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手足症候群にビタミンB6が効く?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約3分7秒で読めます.
6,156 ビュー. カテゴリ:手足症候群にビタミンB6が効く
乳がんで使うカペシタビン(ゼローダ)の副作用には手足症候群という有名な副作用があります。
手足の疼痛などが出現してきた場合に、減量・休薬するとともにビタミン剤などを処方することもあります。
手足症候群になると、減量する必要があるということで、早いうちから予防ということも必要になってきます。
その部分で、ビタミンB6の投与が、一つの予防あるいは改善する薬ですが、日本の保険適用上、ビタミンB6の投与は1日60mgまでです。
報告では、手足症候群を改善させるには、ビタミンB6は1日100mg必要だということで、実際保険上のビタミンB6の投与を必要量が上回ってしまうということで、そのあたりは、サプリメントなどで補うことが必要です。
ゼローダ錠300㎎ 12錠
1日2回朝夕食後 28日分
手足症候群にピドキサール
副作用対応マニュアル|皮膚障害,手足症候群,爪囲炎:Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療
リン酸ピリドキサール(ビタミンB6)錠(ピドキサール)が予防効果や症状緩和効果をもつことが知られている。痛みが強ければ,非ステロイド系消炎鎮痛薬,重症例ではステロイドを使用する。
ゼローダやTS-1にピドキサールが併用される処方はよくみる。
でも、こういう情報もある。
ピリドキシンは抗癌剤関連手足症候群に無効 呼吸器内科医
ピリドキシンはカペシタビン関連HFSには無効である。
ビタミンB6欠乏と神経障害
ビタミンB6の欠乏症としては、食欲不振、吐き気、皮膚炎、口内炎、口唇炎、けいれんや末梢神経障害などの神経障害などが知られている。
特にけいれんなどの神経障害は、乳幼児で見られやすく、これは神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)を生成するグルタミン酸デカルボキシラーゼの補酵素としてビタミンB6が関与しているからと考えられている。
シナプスには、神経細胞の興奮伝達に関与する興奮性シナプスと、反対に興奮を抑える抑制性シナプスがある。
GABAは、後者の抑制性シナプスで分泌される抑制性作用を持つ神経伝達物質である。
ビタミンB6の欠乏によりGABAが生産されなくなり、けいれんなどの神経の異常が引き起こされる可能性がある。
手足症候群と手足皮膚反応
抗癌剤の副作用で「手足症候群」というのはよく聞きます。
手足症候群とは、抗がん剤により手や足の皮膚細胞が障害されて生じる症状で、手足の感覚の異常や発赤、疼痛を伴う浮腫、水疱、亀裂、落屑などがみられる。
日本では「手足症候群」とひとくくりにしてますが、英語圏ではフルオロウラシル系抗がん剤などによるものをHand-Foot Syndrome(HFS:手足症候群)、スチバーガやネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩)などの分子標的薬によるものをHand-Foot Skin Reaction(HFSR:手足皮膚反応)と区別している。
HFSとHFSRでは、それぞれ臨床的特徴や発現時期が異なる。
Hand-Foot Syndrome(HFS) | Hand-Foot Skin Reaction(HFSR) | |
---|---|---|
原因となる薬剤(一般名) | ・フルオロウラシル系抗がん剤 ・ゼローダ(カペシタビン) ・キロサイド注(シタラビン) ・ドキシル注(ドキソルビシン塩酸塩) | ・ネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩) ・スーテント(スニチニブリンゴ酸塩) ・スチバーガ(レゴラフェニブ水和物) |
臨床的特徴 | びまん性(広範囲)、左右対称、色素沈着、亀裂、紅斑、浮腫 | 限局性(圧力がかかった部位や摩擦があった部位など)、紅斑、皮剥け、水疱、角化亢進 |
発現時期 | 比較的遅い | 比較的早い |
HFSでは、手足全体にびまん性の亀裂や浮腫などの症状が発現する。
一方、HFSRは限局性で、圧力がかかりやすい足裏、特に地面と接する部位に、水疱や紅斑などの症状が発現し重篤化しやすい。
比較的症状発現の早いHFSRでは、症状をいち早く発見し、薬を休薬・減量して、デルモベートなどのステロイド外用薬を塗布し、ケアを行う必要がある。
保湿剤の予防効果は証明されておらず、クッション性の高い靴を履くなど限局的に圧力がかかるのを避け、症状を早期に発見し対応することが重要である。
分子標的治療薬による皮膚障害
抗EGFR抗体薬(セツキシマブなど)、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(ゲフィチニブなど)で皮膚障害の報告が注目されるようになりました。
EGFRは正常皮膚組織にも存在することから、薬の投与により皮膚組織とケラチノサイト(表皮を構成する角化細胞)の増殖・移動が停止してアポトーシス(細胞死)が引き起こされて生じる皮膚障害と考えられています。
したがって、治療効果との相関性が高い為、これが発症したからといって安易に投与をやめるという考え方はしません。
皮膚障害 | 発症時期 | 主な症状 | 対応 |
---|---|---|---|
ざ瘡様皮疹 | 1~4週間 | にきびのような皮疹 主に体幹上皮に発症しやすい | ステロイド外用薬 テトラサイクリン系抗生物質内服 |
乾皮症 | 3~5週間 | 皮膚が乾燥状態になる 亀裂を生じる痒みもある | 保湿剤 |
爪囲炎 | 4~8週間 | 爪の周囲に炎症が生じ、痛みや爪の発育が障害される | ステロイド外用薬(ストロング以上) テーピング |
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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