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ステロイドは手術時増量する?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約1分24秒で読めます.
2,330 ビュー. カテゴリ:手術時のステロイドカバー
プレドニンやデカドロンなどのステロイドの添付文書に、
投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
と、手術時の増量について記載されている。
手術時に中止したり、減量する薬というのは思い浮かぶが、手術時に増量する、という薬はあまり聞かない。
なぜステロイドは手術時に増量するのか?
ステロイドが長期間投与されると、副腎皮質の機能が抑制され、体内でのステロイドの産生量が低下する。
こうした状況下でステロイドの服用を休にやめると、ステロイドが不足して、急速な脱水や発熱、血圧低下などのショック状態を起こす恐れがある。
一般に、内因性のグルココルチコイドの1日分泌量は、安静時において20~30mg程度とされているが、手術などの侵襲により生体に負荷が加わった場合はその10倍近い分泌がみられ、生体はこうしてストレスに対応していると考えられる。
そのため、普段からステロイドを服用しており、体内でのステロイドの産生量が低下している患者に点滴によるステロイド補充療法「ステロイドカバー」が行われることがある。
ステロイド補充の必要性はステロイドの投与量や投与期間により異なる。
一般に、1日にプレドニゾロン20mg相当を超えた量を3週間以上投与している場合に、補充が必要とされている。
投与量が多くても投与期間が3週間以内である場合や、投与期間が長くても投与量が1日に5mg相当以下の場合は、補充は不要とされている。
局所麻酔で行う小手術では、ステロイドの内服を継続し、ステロイドカバーは行わない。
一方、大腿骨頭壊死の患者に行う骨切り術や人工関節置換術を含む中等度以上の侵襲を伴う手術では、手術日当日朝の内服に加えて、麻酔導入時にステロイドを点滴静注し、さらに、それ以降も、一定期間ステロイドの補充が行われる。
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