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バセドウ病にβブロッカーを使う理由は?
公開. 更新. 投稿者:甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症.この記事は約2分18秒で読めます.
6,671 ビュー. カテゴリ:バセドウ病にβブロッカー
甲状腺機能亢進時に、しばしば動悸、頻脈を認めることがある。
甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激する作用がある。
その結果、脈が速くなる(頻脈)・動悸・手指が細かく震える(手指振戦)などの症状が現れる。
プロプラノロール(インデラル)などβブロッカーには、心拍数を遅くし心筋収縮力を軽減させる作用があるため、甲状腺機能亢進症による症状を抑えるために使用される。
ただし、気管支喘息の患者はβブロッカーにより発作を誘発してしまうことがあり使用できないため、Ca拮抗薬により脈拍コントロールを行う。
また、高齢者や低血圧患者には注意が必要である。
甲状腺機能亢進症とβ遮断薬
甲状腺機能亢進による頻脈や動悸、振戦などの急性期症状を抑制する目的で抗甲状腺薬と併用される。
甲状腺機能亢進症の初期にはプロプラノロール塩酸塩(インデラル)やアテノロール(テノーミン)等のβ遮断薬が処方されることがある。
これは甲状腺機能亢進症による頻脈や振戦を抑えることを目的とした処方である。
特にプロプラノロールは内因性交感神経刺激作用(ISA) がないこととβ1選択性がないことから適しており、一般的に用いられる。
また、同薬にはT4→T3転換抑制作用があるとも報告されている。
バセドウ病でβ受容体数が増える?
甲状腺機能亢進症の患者にインデラルやテノーミンが処方されることがよくある。
甲状腺機能亢進症、バセドウ病の患者さんは体が興奮状態になっているため、動悸や振戦などの症状が出ていることがあるため。
ホクナリンやメプチンなどのβ刺激薬では動悸や振戦の副作用が見られる。
インデラルやテノーミンなどのβ遮断薬は、逆に動悸や振戦を抑える働きがあるわけだ。
多くの甲状腺亢進症の症状として、めまい、震え、不安感などがあるが、これは細胞の表面の交感神経β受容体が増える為である。β遮断薬はこの症状を取り除くように働き、めまいに伴う頻脈を落ち着かせ、震えや不安感を減らす。この薬はチオナマイドの治療効果が出るのに何ヶ月もかかることがあり、その間の症状を落ち着かせ管理できるようにする為のものでその原因となっている甲状腺ホルモンの過剰を治す為のものではない。プロプラノロール(イギリス)やメトプロロール(アメリカ)が甲状腺亢進症の症状軽減の為の治療では多く使用されている。甲状腺機能亢進症 – Wikipedia
甲状腺ホルモンがβ受容体を刺激するのかな、とか漠然と思っていましたが、細胞表面のβ受容体数が増えるとのこと。
β遮断薬の副作用として、ホクナリンやメプチンと逆の働きをするわけだから、ホクナリンやメプチンが使われる病気「気管支喘息」には禁忌となります。
テノーミンのほうがインデラルと比べてβ1選択性が高いので、気管支喘息に禁忌とはなっておらず使いやすいかも。
でも、インデラルだと10mg錠しかなく、1回1錠であれば用量的に少な目なので、使いやすいといえば使いやすいのかな。
ちなみにインデラルはこの動悸バクバクや振戦ブルブルへの効果から、アドレナリン出過ぎのあがり症やパニック障害に使われることもある。
参考書籍:ファーマトリビューン2011.6
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