2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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抗てんかん薬の小児適応

小児適応のある抗てんかん薬

薬剤師

小児に使えない抗てんかん薬は?

抗てんかん薬フィコンパ錠の小児適応の範囲が広がり、今まで12歳以上とされていた小児適応が、4歳以上になったそうだ。
それに伴い、細粒が販売されるという。

今まで錠剤を粉砕していたため、非常に助かる。

がしかし、フィコンパは今までも12歳未満でも投与されていた。

正直言って、抗てんかん薬の小児に対する用法用量はある程度適応外であっても、専門医の処方に口出しをすることは基本的には無い。

しかし、昔から使われているバルプロ酸などの抗てんかん薬の小児適応や小児薬用量については、添付文書上に明確な記載は見られないことが多いが、新規抗てんかん薬については、「〇歳以上」といった明確な記載がみられる。

新規抗てんかん薬の年齢制限から逸脱した処方は、個別指導で指摘される可能性はある。

分類商品名一般名小児適応
バルビツール酸系薬プリミドンプリミドン小児
フェノバールフェノバルビタール記載なし
ワコビタール/ルピアールフェノバルビタールナトリウム小児
ヒダントイン系薬アレビアチン/ヒダントールフェニトイン乳児
アクセノンエトトイン小児
複合アレビアチンフェニトイン+フェノバルビタール記載なし
ヒダントールD/ヒダントールE/ヒダントールFフェニトイン+フェノバルビタール+安息香酸ナトリウムカフェイン乳児
オキサゾリジン系薬ミノアレトリメタジオン小児
スルフォンアミド系薬オスポロットスルチアム記載なし
サクシミド系薬エピレオプチマル/ザロンチンエトスクシミド小児
アセチル尿素系薬クランポールアセチルフェネトライド乳児
ベンゾジアゼピン系薬リボトリール/ランドセンクロナゼパム低出生体重児、新生児における安全性は確立していない。
ダイアップジアゼパム低出生体重児・新生児に対しては使用経験が少なく、安全性が確立していないので投与しないこと。
マイスタンクロバザム新生児、乳児への投与に対する安全性は確立していない。
イミノスチルベン系薬テグレトールカルバマゼピン小児
オクノベルオクスカルバマゼピン
分枝脂肪酸系薬デパケン/バレリンバルプロ酸ナトリウム低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない
デパケンR/セレニカRバルプロ酸ナトリウム徐放剤低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない
ベンズイソキサゾール系薬エクセグランゾニサミド1歳以上
新世代薬ガバペンガバペンチン3歳以上
トピナトピラマート2歳以上
ラミクタールラモトリギン3歳以上
イーケプラレベチラセタム4歳以上
フィコンパペランパネル水和物4歳以上
ビムパットラコサミド4歳以上
ディアコミットスチリペントール1歳以上
イノベロンルフィナミド4歳以上
サブリルビガバトリン生後4週以上

抗てんかん薬の添付文書の用法用量部分の記載は、その他の医薬品に比べて長く、読むのに時間がかかるし、体重から換算するのも計算に時間がかかるし、億劫になりますが、処方頻度の低い薬局ではその都度添付文書を読んで確認したほうがよい。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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