2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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フォルテオで低血圧?

フォルテオと血圧

フォルテオの使用後にふらつきを訴える患者は多い。

フォルテオ皮下注の「重要な基本的注意」に以下のように書かれている。

1. 本剤投与直後から数時間後にかけて、ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失、痙攣、転倒があらわれることがある。投与開始後数ヵ月以上を経て初めて発現することもあるので、本剤投与時には以下の点に留意するよう患者に指導すること。

(1) 投与後30分程度はできる限り安静にすること。
(2) 投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、悪心、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になること。

PTH(副甲状腺ホルモン)には血管平滑筋拡張作用を有しているため、フォルテオ(テリパラチド)投与後に、一過性の急激な血圧低下や、起立性低血圧、めまいなどの症状が表れることがある。

骨粗鬆症患者は高齢者が多く、血圧低下に伴うふらつきは転倒につながるリスクがある。
血圧低下に伴うめまいや立ちくらみなどの症状は、投与直後だけでなく、数か月以上を経て初めて発現することもある。

同じテリパラチド製剤であるテリボンは、投与の前後30分以内に500mL程度の飲水をすると、血圧低下などの症状が軽減するという報告がある。

テリパラチド

テリパラチド(遺伝子組み換え)は、副甲状腺ホルモンの活性部分であるN末端から34番目までのアミノ酸鎖に相当するポリペプチドである。
従来の骨粗鬆症治療薬の骨吸収抑制作用とは異なり、強力な骨形成亢進作用を有するのが特徴で、骨量の増加、骨微細構造の再構築または骨強度の増強効果が期待できる。

日本骨粗鬆症学会などによる「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版」において、テリパラチドは、椎体骨折抑制効果に関して「最も強い薬物」とされている。
ただし、テリパラチドはガイドラインにおいて「いわゆる第一選択薬ではない」と位置付けられており、添付文書においても、使用上の注意として「低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折危険因子を有する患者を対象とすること」と記載されている。

フォルテオで骨密度減少?

PTH製剤は、「PTHパラドックス」といわれる通り、その作用にはユニークな面がある。

PTH製剤を間欠的に投与すると骨形成が亢進し、骨吸収された分よりも多くの骨が形成されるため、骨形成終了時には骨量が増加する。

一方で、持続的に投与すると骨形成と骨吸収両方の亢進が見られ、骨吸収が形成を上回り骨量の減少が生じる。

ラットを用いた実験では、フォルテオを1日1回投与した場合密度が増加したが、同分量を6分割して1時間ごとに6回投与した場合は骨密度が減少した。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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