2025年9月19日更新.2,628記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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20㎎錠の代わりに10㎎錠2錠で調剤しちゃダメ?

20㎎錠の代わりに10㎎錠2錠

20㎎錠の代わりに10㎎錠2錠で調剤する、ということは薬局ではよくあることです。

先発品から後発品への変更調剤では薬局の在庫によって、そのようなことがよく行われます。

先発品でも「20㎎の在庫がない、10㎎ならあるんだけど」とか、患者から「20㎎錠が大きすぎて飲めない」とかのケースで疑義照会してみることはあり得る。

普通、20㎎錠1錠を飲んでも、10㎎錠を2錠飲んでも、体の中に入れば同じでしょ?と思っちゃう。

ただし、添付文書上明確にその変更調剤が禁止されている薬がある。
「10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。」
といった記載のある医薬品である。

以下のような薬の添付文書に記載されている。

医薬品名添付文書の記載
カボメティクス錠20mg/カボメティクス錠60mg20mg錠と60mg錠の生物学的同等性は示されていないため、60mgを投与する際には20mg錠を使用しないこと。
ケレンディア錠10mg/ケレンディア錠20mg10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。
コセルゴカプセル10mg/コセルゴカプセル25mg10mgカプセルと25mgカプセルの生物学的同等性は示されていないため、1回50mgを投与する際には10mgカプセルを使用しないこと。
ゾフルーザ錠10mg/ゾフルーザ錠20mg/ゾフルーザ顆粒2%分包10mg錠と20mg錠又は顆粒2%分包の生物学的同等性は示されていないため、10mgを投与する際には顆粒2%分包を使用しないこと。また、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。
タダラフィル錠10mgCI「FCI」/タダラフィル錠20mgCI「FCI」10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、投与量を調節する際には10mg錠と20mg錠の互換使用を行わないこと。
ターゼナカプセル0.1mg/ターゼナカプセル0.25mg/ターゼナカプセル1mg0.1mgカプセルと0.25mgカプセルの生物学的同等性は示されていないため、0.5mgを投与する際に0.1mgカプセルを使用しないこと。
ニンラーロカプセル0.5mg/ニンラーロカプセル2.3mg/ニンラーロカプセル3mg/ニンラーロカプセル4mg0.5mgカプセルと他の含量のカプセルの生物学的同等性は示されていないため、3mg又は4mgを投与する際には0.5mgカプセルを使用しないこと。
メキニスト錠0.5mg/メキニスト錠2mg0.5mg錠と2mg錠の生物学的同等性は示されていないため、2mgを投与する際には0.5mg錠を使用しないこと。
メーゼント錠0.25mg/メーゼント錠2mg0.25mg錠と2mg錠の生物学的同等性は示されていないため、2mgを投与する際には0.25mg錠を使用しないこと。
リムパーザ錠100mg/リムパーザ錠150mg100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。

生物学的同等性は示されていない、というのは同等ではないということではなく、試験を実施していないということ。

例えば現在、ケレンディア錠10㎎の薬価は143.90円で、20㎎の205.80円だから10㎎2錠だと高くなっちゃうので禁止されているという側面もあるだろう。

「20mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。」だから10㎎を投与する際に20㎎を半割してもいいのか?みたいなところはよくわからない。安くなるなら何も言われないのかも知れない。

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