記事
肝臓に悪い薬
公開. 更新. 投稿者: 8,128 ビュー. カテゴリ:副作用/薬害.この記事は約1分14秒で読めます.
肝障害のある患者に禁忌の薬
ほとんどの薬は肝臓に負担かけてるよね?
肝臓に悪い薬といって、まず思い浮かぶのがアセトアミノフェン。
カロナールの禁忌には「重篤な肝障害のある患者」と記載されている。
その他肝臓に悪い薬といえば、ユリノームやリピディルがあり、禁忌には「肝障害のある患者」と記載されている。
しかし「重篤な肝障害」「肝障害」と言われても、どの程度?というのがわからず、正直どう判断すべきかは難しいものがある。
チャイルド・ピュー分類
肝硬変の重症度分類に「Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類」があります。
| 1点 | 2点 | 3点 | |
|---|---|---|---|
| 脳症 | ない | 軽度(Ⅰ、Ⅱ) | 時々昏睡(Ⅲ) |
| 腹水 | ない | 少量(1~3L) | 中等量(3L~) |
| 血清ビリルビン値(mg/dL) | 2.0未満 | 2.0~3.0 | 3.0超 |
| 血清アルブミン値(g/dL) | 3.5超 | 2.8~3.5 | 2.8未満 |
| プロトロンビン活性値(%) | 70超 | 40~70 | 40未満 |
各ポイントを合計して、その合計点で判定します。
グレードA(軽度):5~6点 代償性
グレードB(中等度):7~9点 代償性から非代償性
グレードC(高度):10~15点 非代償性肝硬変
グレードA:軽度の肝硬変で肝臓の機能がなんとか保たれている状態です。(代償性肝硬変)
グレードB:中程度の肝硬変で、軽度な合併症(症状)がみられます。
グレードC:重度の肝硬変で肝臓の機能が維持できなくなり、様々な合併症(症状)があらわれます。(非代償性肝硬変)
このチャイルドピュー分類が禁忌に記載されている医薬品もあります。
| 医薬品名 | 禁忌 |
|---|---|
| アジレクト | 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)のある患者 |
| アデムパス | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| イグザレルト | 中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者 |
| イフェクサー | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| エクフィナ | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| エンレスト | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| オンジェンティス | 重度肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| グラジナ | 中等度又は重度(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害のある患者 |
| コララン | 重度の肝機能障害(Child-Pugh C)のある患者 |
| ザイティガ | 重度の肝機能障害患者(Child-PughスコアC) |
| シクレスト | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| スンベプラ | 中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害又は非代償性肝疾患のある患者 |
| セララ | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスCの肝硬変に相当)のある患者 |
| トビエース | 重度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類C) |
| パルモディア | 重篤な肝障害、Child-Pugh分類B又はCの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者 |
| ベシケア | 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C) |
| ベタニス | 重度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア10以上) |
| マヴィレット | 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者 |
| ムルプレタ | 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
| レバチオ | 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh Class C) |
患者自身がチャイルドピュー分類を知っていることは無いと思うので、検査値や聞き取りなどで推測、、、まあ肝硬変と言われていれば念のため疑義照会ですね。
チャイルドピュー分類が禁忌に記載されている薬は、比較的重度の肝障害といえる。ユリノームやリピディルはもっと軽い状態でも禁忌だろう。



