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容器は滅菌済みを使うべきか?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分37秒で読めます.
6,305 ビュー. カテゴリ:滅菌済みの投薬瓶
投薬瓶や軟膏ツボを購入するときに、個包装になっている滅菌済みのものを買うべきか、安価な未滅菌のものを買おうか迷うことがあります。
私の経験では、滅菌済みの投薬瓶を使っている薬局は少ない。
シロップの処方頻度が少ない薬局ばかりだったからかも知れませんが。
わざわざ高い滅菌済みを買う必要があるのだろうか。
無菌調剤室で行う注射剤や点眼剤の調剤であれば、使用する器具は滅菌済みである必要があるだろう。
しかし、一般の調剤薬局での、軟膏やシロップの調剤で滅菌まで施す必要性は無いと考える。
投薬瓶であれば水洗いして調剤、軟膏ツボは消毒用アルコールで拭き取ってから調剤すれば十分だろう。
それよりも、投薬前の汚染源として一番に考えられるのは、「薬剤師の手」であろう。
アルコール消毒しても無菌状態にはならないので、滅菌容器を使うくらいであれば、調剤時には手袋を使うくらいの意気込みが必要と考える。
殺菌と消毒の違い
殺菌、言葉の通り菌を殺すことですね。
消毒、言葉の通り毒を消すことですね。
菌=毒、とは限りません。
人体に有益な菌もあります。
殺菌の意味は「微生物を死滅させること。」
消毒の意味は「人畜に有害な微生物または目的の微生物のみ殺菌すること。滅菌のような無菌状態にはならない。」
とは言っても、「目的の微生物のみ殺菌すること」なんて無理ですけど。
他にも似たような言葉があります。
滅菌:すべての微生物を殺すか除菌した状態にすること。完全な無菌状態にすること。殺菌とろ過がある。
抗菌:微生物の増殖を阻止すること。静菌と殺菌を含む。
静菌:微生物の増殖を薬剤があるときだけ阻止すること。
除菌:微生物を物理的に分別して取り除くこと。
「滅菌」とは、全ての微生物を殺滅または除去する処理方法です。
主に、高リスクの手術器具、注射器、血管カテーテルなどに用います。
高圧蒸気滅菌法や乾熱法などガスによって滅菌する方法があります。
一方、「消毒」は、微生物を感染症が起こり得ない水準まで殺滅、除去することを指し、消毒薬による化学的消毒法や、熱水消毒や煮沸消毒など物理的消毒法があります。
「洗浄」は、流水によって汚染を目視できない状態まで洗い落とすことです。
洗剤などを使うことも含まれます。
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