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薬の副作用で尿酸値上昇?
公開. 更新. 投稿者:痛風/高尿酸血症.この記事は約1分4秒で読めます.
5,060 ビュー. カテゴリ:薬剤性高尿酸血症
高尿酸血症を引き起こす可能性のある薬がある。
ループ系・サイアザイド系利尿薬、サリチル酸製剤、テオフィリン製剤、シスプラチン(ブリプラチン、ランダ他)、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル他)など。
抗癌剤、化学療法による腫瘍崩壊症候群で尿酸値が上がることもある。
抗結核薬のピラジナミドやエタンブトールなどによっても高尿酸血症を引き起こすことがある。
ピラジナミドは高尿酸血症の発症頻度が高く、同薬を処方された結核患者の約4割が発症したとの報告もある。
そのため、痛風発作の既往がある患者や尿酸値が高い患者に同薬やエタンブトールを投与する際には、最初から痛風・高尿酸血症治療薬が併せて処方されることがある。
薬剤性の高尿酸血症は、薬剤により尿酸の産生が亢進したり、尿酸の排泄が妨げられることにより生じる。
ピラジナミドにより高尿酸血症が生じる機序は、ピラジナミドの代謝産物が、尿酸排泄を担う有機アニオン輸送体urate transporter(URAT)1における尿酸輸送の交換基質となり、尿酸の再吸収を促進させるためと考えられている。
ピラジナミドの投与開始から約2週間以内の早期に発現するが、薬剤を中止すると比較的速やかに回復する。
エタンブトールについても、詳しい機序は不明であるが、同薬が腎尿細管での尿酸再吸収を促進する可能性が指摘されている1)。
参考文献
1) 総合臨床 2010;59:222-6.
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