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難病は重症じゃなければ助成を受けられない?
公開. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約3分42秒で読めます.
1,692 ビュー. カテゴリ:難病の医療費助成制度
とっても苦手な保険関係の話。
難病に関する情報は、「難病情報センター」へどうぞ。
平成29年12月31日で経過措置が終了するそうです。
認定要件の部分が今まで、
・「診断基準」を満たすこと
となっていましたが、平成30年の1月からは、
・「診断基準」および「重症度分類」を満たすこと
となり、ある程度重症の難病患者しか助成を受けられなくなるようだ。
ただし、
*「重症度分類」を満たさない場合でも、 軽症高額の要件を満たす方は認定対象となります。
という裏技もあります。
軽症高額
軽症高額とは、「特定医療費の支給認定の要件である重症度分類等を満たさないものの、月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が 年間3月以上ある患者については、支給認定を行う。 」というもの。
患者さんで、毎月受診していた人が、この軽症高額に該当させるため3か月の長期処方に変更となった人がいた。
コレっておかしくない?
1回あたりの医療費は高額になりますが、長期処方されるってことは、それだけ安定していると考えられる。
重症度分類
具体的に、重症度分類を満たすとはどの程度のものか、「潰瘍性大腸炎」をみてみると、
<重症度分類>
中等症以上を対象とする。
潰瘍性大腸炎の臨床的重症度による分類
重症 中等症 軽症 ①排便回数 6回以上 重症と軽症の中間 4回以下 ②顕血便 (+++) (+)~(-) ③発熱 37.5℃以上 37.5℃以上の発熱がない ④頻脈 90/分以上 90/分以上の頻脈なし ⑤貧血 Hb10g/dL 以下 Hb10g/dL 以下の貧血なし ⑥赤沈 30mm/h 以上 正常 顕血便の判定
(-)血便なし
(+)排便の半数以下でわずかに血液が付着
(++)ほとんどの排便時に明らかな血液の混入
(+++)大部分が血液重症度
軽 症: 上記の6項目を全て満たすもの
中等症: 上記の軽症、重症の中間にあたるもの
重 症: ①及び②の他に、全身症状である③又は④のいずれかを満たし、かつ6項目のうち4項目を満たすもの
劇 症: 重症の中でも特に症状が激しく重篤なものをいう。発症の経過により急性電撃型と再燃劇症型に分けられる。
劇症の診断基準は
(1)重症基準を満たしている。
(2)15 回/日以上の血性下痢が続いている。
(3)38.5℃以上の持続する高熱である。 (4)10,000/mm3以上の白血球増多がある。
(5)強い腹痛がある。
重症度分類の中等症以上が対象となる。
薬を使って寛解していれば、軽症に該当している人は多いだろう。と思うのだが、重症認定されれば無料、ということで、寛解していても多少重い症状で申告するというバイアスはかかりそう。
その他の疾患についても、↓難病情報センターで個別の疾患について重症度分類が記載されているので、参考にどうぞ。
病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧 – 難病情報センター
難病の治療をしているが、医療費の助成を受けていない人は、ある程度軽度であると認識できる。
腰椎穿刺はめちゃくちゃ痛い?
原因不明の高熱が続いたり、神経の難病を疑ったりするようなときに脊髄液を採取します。
腰椎穿刺といいますが、その注射がかなり痛いようで。
神経に針差すんだから。
局所麻酔はかけるでしょうけど。
脳脊髄液で髄膜炎、くも膜下出血、ギランバレー症候群、多発性硬化症などがわかります。
骨髄穿刺と腰椎穿刺
骨髄穿刺は、骨の中にある「骨髄」を採取するための検査です。骨髄は血液の細胞を作る器官で、白血病・再生不良性貧血・血小板減少性紫斑病などの血液疾患のほか、一部の先天性代謝異常症でも検査を行います。
腰椎穿刺は脳・脊髄の浮いている「脳脊髄液」を採取する検査です。髄膜炎、くも膜下出血、ギランバレー症候群、多発性硬化症などが疑われるときに行なうほか、「脳脊髄液」のある髄腔に局所麻酔薬をうつことによって麻酔をかけることも出来ます。帝王切開などで用いられます。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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