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ロペミンはオピオイド?
公開. 更新. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約4分2秒で読めます.
5,658 ビュー. カテゴリ:ロペミンの作用機序
ロペミンの添付文書の過量投与に、
外国で、過量投与により昏睡、呼吸抑制、縮瞳、協調異常、筋緊張低下、傾眠、尿閉等の中毒症状が報告されている。また、腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡に至った例、QT延長、Torsade de Pointesを含む重篤な心室性不整脈、Brugada症候群の顕在化が報告されている。
と書かれている。
ロペミンによる不整脈の副作用というのがあまり結びつかなかったので調べる。
そもそも下痢の特効薬であるロペミンの作用機序って?
ロペラミドはオピオイド受容体作動薬であり、大腸のアウエルバッハ神経叢に存在するμ受容体に作用するが、血液脳関門を通過しないので、それ自身では中枢神経系には作用しない。モルヒネと同様の機序で腸筋神経叢の活性を低下させ、腸壁の縦走および輪状平滑筋を弛緩させる。この事で腸管内での内容物滞留時間が延長し、より多くの水分が吸収される。ロペラミドは腸管の運動を抑制し、胃大腸反射を減弱させる。
ロペラミド – Wikipedia
ロぺミンは副交感神経節後線維のオピオイドμ1受容体に作用することにより、副交感神経終末からアセチルコリンの遊離を抑制することにより消化管運動を抑制し止瀉作用を現わします。
ロペミンはオピオイドなのだそうだ。添付文書の過量投与の「処置」のところには、
中毒症状がみられた場合にはナロキソン塩酸塩を投与する。本剤の作用持続性に比べ、ナロキソン塩酸塩の作用は短時間しか持続しないので、必要な場合にはナロキソン塩酸塩を反復投与する。また、QT延長のリスクがあるため、心電図異常に注意すること。
麻薬拮抗薬のナロキソンを投与するとも書かれている。
基本的に、ロペミンで多幸感を得たり、乱用につながることはあまり無いと考えられるが、1日当り800mgを使用していた患者で依存症の報告があったそうだ。
ロペミンカプセル1mgを800個ってオイ。
ロペラミドは致死量に近い用量で鎮痛効果を発揮するとのこと。
しかし、下痢型の過敏性腸症候群などで、乱用気味の患者もいるので、過量投与には注意する必要がある。
市販薬にも含まれており、入手しやすいオピオイドでもある。
ロペミン1日24カプセル?
下痢止めのロペミンの用法は、
ロペラミド塩酸塩として、通常、成人に1日1~2mgを1~2回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
なのでロペミンカプセル1mgは通常1日2個まで。
しかし、抗がん剤、特にイリノテカンによる下痢には、通常の用量とは大きく異なる用量で処方されてくることがある。
米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインでは、最初に4カプセルを服用し、その後収まらないなら4時間ごとに2カプセルずつ服用する旨が記載されており、1日に最大14カプセルの服用が推奨されている。
第2回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の要望募集で提出された要望について|厚生労働省
この中に、ロペラミドの記載もある。
効能効果:化学療法(イリノテカン)に伴う重症な下痢
用法用量:1日24カプセルまで経口投与(初回4mg投与、その後2mgを2時間毎に投与)
添付文書で変更になる可能性は低そうです。
現在承認されている状況で、処方可能という見解らしい。
恐らく、頓服で大量に処方されるという形なのかと思われますが、頓服なら疑義照会しない。
1日10カプセルなら疑義照会します。
早発性の下痢と遅発性の下痢
下痢には早発性のものと遅発性のものがある。
早発性のものはイリノテカンのコリン作動性によるものが知られており、それにはブチルスコピポラミン臭化物(ブスコパン)などがよく使用される。
一方、遅発性の下痢は様々な抗癌剤で生じる。
その支持療法で頻用されるロペラミド(ロペミン)は、抗コリン作用とプロスタグランジン放出抑制作用によって下痢を止める薬剤です。
ロペミンの処方日数は何日まで?
ロペミンの長期処方というのはあまり見たことはありませんが、何度も繰り返し処方されている患者は稀にいる。
過敏性腸症候群の下痢に対し少量で長期服用するケースはあるらしい。
海外の添付文書には、急性下痢症に対する初回処方で、服用後48時間以内に症状の改善が見られない場合は投与を中止すべきとの注意がなされています。
しかし、日本のロペミンの添付文書には、処方日数に関する具体的注意はありません。
急性下痢症の場合で、何週間も処方があれば疑義照会したほうがいい。
ロペミンはどのくらいで効く?
ヤンセンファーマのHPでは、
ロペミンの効果発現時間は? という質問に対して
効果発現時間を具体的に検討したデータはないが、治験においては急性下痢であれば投与2日目までには半数に効果があったため、投与2日後くらいまでには現れるだろうとのこと。また、バリウムを用いて行った試験では投与120分後にバリウムの腸管排出が遅れるというデータもあることから投与120分後くらいで効き始めるだろうとのこと。
持続時間は24時間程度持続するのではないかと考えられるとのこと。
という答えが載っています。
2時間くらいで効き始める。
遅くても2日後くらいまでには。2日後じゃ遅い。
止痢薬の使い方
下痢の対症療法の適否につき考慮してから使用する。
ロペラミドは確実な止痢効果が期待できるが、症例を選択する必要がある。
他の薬剤は軽症例で単独又は併用薬として繁用されているが、有用性に関する臨床エビデンスは乏しい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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