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薬剤師が犯しやすい違法行為
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約3分32秒で読めます.
14,373 ビュー. カテゴリ:薬事関連法規の遵守
薬剤師の皆さん、法律を守ってますでしょうか?
「守ってるに決まってる!」と堂々と言えるご立派な薬剤師さんもおられるでしょうけど、日常生活においても、時速40㎞制限の道を50㎞で走ったり(速度超過違反)、道路で唾を吐いたり(軽犯罪法違反)、指定日以外の日にゴミを出したり(廃棄物処理法違反)、行列に割り込んだり(行列割込み等の罪)、うっかり法律違反を犯している可能性があり、薬剤師業務においても知らず知らずのうちに、違法行為を犯している可能性があります。
「罰則が無いからいいのだ」「グレーゾーンだからいいのだ」「他の薬剤師もやってたからいいのだ」「上司から指示されたからいいのだ」など、言い訳、言い分もありますが、どのような行為が違法行為に当たる可能性があるのか、ということは自分を守るためにも知っておく必要があります。
薬剤師法の罰則
薬剤師法違反の罰則には、以下のようなものがある。
第29条:第19条の規定に違反した者(医師、歯科医師及び獣医師を除く。) は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第30条:次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1 第8条第2項の規定により業務の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行つたもの
2 第22条、第23条又は第25条の規定に違反した者第31条:第14条の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第32条:次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
1 第9条の規定に違反した者
2 第19条の規定に違反した医師、歯科医師又は獣医師
3 第20条の規定に違反した者
4 第24条又は第26条から第28条までの規定に違反した者第33条:法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第27条又は第28条第1項若しくは第 3項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、前条の罰金刑を科する。
「罰金くらいなら、まあいいか」とか思っているそこの薬剤師さん。
薬剤師法第5条の「相対的欠格事由」に以下のように書かれている。
第5条:次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
1 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
3 罰金以上の刑に処せられた者
4 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者
罰金刑を受けると、免許はく奪までいく可能性があるのだ。
酒気帯び運転で1か月の業務停止処分を受けた薬剤師もいる。
薬剤師だから薬剤師法や薬事関連法規だけを守っていればよいというわけではない。道路交通法その他の法律にも注意する必要があるのだ。
罰金など罰則のある法律にはより注意しなければならない。
だからといって、第21条「調剤の求めに応ずる義務」には罰則がないから、嫌な患者の調剤拒否して良いわけではない。
法律違反は企業や薬局のイメージを貶める行為であり、社会的信用を失う。
薬剤師がやりがちな違法行為に、以下のようなものがある。
法律 | 例 | 罰則 |
---|---|---|
薬剤師法第23条(処方せんによる調剤) | FAX処方箋で先に薬を渡し、後から原本を受け取る | 1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれを併科 |
薬剤師法第24条(処方せん中の疑義) | 疑義があるのに疑義照会をしないで調剤 | 50万円以下の罰金 |
薬剤師法第19条(調剤) | 事務による調剤 | 3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれを併科 |
薬剤師法第22条(調剤の場所) | 医療機関の待合室に薬を配達して処方箋を受け取る | 1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれを併科 |
薬剤師法第25条(調剤された薬剤の表示) | 薬袋なしで薬を渡す | 1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれを併科 |
健康保険法第64条(保険医又は保険薬剤師) | 届出を出さずに他の薬局に応援に行く | 保険薬剤師登録抹消 |
薬機法第7条の3(薬局の管理) | 管理薬剤師が別の薬局で働く | 薬局の許可取り消し |
薬機法第49条(処方箋医薬品の販売) | 処方箋医薬品を処方箋なしで販売する | 薬局の許可取り消し |
薬機法第9条(薬局開設者の遵守事項) | 近隣の薬局と医薬品の貸し借りを行う | 薬局の許可取り消し |
やるかやらないかはあなた次第。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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4 件のコメント
こういうことは薬剤師法違反による犯罪になるんですかね?
薬剤師法第23条2(処方箋による調剤)
例1.散剤を調剤する際、処方医の許可無く処方日数を勝手に変える。
ex.A散 0.25g 1×vds/7daysの7daysを8daysにする。
その薬剤師曰く、理由はそうする方が秤量時に電子秤の目盛の影響を受けにくいとのこと。
例2.散薬を調剤する際、処方医の許可無く用法を勝手に変える。
ex.B細粒 3g 3×nde/7days
上記が正規処方だが、これを散薬分包機の設定を
「B細粒 1g 1×M/21days」とする。なお、分包時に薬包に用法は印字されない設定とする。その薬剤師曰く、用法を動かさなければ簡単に分包出来るとのこと。
以上の2点について御見解を宜しくお願い申し上げます。
コメントありがとうございます。
例1は秤量時に7日分ではなくて8日分作って、1日分は捨てる、ということでしょうか?
患者に8日分渡すのでなければ、ただ「もったいない」だけで、違法ということにはならないと思います。しかし、7日分のところを8日分で渡すということであれば、それは薬剤師の判断で勝手に行ってはいけないことだと思います。
例2については、分包機の設定のしやすさから行っていることかと思いますが、分包紙に用法は印字されないとのことで、患者には影響のないことなので、問題ないかな、と思います。法的にな全く問題ありません。しかし、鑑査や調剤時の設定は、誰が見てもわかりやすいというほうが望ましいと思います。正直、処方通りに入力したほうが、間違えるリスクは減ると思うのですが…
いずれの例も「違法」とは言えませんが、もし同じ職場にそのような薬剤師さんがいたら、私は「変な人」と思うでしょう。
頭髪が気になりだし、イオンドラッグストアに行ったところ店頭に置いてあった商品と同じものであったが、少し前の売れ残りと思われるもので、ミノキシジルは、5%だがフィナステリドが入っていないものを渡され
“ミノキシジルは同じものですから5%です。”と言われ、私はおかしいと思いながらも急いでいたので、そのまま帰りました。納得いきません。代金は、新製品と同じです。
コメントありがとうございます。
リアップ(ミノキシジル)ではなく、プロペシア(フィナステリド)がご希望だったのでしょうか?
フィナステリドは医療用になりますので、市販では置いてありません。
開封していなければ、返品できる可能性もありますので、ご購入の店舗にご相談を。