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グルファストを飲み忘れたら?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約4分40秒で読めます.
11,248 ビュー. カテゴリ:速効型インスリン分泌促進薬の用法
スターシス、ファスティック、グルファスト、シュアポストなどのグリニド系薬、速効型インスリン分泌促進薬の用法について。
スターシス/ファスティック、シュアポストは食前10以内となっている。
グルファストは食前5分以内となっている。
Q:糖尿病治療薬グルファスト錠(ミチグリニドカルシウム)は,毎食直前5分以内に服用となっているが,飲み忘れた時の対策は?
A:グルファスト錠は膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介してインスリン分泌を促進する薬で,血糖降下作用は速効性で効果は短時間である(Tmaxは15分,T1/2は1.2時間)。毎食直前5分以内に服用となっており,食前30分に服用すると食前15分に血中インスリン値が上昇して食事開始時の血糖値が低下し,食事開始前に低血糖を誘発する恐れがある。また,食後の服用は速やかな吸収が得られず効果が減弱する。食事中に飲み忘れに気づいた時はすぐに服用し,食事中以外の時に気づいた場合は服用しない。質疑応答 2009年11月
質疑応答 2009年11月
グルファストのTmaxは15分くらい。
ちなみにスターシス/ファスティック、シュアポストのTmaxは30分くらい。
食後の服用は効果が減弱する。どの程度減弱するかはわからないので、飲み忘れたときには飲んでみても良いような気はする。
実際、医師の処方でシュアポストの「毎食後」という用法の患者を見たことがある。
飲み忘れるリスクの高い高齢者には、食前よりも食後のほうが安心ということらしい。じゃあSU剤にすれば、と思いますけど。
グルファストは食前10分前服用じゃダメ?
グルファストは食直前に飲む必要があります。
それも「毎食直前5分以内に服用」と決められています。
なぜなら、グルファスト錠は17.4分でCmaxに達するため、食前30分前の服用では食事開始前に低血糖があらわれることがあるからです。
飲み忘れた場合は、1回飛ばして次の食直前に飲みましょう。
スターシスを食後に飲んじゃダメ
2型糖尿病の発症早期には、空腹時血糖値は高くないが、食後の過度の血糖上昇だけが見られる「食後過血糖」の病態を呈することが多い。
ナテグリニド(スターシス、ファスティック)は、この食後過血糖に適応を持つ薬剤である。
SU薬と同様、膵β細胞膜にあるSU受容体に作用して膵臓からのインスリン分泌を促進させ、血糖を降下させる と考えられている。
SU薬とナテグリニドの違いはその作用持続時間である。
大半のSU薬は作用持続時間が長く、持続的なインスリン分泌促進作用で血糖を低下させるため、投与回数は1日1~2回で済む。
しかし、食後高血糖の患者に投与する場合には、SU薬で食後血糖をコントロールしようとすると、さほど高くない空腹時の血糖値を過度に低下させ、低血糖を誘発してしまう危険がある。
その点、ナテグリニドは、食直前に投与すると30分で最高血中濃度に達し、半減期も約1時間と短い。
この「速効短時間作用型」という特徴により、毎食直前に服用することで、空腹時の血糖値に影響を与えることなく、食後高血糖だけを選択的に抑制できる。
ナテグリニドは作用時間が短いため、1日3回の食直前服用が必要となる。
服用から食事までの時間が長くなると低血糖が起きる可能性があるため、食前10分以内に服用することを強調 して指導しなければならない。
服用を忘れた時の対応を患者に聞かれた場合、食前服用で処方されたSU薬であれば、「食後に服用しても櫛わない」と指導するのが一般的である。
SU薬は長時間作用型であり、また、その吸収も食事の影響を比較的受けにくいからである。
実際、SU薬は食後服用で処方されることもある。
しかしナテグリニドでは、食後に服用すると血中濃度が十分に上昇しないことが確認されている。
また、 同薬は速効型であるため、食後の血糖上昇がない時間帯に服用してしまうと、低血糖を起こす可能性が高くなる。
したがって同剤の場合には、 「食前の服用を忘れたら、その分は服用しない」と指導するのが適当だと考えられる。
なお、食後高血糖に対しては、作用機序は異なるが、αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)が選択されることも多い。また、ナテグリニドとα-GIの併用効果も確認されている。
ただし、SU薬とナテグリニドの併用は原則不可である。作用機序が同じであり、併用の安全性が確立されていないことがその理由である。
速効型インスリン分泌促進薬
ナテグリニド、ミチグリニド、レパグリニドはSU構造をもたないが、膵β細胞のSU受容体と内向き整流KチャネルからなるATP感受性Kチャネルを抑制することにより、SU類のようにインスリン分泌を促進する。
これらのインスリン分泌促進の特徴は服用からインスリン分泌効果発現までの時間が極めて短く、かつ血中インスリン上昇のスピードが速いが、インスリン分泌持続時間は短いことである。
血糖改善効果はSU類ほど大きくないので、空腹時血糖はあまり高値でないが、食後の高血糖がみられる患者によい適応となる。
参考書籍:日経DIクイズベストセレクションSTANDARD篇
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1 件のコメント
スターシスを服用中の方が、認知で食後に内服していル事が時々あったのですが、ナテグリニドはなぜ食後に内服しない方がいいのか気になっていたので大変勉強になりました!