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アルダクトンとプログラフは併用禁忌?
公開. 更新. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約2分10秒で読めます.
9,040 ビュー. カテゴリ:アルダクトンと免疫抑制剤と高カリウム血症
アルダクトンとプログラフは何で併用禁忌なの?
シクロスポリン(ネオーラル)の副作用の一つに、尿細管機能への影響としてK排泄減少による高カリウム血症があります。
カリウム保持性利尿薬などを併用すると、そのリスクがさらに上昇するおそれがあります。
また、シクロスポリンと同じカルシニューリン阻害薬のタクロリムス(プログラフ)でも高カリウム血症の発現頻度が高いことが知られており、こちらは併用禁忌の薬剤もあります。
シクロスポリン、タクロリムスそれぞれの併用禁忌、併用注意薬を確認することが重要です。また、服薬指導の際には手先や口唇の痺れ、筋力低下、胸が苦しい、体がだるい、嘔吐や下痢といった高カリウム血症の症状に注意が必要であることを患者へ伝えておくことも大切です。
プログラフの併用禁忌薬:シクロスポリン、ボセンタン、カリウム保持性利尿剤
ネオーラルの併用禁忌薬:タクロリムス(外用剤を除く)、ピタバスタチン、ロスバスタチン、ボセンタン、アリスキレン、アスナプレビル、バニプレビル、グラゾプレビル、ペマフィブラート、コルヒチン
プログラフと高カリウム血症
プログラフとアルダクトンA(スピロノラクトン)は併用禁忌となっている。
プログラフとセララは併用注意となっている。
高カリウム血症を誘発する薬は多数ありますが、アルダクトンAと併用禁忌になっている薬は、プログラフとセララとオペプリムの3種類。
カリウム製剤も禁忌になってもよさそうですが、禁忌とはなっていない。
禁忌ではなくても、高カリウム血症には注意する必要がある。
アルドステロン拮抗薬の主な副作用として女性化乳房、高カリウム血症があげられる。
アルダクトンAはMR(ミネラルコルチコイド受容体)のみならずアンドロゲンやプロゲステロンなどの性ホルモン受容体にも作用するため、女性化乳房、不正性器出血、月経不順等の副作用がみられるが、エプレレノンはMRへの選択性が高いためこれらの副作用発症頻度は低い。
エプレレノンのステロイドホルモン受容体に対する親和性はin vitroでも評価されており、グルココルチコイド受容体に対してはMRに対する親和性の1/20以下、アンドロゲン受容体及びプロゲステロン受容体に対する親和性は1/100以下と報告されている。
この受容体選択性によりエプレレノンにおいて女性化乳房の発症率が低いことは極めて有益な点である。
しかし、MRを介する副作用は、当然のことながら回避することはできない。すなわち、アルドステロン拮抗薬の注意すべき重大な副作用である高カリウム血症は、腎遠位尿細管および集合管上皮細胞におけるNa+ 再吸収促進、K+ 排泄促進の作用を有するアルドステロンを阻害するために生じる副作用であるため、アルドステロン拮抗薬を投与する際には血清K+値に常に注意する必要がある。
特に、糖尿病や腎機能障害を有する患者では高カリウム血症が発現しやすくなるため、慎重な用量設定が必要となる。
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