2021年7月27日更新.2,603記事.7,057,871文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

【添付文書確認】漸増する薬

漸増する薬の維持量

漸増する薬、つまり少ない量から始める薬というのがある。

急に高い血中濃度にいくと、副作用のリスクが高いような薬である。

代表的なのは抗認知症薬アリセプト。維持量まで増やさないと保険で査定されるような薬は注意が必要。

アルツハイマー病に対する用法用量は、以下のようになっている。

通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。

「用法及び用量に関連する注意」にも念を押して以下のような記載がある。

3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないこと。

このような薬は、医師の「うっかり前回Do」から、初回量が続けて処方されるケースもあり、疑義照会が必要となるので、注意が必要である。
また、初回から5㎎が処方されたりする場合もあるので、注意が必要である。

ただ、高尿酸血症治療薬フェブリクにも維持量が設定されているが、

通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。

維持量まで増やさないケースがほとんどである。10㎎で続けて投与されているからといって「40㎎まで増やさなくていいんですか?」などという疑義照会をする薬剤師はいないだろう。

初回から40㎎で処方されている場合は疑義照会が必要である。

「漸増する薬」を監査するポイントは、「少ない量から始まっているか」「指示通り増量しているか」の2つのポイントから見なければならない。アリセプトは両方とも注意する必要があるが、フェブリクは主に前者に注意すればよいと思っている。

以下の薬は、初期量に注意する薬。

医薬品名規格初期量
アーテン錠2mg第1日目1mg
アキネトン錠1mg1mg1回1mg1日2回よりはじめ
アグリリンカプセル0.5mg0.5mg1回0.5mgを1日2回経口投与より開始
アマリール錠0.5mg、1mg、3mg1日0.5〜1mgより開始
アリセプト錠3mg、5mg、10mg1日1回3mgから開始
アンペック坐剤10mg、20mg。30mg1回10mgより開始することが望ましい
イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg1日1回4.5mgから開始
イフェクサーSRカプセル37.5mg、75mg1日37.5mgを初期用量
ウリアデック錠/トピロリック錠20mg、40mg、60mg1回20mgより開始
エクセグラン錠100mg100mg最初1日100〜200mgを1〜3回に分割経口投与する
エフピーOD錠2.52.5㎎1 日1 回2.5mgを朝食後服用から始め
カーバグル分散錠200mg200mg1日に体重kgあたり100mg~250mgより開始
カバサール錠0.25mg、1.0mg1日量0.25mgから始め(パーキンソン病)
グリコラン錠250mg250mg1日量500mgより開始
グリミクロン錠20mg、40mg1日40mgより開始
サインバルタカプセル20mg、30mg1日20mgより開始
ジェイゾロフト錠25mg、50mg、100mg1日25mgを初期用量
ジプレキサ錠2.5mg、5mg、10mg5~10mgを1日1回経口投与により開始
ジベトス錠50mg1日量100mgより開始
シュアポスト錠0.25mg、0.5mg1回0.25mgより開始
ストラテラカプセル5mg、10mg、25mg、40mg1日0.5mg/kgより開始
トピナ錠25mg、50mg、100mg1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始
ドプスOD錠100mg、200mg1日量100mg、1日1回の経口投与より始め
ドミン錠0.40.4㎎1日1回0.2mg又は0.4mgを夕食後に経口投与から始め
トレドミン錠12.5mg、15mg、25mg、50mg1日25mgを初期用量
パーロデル錠2.5mg2.5mg1日1回1.25mg又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め(パーキンソン症候群)
パキシル錠5mg、10mg、20mg1回10~20mgより開始〈うつ病・うつ状態〉
ビ・シフロール錠0.125mg、0.5mg1日量0.25mgからはじめ
ピレスパ錠200mg初期用量1回200mgを1日3回(1日600mg)食後に経口投与
フェブリク錠10mg、20mg、40mg1日10mgより開始
ペルマックス錠50μg、250μg1日1回50μgを夕食直後2日間投与
マイスタン錠5mg、10mg1日10mgの経口投与より開始
ミラペックスLA錠0.375mg、1.5mg1日量0.375mg1日1回食後経口投与からはじめ
メトグルコ錠250mg、500mg1日500mgより開始
メマリー錠5mg、10mg、20mg1日1回5mgから開始
ユリス錠0.5mg、1m、2mg1日0.5mgより開始
リーマス錠100㎎、200㎎通常1日400〜600mgより開始
リスパダール錠1mg、2mg、3mg1回1mg 1日2回より開始
リリカカプセル25mg、75mg、150mg初期用量としてプレガバリン1日150mgを1日2回に分けて経口投与
レミニール錠4mg、8mg、12mg1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始

この中で以下の薬は、維持量にも注意する薬。これらの薬は厳しく査定されがち。

医薬品名規格維持量用法及び用量に関連する注意
アリセプト錠3mg、5mg、10mg1日1回5㎎(10㎎)3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないこと。
イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg1日1回18mg1日18mg未満は有効用量ではなく、漸増又は一時的な減量を目的とした用量であるので、維持量である18mgまで増量すること。
ペルマックス錠50μg、250μg1日750〜1250μg本剤の投与は、少量から開始し、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
ミラペックスLA錠0.375mg、1.5mg1日量1.5〜4.5mg本剤の投与は、少量から開始し、幻覚等の精神症状、消化器症状、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量(標準1日量1.5〜4.5mg)まで増量すること。
メマリー錠5mg、10mg、20mg1日1回20mg1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量すること。
レミニール錠4mg、8mg、12mg1日16mg(1日24mg)1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと。

副作用も含めた医師の判断があるので、必ずしも漸増しなければならないというわけではないが、「保険請求上査定される可能性があるので念のため確認させていただきました」という形での疑義照会はすべきであろう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。


カテゴリ

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
好きな言葉:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。

最新の記事


人気の記事

おすすめ記事

・現役薬剤師が教える!すぐ辞める地雷薬局の見極め方

検索