2024年11月5日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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GLP-1受容体作動薬の用量調節

GLP-1受容体作動薬の使用量

インスリンの注射剤の場合、単位数を調節できるが、GLP-1受容体作動薬の注射剤の場合、1回に使う量が決まっているものもある。

GLP-1受容体作動薬には以下の製品がある。

一般名商品名用法
リラグルチドビクトーザ皮下注18mg1日1回朝又は夕
エキセナチドバイエッタ皮下注5µg/10µgペン3001日2回朝夕食前
リキシセナチドリキスミア皮下注300μg1日1回朝食前
デュラグルチドトルリシティ皮下注0.75mgアテオス週に1回
セマグルチドオゼンピック皮下注0.25mgSD/0.5mgSD/1.0mgSD/2mg週1回
リキシセナチド/インスリングラルギンソリクア配合注ソロスター1日1回朝食前
リラグルチド/インスリンデグルデクゾルトファイ配合注フレックスタッチ1日1回
チルゼパチドマンジャロ皮下注2.5mg/5mg/7.5mg/10mg/12.5mg/15mgアテオス週1回

トルリシティは1回0.75㎎なので1本使えばよいのでシンプルだ。
バイエッタも1回5μgか10μgで、それぞれの規格が分かれているので1回1本使えばよい。
マンジャロ皮下注は、1回2.5~15㎎の間で2.5㎎刻みで用量調節するが、その全て(6規格)がラインナップされており、患者サイドは渡された薬を1本使うだけだが、調剤ミスのリスクは高くなる。

ビクトーザは1規格の製剤で、ダイヤルが0.3㎎・0.6㎎・0.9㎎・1.2㎎・1.5㎎・1.8㎎と刻まれており、患者サイドで指示された用量をセットしなければならない。
リキスミアも同じように1規格の製剤で、ダイヤルが10μg・15μg・20μgと分かれている。
このように患者サイドで用量セットする製品は、用量設定を間違えないようによく指導することが重要である。処方箋に使用量が記載されていないこともあるので、その時は疑義照会も必要となる。

オゼンピック皮下注SDの出荷停止

私の薬局ではオゼンピック皮下注を使っていないので、知らなかったが、2022年3月ころからオゼンピック皮下注SDが出荷停止となっていた。製造工程に関して、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)からGMP上の指摘を受けたため製造と輸出を一時的に中止したとのこと。

その対応として、2022年5月25日に薬価収載、発売されたのがオゼンピック皮下注2mgである。

ここで注意すべきなのが、オゼンピック皮下注SDと皮下注2㎎の使い方の違いである。
オゼンピック皮下注SDには、0.25mgSD/0.5mgSD/1.0mgSDの3規格があり、それぞれの注射剤を1回1本使うようなタイプである。
これに対しオゼンピック皮下注2㎎は、1本でダイヤルが0.25㎎・0.5㎎・1.0㎎と分かれているタイプであり、患者サイドで用量設定しなければならない。

今現在、オゼンピック皮下注SDが全く流通していないのかどうかは不明であるが、切り替わったときは特に使い方を間違えないよう患者指導が重要である。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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