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貼り薬の貼付部位
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約6分29秒で読めます.
11,876 ビュー. カテゴリ:貼り薬はどこに貼る?
「貼り薬はどこに貼ればいいですか?」
痛み止めの貼り薬でそんなことは聞かれない。痛い所に貼ればいいのだから。
しかし、認知症やパーキンソン病の貼り薬はどこに貼ればいいのか、説明しなければわからない。
商品名 | 貼付部位 |
---|---|
ニュープロパッチ (大塚製薬) | 肩、上腕部、腹部、側腹部、臀部、大腿部 |
イクセロンパッチ (ノバルティスファーマ) | 背部、上腕部、胸部 |
デュロテップ MT パッチ (ヤンセンファーマ) | 胸部、腹部、上腕部、大腿部等 |
ノルスパンテープ (久光製薬) | 前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部 |
ホクナリンテープ (マイランEPD合同会社) | 胸部,背部又は上腕部 |
フランドルテープ (トーアエイヨー) | 胸部、上腹部又は背部 |
ビソノテープ (トーアエイヨー) | 胸部、上腕部又は背部 |
ミリステープ (日本化薬) | 胸部、上腹部、背部、上腕部又は大腿部 |
エストラーナテープ (久光製薬) | 下腹部、臀部 |
ニコチネル TTS (ノバルティスファーマ) | 上腕部、腹部あるいは腰背部 |
ネオキシテープ (久光製薬) | 下腹部、腰部又は大腿部 |
メノエイドコンビパッチ(久光製薬) | 下腹部 |
アレサガテープ(久光製薬) | 胸部、上腕部、背部又は腹部 |
大体、胸や上腕部、背中などが多い。
基本的には、皮膚から吸収されて血管に入り作用するような薬の貼付部位は、皮膚の硬いところや、毛が多いところ、関節など曲がりやすくはがれやすい部位を避けて貼付すればよいだろう。
エストラーナテープの貼付部位
エストラジオール貼付剤(エストラーナ、フェミエストなど)の貼付部位は、下腹部やお尻です。
しかし、お尻に貼るとはがれやすいので、背中など邪魔にならないところに貼りたいところです。
ところがどすこい、「本剤を背部に貼付した場合、下腹部に比べてエストラジオールの血中濃度が高くなることがある。」と書かれています。
また「衣服との摩擦ではがれるおそれがあるため、ベルトラインを避けること。また、胸部に貼付しないこと。」とも書かれているので、胸や背中には貼付しない。
腕や太ももならどうか、なども聞きたいところですが、指示通り使用するのが無難かと。
メノエイドコンビパッチの貼付部位
エストラーナテープの貼付部位は「下腹部、臀部のいずれか」となっていますが、メノエイドコンビパッチの貼付部位は、「下腹部」と指定されている。
メノエイドコンビパッチをお尻に貼ってはいけないのか。
メノエイドコンビパッチは下腹部への貼付が推奨されており、貼付を避ける部位として胸部と臀部が挙げられている。
胸部では乳房の細胞にエストラジオールが直接的に作用する恐れがあり、臀部では吸収が低下し得るためである。
メノエイドコンビパッチを貼る場所は、ベルトラインやこすれたり、しわが寄りやすいところは避けて下腹部の滑らかな場所に貼ってください。
傷や湿疹などがある場所も避けます。
また、かぶれなどを避けるため、できるだけ毎回貼る場所を変えてください。
貼付は下腹部にしてください。
ほかの場所では有効成分の吸収が低下してしまうことがあります。
また、乳房には貼付しないでください。
メノエイドコンビパッチを貼ったままお風呂に入ってもいいか?
貼付したまま入浴してかまいません(はがしてしまうと再度きちんと貼ることは難しくなります)。
身体を洗うときにはパッチを強くこすらないようにしてください。
お風呂上りに貼るときは、乾いた布などでふいて皮膚の水分を十分に取り除いた後に貼ってください。
貼る場所にローション、パウダーなどをつけないでください。
途中ではがれたら?
皮膚のかぶれなどを避けるため貼る場所を変えて貼り直してください。
貼り直した場合、接着性は低下するので絆創膏などで補強しても結構です。
それでもはがれてしまう場合は、医師の指示に従って新しいパッチを貼ってください。
メノエイドコンビパッチは週2回?
メノエイドコンビパッチの用法は3~4日ごとに1回(週2回)貼付であるため、使用方法を間違えないように注意する必要がある。
例えば、月曜日と木曜日など曜日を決めて貼りかえるよう指導する。
硝酸薬貼付剤の貼付部位
ミニトロテープの患者向け説明書の「貼る場所に関する注意」に、以下のように書かれていたのに初めて気づいた。
※注意:本剤を胸部に貼る場合には、AEDの電極パッドの妨げにならないよう注意してください。
AEDのパッドの貼付部位は、「右鎖骨すぐ下」と「左脇下の肋骨最下部」の位置の2箇所になります。
私の認識ではニトロダームTTSのように支持体にアルミが含有されている製品であれば、火傷・発火などの危険性があるため外して処置したほうがいい、という認識だった。それはMRIの場合だったのかな。
でも、AEDの説明では、服も脱がして、胸毛もはがす、ということで、薄い布でも通電しないので、AEDパッド貼付部位の貼付剤ははがす必要があるようだ。
またAEDを使う人は医療従事者ではない可能性が高いので、支持体にアルミが入っているかどうかとかもわからないだろうし、心臓の上に貼り薬が貼ってあったら剥がしていいのかどうかもためらうだろうし、初めから「AEDパッドを貼り付ける場所には貼付しない」としておいたほうが有効なのだろう。
日本循環器学会は、2005年10月に「硝酸薬貼付剤の貼付場所に関する提言」を発表し、「心臓病患者への硝酸薬貼付剤は前胸部を避けて貼ることが望ましい」と提言するとともに製薬会社には添付文書への加筆を、医療関係者には患者指導を求めた。
私の認識では、心臓の貼り薬は8割方の患者が胸に近い部位、前胸部に貼っていると思われる。
痛み止めの貼り薬じゃないけど、「胸が痛いんだから胸に貼る」という人は多い。
患者向け説明書でも、「本剤を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼ってください。」と書かれている。
胸部に貼ってもいいけれど、AEDパッドを貼る位置は避けて、ということなのか。
明日から、硝酸薬貼付剤は上腕か背中に貼るように指導しようかな。
ニコチンパッチの貼付部位
ニコチンパッチでかぶれを起こすことがあります。
かぶれ(接触性皮膚炎)は、ニコチンそのものによる刺激のほか、マトリックス層および粘着成分による刺激で起こることが多いです。
ステロイド剤などの外用が必要となることもありますが、水泡形成などの強い皮膚反応や貼付に対する皮膚症状の既往がなければ、体毛の濃くないかぶれやすい個所を選び、毎回部位を変えて貼付することで対処します。
一度貼付した個所には、最低でも1週間は貼付しないようにすることも重要です。
また、前回の貼付部位近辺に張り替えることもかぶれを助長します。
貼付部位間で極端に吸収に差が出ることはないので、例えば、左上腕→右上腕→腰部→腰など張り替え部位を離すのがいいです。
また、貼付したニコチンパッチにしわができると、その隙間から空気が入り込むことでニコチンが酸化され、かぶれの一因になるという報告もあります。
きちんと伸ばしてしわができないようにしっかりと貼付することも必要です。
ニコチンパッチは寝る前にはがす?
ニコチン貼付剤は現在3社より発売されています。
ノバルティスファーマのニコチネルパッチ、大正製薬のシガノン、ジョンソン・エンド・ジョンソンのニコレットパッチです。
医療用の貼付剤と用法の異なるところは、希少後に貼付し就寝前にはがすこととなっている点です。
ニコチネルパッチの用法には、「起床時から就寝時まで貼付」と書かれていますが、ニコチネルTTSの用法には、「24時間貼付する。」と書かれている。
ニコチンは中枢に作用し、少量においては覚醒作用を示すため、24時間貼付によって不眠などの睡眠障害が引き起こされることがあります。
医療用の貼付剤でも、夜間睡眠中の貼付を中断することがあります。
夜間貼付しなくても離脱症状のコントロールに影響を与えることはないとされています。
ニコチンパッチ使用部位を洗っちゃダメ?
ニコチネルTTSなどのニコチンパッチは、はがした後も貼付個所に残留したニコチンの吸収が徐々に続きます。
ニコチンの過量吸収を避けるため、はがした部位の洗浄や清拭を行う必要があります。
ただし、ニコチンの溶出速度はpHによって変化し、酸性溶液中では溶出しにくく、アルカリ性で溶出しやすいです。
そのため、はがした個所を石鹸で洗うと皮膚表面がアルカリ性に傾き、残留しているニコチンの吸収が増大し、急性ニコチン中毒を引き起こす可能性もあります。
また、お湯で洗うと皮膚表面が暖められ、ニコチン吸収が増す可能性を指摘する意見もあります。
はがした後は、水で洗い流し、残ったニコチンが皮膚から吸収されないように、タオルなどで拭いて乾燥させるようにしましょう。
ってそんなメンドクセー。
ニコチンパッチを使用する前の手洗いには、弱酸性のハンドソープなどを使うと良い、とのこと。
ニコチンパッチで筋肉痛?
ニコチンパッチを使うと、肩こり、筋肉痛みたいになる、という患者がいた。
ニコチン受容体と筋肉。なんか関係ありそうな気も。
ニコチネルTTSの副作用をみると、
(0.1%未満) 筋肉痛、肩こり、関節痛
とある。
ニコチンパッチで筋肉痛は起こりうる。
ニコチン受容体(nAchR)は、イオンチャネル型の受容体で、末梢では自律神経(交感神経と副交感神経)の節前線維終末(副腎髄質での神経終末を含む)及び運動神経終末に存在しており、交感神経も副交感神経もともにニコチン受容体を介して興奮が伝達され、筋肉の運動はニコチン受容体を介して行われる。アセチルコリン受容体 – Wikipedia
チャンピックスでも
筋骨格系及び結合組織障害 (0.5%以上5%未満)筋痛、筋痙攣
というのが見られるので、多少は筋肉のニコチン受容体にも影響するのかなあ、と思ったりする。
でも、タバコを吸うと筋肉痛になるって人はあまり聞かないので、その程度のものなのだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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