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フェロミアで肝機能障害?
公開. 更新. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約2分41秒で読めます.
5,909 ビュー. カテゴリ:鉄剤と肝機能障害
フェロミアなどの鉄剤を漫然と服用していると、貯蔵鉄が溜まり過ぎて、肝機能障害を引き起こす恐れがあるという。
フェロミアの副作用には、
7. 肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等
8. 肝臓
0.1%未満
Al‐Pの上昇等
と、肝機能検査値異常の副作用が記載されている。
鉄剤が漫然と投与されていないか、注意が必要だ。
貧血で治療中の患者の中には、Fe値は低下しているものの、フェリチン値が高く、総鉄結合能(TIBC)値が低い、つまり貯蔵鉄は十分にあるが、鉄の利用障害が生じているケースがある。
関節リウマチなど慢性疾患のコントロール不良で起こる二次性貧血がそれにあたる。
貧血の検査値
貧血は、血中のヘモグロビンが不足して、体内の酸素不足が生じた状態です。
ヘモグロビン(Hb)値が、男性12g/dL未満、女性11g/dL未満で貧血と判定され、10g/dL程度であれば治療の対象となることが多い。
貧血は様々な要因によって起こり得るが、頻度が高いのは、Hbを構成する鉄が不足することによって起こる「鉄欠乏性貧血」です。
鉄欠乏は、消化管出血や月経過多などの慢性出血による鉄分喪失や、偏食や胃切除などによる鉄分摂取・吸収不足などが原因となる。
鉄が欠乏すると、肝臓に蓄えられた貯蔵鉄を使って補おうとする。
そのため、体内の貯蔵鉄を輸送する役割を担う蛋白質であるトランスフェリンが増加する。
しかし、貯蔵鉄が枯渇すると、Hb合成の材料となる血清鉄が不足し、鉄欠乏性貧血となる。
鉄は、血液の中では、トランスフェリンというたんぱく質に結合し、運ばれています。このトランスフェリンの量が総鉄結合能(TIBC)、そのうち、鉄が結合していないトランスフェリンの量が不飽和鉄結合能(UIBC)です。したがって、TIBC = UIBC + Feの関係があります。
そのため、鉄欠乏性貧血では、フェリチン値(貯蔵鉄量とフェリチン値は相関しているため、貯蔵鉄量はフェリチン値で評価される)とFe値の低下に加えて、血液中のトランスフェリンと結合し得る総鉄量を表す総鉄結合能(TIBC)の上昇がみられる。
このように貯蔵鉄が足りず(フェリチン値10ng/mL未満)、トランスフェリンが一定量以上(TIBCが標準範囲以上)ある場合は、鉄剤の投与が有効である。
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