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不眠症に使える降圧薬
公開. 更新. 投稿者:睡眠障害.この記事は約1分22秒で読めます.
255 ビュー. カテゴリ:カタプレスと不眠症
カタプレス(一般名:クロニジン塩酸塩)という薬がある。
降圧薬である。薬効分類はα2受容体刺激薬。
同じカテゴリーには、アルドメット(メチルドパ)やワイテンス(グアナベンズ酢酸塩)がある。
商品名 | 一般名 | 適応症 |
---|---|---|
カタプレス | クロニジン塩酸塩 | 各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症) |
ワイテンス | グアナベンズ酢酸塩 | 本態性高血圧症 |
アルドメット | メチルドパ水和物 | 高血圧症(本態性)、高血圧症(腎性等)、悪性高血圧 |
このカタプレスが不眠症に使われるという。
注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬のインチュニブ(グアンファシン塩酸塩)も選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬で、α2受容体に作用する。
クロニジンはアメリカではADHD治療薬としても使われている。
プレセデックス(デクスメデトミジン)という、集中治療や手術、検査などの際に使用される鎮静薬もα2受容体作動薬である。
また、緑内障治療薬アイファガン(ブリモニジン酒石酸塩)も、α2受容体刺激薬である。
アイファガンはα2選択性が高く、BBB(血液脳関門)を殆ど通過しないが、「精神神経系 0.1~5%未満 浮動性めまい、回転性めまい、頭痛、耳鳴、傾眠」と、めまいや眠気などの精神系の副作用が記載されている。
ここでα2アドレナリン受容体の働きについて。
α1受容体は、主として血管平滑筋に存在し、血管の収縮に関与している。α2受容体は、主に交感神経終末に存在し、ノルアドレナリンの過剰遊離を抑制するネガティブフィードバックをかける自己受容体である。
つまり、α2受容体刺激によって、交感神経の働きが抑えられ、血圧降下や鎮静作用を発揮する。
逆に、α2受容体を遮断する働きのあるテトラミド(ミアンセリン)やレメロン/リフレックス(ミルタザピン)などはノルアドレナリンの放出を促進するので抗うつ薬として用いられている。
カタプレスの適応症は「各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症)」となっており、不眠症に対する適応は無い。
副作用として「眠気、鎮静作用」があり、この副作用を利用して不眠症に使われる。


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