記事
胃ろうで逆流性食道炎?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約3分24秒で読めます.
3,907 ビュー. カテゴリ:胃ろうから流動食が食道に逆流
胃ろうのトラブルで特に問題視されるのが、流動食が胃内に注入しても噴門から食道に逆流し、気管へ流れ込んで深刻な呼吸器合併症を引き起こすことで、胃食道逆流症と言われます。
体幹の屈曲拘縮が進行すると腹圧が高くなり、より逆流しやすくなります。
時に死因となるため対応が必須であり、注入時の体位に注意したり注入速度を遅くするなど配慮しますが、改善策としては完全なものではありません。
そこで、これらの胃ろうによるトラブルの解決法として、液体である流動食の粘度を増加させることが考案されました。
胃ろうで誤嚥性肺炎?
誤嚥というのは、食事が誤って気管支のほうに入ってむせる、ということなので、胃に直接食物を届ける胃ろうの患者では、誤嚥は起こらないだろうと思っていましたが。
誤嚥性肺炎とは、細菌の繁殖した食べかすや唾液が気管に入ること(誤嚥)が原因で起こる肺炎です。
食事をしなくても、唾液などが気管に入っていくことがあるので、胃ろうにしても100%防げるということはありません。
また、胃の中の食物が食道に逆流して気管に入ることもあります。
しかし、胃ろうのほうが経鼻チューブによる栄養に比べて肺炎の発生は少ないです。
高齢者の人工栄養法の主な考え方
・人工栄養法を導入しない選択肢も示す
・本人の益にならないと判断できるときは導入しない
・人生の完結に有益なときの導入は妥当
・導入後の中止・減量もありうる
・家族の都合で本人の生の長さを決めない
胃ろうは付けないほうがいい?
延命治療のひとつとして、人工呼吸器とともに議論の俎上に上がっている「胃ろう」があります。
自力でものを食べる、飲み下す(嚥下する)ことが困難な患者の腹部に1cm未満の穴=ろう孔を開けて、そこに胃ろうカテーテルという器具を挿入して直接、栄養剤を注入する方法を指します。
この胃ろうを病院の都合で行っているケースもあるという。
高度な治療を必要としない高齢の患者を入院させておくことは病院経営を圧迫するので、なるべく早く退院してもらうために胃ろうにして老人施設や在宅に戻している現実があります。
なかには嚥下能力がまだあるのに胃ろうになっていた患者さんもいるという。
しかし、老人施設などで介護を断られる胃ろう患者のケースも多い。
老人施設から「胃ろうをしたら、この施設では看護師が少なく、トラブルがあっては困るので、受け入れられなくなります」といわれる。
欧米では認知症などを発症した高齢者に胃ろうを行うことについて否定的です。
フランスやオランダ、スウェーデンでは進行した認知症患者に胃ろうの造設は、通常行わないという。米アルツハイマー協会など欧米の専門家団体も「患者に利益をもたらす医学的証拠はない」と否定的な見解。
これに対し、日本では、「口から食べられなくなったら胃ろうは当たり前」という空気がある。
しかも、いったん造設するとやめにくいという。
延命手段をあえて控えることになり、神経質になっている医師も多いためだ。
老衰と病気は違う。
死ぬことは悪いことではないのに、医療ではそれを許してくれない。
点滴よりも胃ろうのほうがいい?
従来、経口摂取が困難な患者に対しては、中心静脈栄養(TPN)などの経静脈栄養を行うのが一般的でした。
しかし、経静脈栄養下での長期間の絶食は腸管粘膜バリアーを破綻させ、腸内細菌やその毒素が腸管外に漏出して全身に移行し、敗血症や多臓器不全の原因になることがあるため、消化管機能が正常な場合は、経腸栄養法を行うケースが増えています。
延命治療を拒否できるのか?
みんな口をそろえて言う。
死ぬときはポックリ死にたい、って。
そうは言っても、人間はなかなか死なない。
チューブにつながれて、人工呼吸器つけて、胃ろうになって、いわゆるスパゲッティー症候群、そんな状態になってまで生きたくはない。
生にしがみつきたくない、と。
元気だから言えるのかも知れませんが。
じゃあ、そのような状態にならなければ生きられなくなったら、延命治療を拒否することはできるのだろうか?
「尊厳死宣言書」みたいなものを書いておけば、自分の意思は周囲に伝えることができる。
しかし、それに従うかどうかは医師の判断による。
医師は治療を行う義務がある、と考える。
救急車を呼んで病院に運ばれれば、適切な処置をせざるを得ない。
じゃあ、例えば家族に「救急車は呼ばないで」と伝えておいたとしても、呼ばない家族はほとんどいないと思うし。
自宅で苦しんでいる高齢者をそのままにして放置したら、高齢者虐待防止法とかで罪になりそうだし。
現在の日本で尊厳死は難しい。
法制化の動きがあるようなので、自分が高齢になるまでには延命治療拒否できるかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。