。また、お腹に貯まった水が胸とお腹を隔てている横隔膜を押し上げ、肺や心臓を圧迫するため苦しくて横になれず、座ったまま眠るという患者さんも少なくありません。 ところがいくら「抜いてください」と訴えても、現代医療の常識では「がん性腹水は、抜くと弱って死期を早めるだけ」というのが定説です。ほとんどの主治医は腹水を抜くことをためらい、患者さんに我慢させるでしょう。確かに「ただ抜く」だけでは腹水内にある必要な成分も一緒に捨ててしまうので、ますます症状が悪化する可能性があります。
腹水を抜いて、元気になろう がん治療情報ガイド
腹水のつらさというのをあまり考えたことは無かったのですが、「座ったまま眠る」とか聞くと、かなりしんどそう。
腹水をただただ抜いてしまえば、また血管から水分や血液成分がしみだしてくるのを加速させてしまい、死期を早めるという結果になるのでしょう。
腹水をろ過して、体内に戻す、という方法であれば、死期を早めることも無いのかな。
メトトレキサートで間質性肺炎
メトトレキサートで指摘される重大な副作用である間質性肺炎は、メトトレキサートに対するアレルギー反応と考えられており、発症例では服用開始後半年以内にその85%が集中している。
ただし、服用から4年後に発症した例も報告されており、外来受診時の胸部レントゲン撮影、KL-6測定は必須である。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
3 件のコメント
私は関節リウマチでリウマトレックスではなく、メソトレキセートを処方してもらってますよ。
リウマトレックス8mgで副作用が強くてたまらず「減らしてー」と頼んだら「リウマトレックス6mgー」「それじゃ効かない、へらし過ぎー、間はないのかー」「んじゃ、メソトレキセート三錠で7.5mgでどうだっ!」ほとんど漫才なやり取りで決まりましました。
今は増悪してしまい、メソトレキセート15mgです。
うちの主治医は、2mgのリウマトレックスでは処方できない微妙な増減量をするときにメソトレキセートを使ってますよ。
飲み方はメソトレキセートでもリウマトレックスと同じの飲み方です。
コメントありがとうございます。
メソトレキセートを関節リウマチに使う先生もいるのですね。
適応外ってことになるんでしょうけど。
脱カプセルとか指示されるより、薬局としては助かるかな。
うちの主治医曰く「わざわざ薬価の高いリウマトレックスなんて作って使ってる日本が異常なだけ、他の国はみーんなメソトレキセートで治療してるのに、なに考えてるんだか」だそうですよ。
海外のリウマチ治療に精通した先生ほど、メソトレキセートのリウマチ処方に抵抗がないようですね。
うちの主治医も毎年世界リウマチ学会に参加するため、6月に十日ほど休診します。
その主治医の上司に当たる先生は、アメリカ研修の経験ありでアメリカリウマチ学会会員という経歴の持ち主が二人…
治療方針も日本基準じゃなくてアメリカ基準ぽいですよ、これでも民間病院なんですけどね。
そうそう、この病院は基本院内処方です。