2024年4月19日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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フレイルとサルコペニアとロコモティブシンドローム

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老化現象

最近よく聞く、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームなどの病名というか、状態というか、老化現象について学ぶ。

フレイル

フレイルは、海外の老年医学の分野で使用されている英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。

フレイルとは高齢期に様々な生理的予備能が低下することによって、ストレスへの耐性低下が起こり、健康障害が生じやすい状態を指し、健康と身体機能障害の間の段階として位置づけられている。

高齢者が要介護状態に陥る過程には、意図しない衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下など健康障害を起こしやすい脆弱な状態(中段階的な段階)を経ることが多い。
フレイルは、身体的、精神神経的、社会的な側面を包含する広範な概念とされています。

ロコモティブシンドロームは、身体的フレイルにおいて、運動器の障害による移動機能の低下を来す病態として重要な位置を占め、サルコペニアは筋肉減少、筋気脳低下というフレイルの中心的病態と考えることができます。

サルコペニア

サルコペニアとは、ギリシャ語で筋肉(sarx)と喪失(penia)の造語で、1989年にIrwin Rosenbergによって加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下を意味する言葉として提唱されました。

当初は筋肉が減少する病態として知られてきましたが、近年では、加齢のみならずさまざまな原因から引き起こされる全身性の骨格筋量減少と筋機能の低下を呈した症候群と考えられています。
進行すると、転倒、活動度低下、要介護状態、死亡のリスクが高くなるため、高齢者にとって筋量や筋力の維持は将来の生活の質を保つための重要な目標となります。

発症メカニズムは明らかではないが、加齢、廃用、内分泌、神経変性疾患、栄養不良、悪液質などによってたんぱく質の合成、分解、神経や筋へ様々な機序に対して影響を与えることによって筋肉量や筋力の低下が生じるとされている。

ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です。和製英語であるため、海外ではほとんど認知されていません。

運動器を構成する骨、軟骨、質的に減少するうちに、軟骨であれば変形性関節症など、骨であれば骨粗鬆症という基礎疾患から膝痛や腰痛、骨折などの症状が何らかのきっかけで引き起こされ、表面化(発症)して進行するという経過をたどります。

ロコモティブシンドロームもフレイルも日本でしか通じない単語なので、サルコペニアという概念が本質といえば本質なのかもしれない。

老化現象の流れとしては、ロコモティブシンドロームで運動できなくなって、筋力低下してサルコペニアになって、虚弱状態のフレイルに陥って、要介護状態になるという流れ。

つまり、ロコモティブシンドロームを予防するために、足腰を鍛える、歩く、ということが健康寿命を延ばすために必要なことであると。

我が身を振り返っても、足腰が弱ってきていると感じる。
歩かないとなあ。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
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