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頭痛薬を飲むタイミングは早い方が良い?
公開. 更新. 投稿者:頭痛/片頭痛.この記事は約3分13秒で読めます.
4,527 ビュー. カテゴリ:頭痛薬は早めに飲んだほうがいい?
痛み止めって痛くなってからじゃ効かないよね
頭痛薬は早く飲んだほうが良い。
鎮痛薬は、PG合成阻害により発痛物質であるブラジキニンの産生を抑えるが、痛みが強くなった時点でブラジキニンは既に合成されているため、効果発現が遅くなり効きが悪く感じる。
痛くなりそうと感じたら、すぐに服用する。
しかし、片頭痛の場合、嘔吐したり寝込むほどのつらい頭痛があり、痛みから早く逃れたいため、早めに鎮痛薬を内服する傾向がある。
そのため、薬物乱用頭痛になりやすい。
トリプタンを飲むタイミング
トリプタンは、セロトニン受容体に選択的に作用し、頭痛時に拡張している血管を縮小させるよう働く薬剤です。
片頭痛の発作時には、収縮した脳硬膜血管が急激に拡張し、血管壁の三叉神経線維が感作される。
その結果、三叉神経の痛み閾値が下がって、血管の拍動に合わせて痛みを感じ始める。
このタイミングでトリプタン製剤を飲めば、頭痛発作を頓挫でき、数日~数週間は再発作を抑制できる。
タイミングが遅い場合
しかし、服用のタイミングが遅れると、中枢性に三叉神経が感作されて前頭部や前腕部など頭部以外の部位に痛みが広がる。
この痛みは「アロディニア」(皮膚異痛症)と呼ばれ、「髪や顔面に触るとビリビリする」「手を水に漬けるとピリピリ痛む」などと訴える人が多い。
ここまで痛みが広がるとトリプタン製剤はほとんど効かず、頭痛発作の再発も抑えられない。
だが、やっかいなことに少しは効くため、患者は飲み忘れに気付かず、効きが悪いと訴えることもある。
また、トリプタンを飲むタイミングが遅くなると、頭痛に伴って吐き気や消化管の機能低下がみられるようになり、薬剤の血中濃度が上がらず、効きが悪くなる可能性があります。
服薬指導時に、薬剤師が患者さんにトリプタンは強い薬だという印象を与えてしまうと、患者さんはなるべく頭痛を我慢し、いよいよ我慢し切れなくなってから服薬しようと思います。そうなると、適切な服薬のタイミング逃してしまいますので、注意が必要です。
タイミングが早い場合
逆に、閃輝暗点(強い光を見た後の残像のような黒い点や、ドーナツ状に輝く閃光などが視野の真ん中に突然現れる視覚異常)などの「前兆」(頭痛発作の直前に生じる特徴的な症状)や、疲労感や肩こりなどが片頭痛の「予兆」(発作の数時間から2日前より生じる特徴的な症状)として現れる人では、発作の前に飲んでしまい効果が得られないこともある。
片頭痛の前兆期に服用しているようであれば、服用のタイミングを少し後にするよう指導する。
ただ、患者さんによっては、頭痛が始まった状態について、「何となくもやもやして痛いのかどうかわからない」と表現することがあります。
そんなときには、「頭をかるく左右に振ってみて、鈍い痛みがあったら片頭痛が始まっているので、飲んでください」とアドバイスする。
片頭痛の前兆
片頭痛は、「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」に大別される。
閃輝暗点や運動麻痺など、大脳、小脳、脳幹に特有の局在性神経徴候が先立って現れるのが前者であり、それがないのが後者である。
閃輝暗点
視界に水晶のような輝きを放つ半透明のギザギザ模様が現れ、ゆっくりと回転しながら次第に大きさを増して視野全体を覆い、目がくらんだ直後のように周囲が暗くなって何も見えなくなる。
片頭痛患者の10~20%が自覚する前兆は、こうした「閃輝暗点」と呼ばれる視覚異常が特徴であり、通常は5~60分ほど続く。
閃輝暗点からほどなく激しい頭痛が襲い、悪心・嘔吐や光・音・臭過敏などを伴うこともある。
片頭痛は片側性、拍動性(ドクンドクン、ズキンズキンと脈打つように痛む)であることが多いが、両側性頭痛、非拍動性頭痛、肩こりを伴う頭痛であることも少なくない。
歩行や階段昇降などの日常動作、特に頭を動かすと痛みが増すことから、発作時には暗い部屋で静かになりたいと切に望む患者が多い。
アロディニア
片頭痛患者の約7割は発作から20分以降、髪や顔に触れるとピリピリしたり痛んだりするためにブラシや櫛が使えない、洗髪や洗顔、髭剃りができない、メガネやイヤリングを不快に感じる、痛みを感じる側頭部を下にして寝られないといった症状を伴うことが知られている。
このように本来であれば苦痛を感じない刺激に痛みや違和感を覚える症状をアロディニア(異痛症)と呼ぶ。
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