2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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湿疹と発疹の違いは?

湿疹と発疹の違いは?

薬剤師

湿疹と発疹って違うの?

湿疹が出たみたいなんですけど」

と、皮膚科で言うと、皮膚科医は気に入らないらしい。

「風邪をひいたみたいなんですけど」
と言うのと同じ。

自分で診断しちゃってるってこと。
「発疹が出たみたいなんですけど」
と言ったほうがいい。

湿疹と発疹は違う。
湿疹は発疹の一病態である。

湿疹発疹の違い。
発疹とは…皮膚に現れるさまざまな症状の総称。紅斑や水疱、びらんなど。
湿疹とは…発疹に含まれるもので、赤くてかゆみのある発疹。

ウィキペディアでは、
湿疹とは病態(動き)を示す言葉であり、ある湿疹を診た時に、発疹が起こっているとは言うことができるが、発疹を診てこれは湿疹だと言うことはできない(同じことが蕁麻疹でもいうことができる)。

発疹が出てても、それが湿疹なのか蕁麻疹なのか、はたまた別の皮膚病なのかまでは、時間的な変化も見ないとわからないというわけですか。

湿疹三角形

三角形の湿疹じゃなくて、湿疹の三角形。

たまに聞くけど、どういう意味なのか知らなかった。

湿疹の三角形は、湿疹として生じる固疹の形態(紅斑、漿液性丘疹、小水疱、膿疱、びらん、痂皮、落屑、治癒)を、通常とりうる経過を加えて表現した図である。慢性化する即ち治癒しなかった場合は皮膚の肥厚,苔癬化を呈する内容も加えられている。経過が一定ではなく様々なパターンをとることが分かる。一方、病因論的に見ると典型的湿疹は接触皮膚炎である。

皮膚炎 – Wikipedia

湿疹が辿る臨床経過を図にすると、三角形に見えることから、湿疹の三角形。

皮膚用語は難しく、言葉を見ただけではどういう状態なのかイメージしづらい。

健常皮膚に最初に(一次的に)出現する発疹のことを原発疹とよび、以下のようなものがある。

丘疹:直径10㎜以下の隆起性病変
水疱:内容が透見できる液体が貯留した隆起性病変。(膿性の内容物なら膿疱とよぶ)
紅斑:毛細血管の拡張による色調変化。炎症の始まりとして、血流が亢進した状態。
紫斑:真皮または皮下の出血による色調変化。
膨疹:真皮の限局性浮腫。痒みを伴い、一過性。
色素斑:メラニンなどの沈着により褐色、黒色、青色などをきたす斑。
白斑:メラニンの減少や消失により白色の斑を呈したもの。

原発疹またはその他の続発疹に引き続いて二次性に生じる皮疹のことを続発疹とよび、以下のようなものがある。

びらん:表皮の基底層まで及ぶ欠損。治癒後に瘢痕を残さない。
潰瘍:びらんより深く、欠損が真皮から皮下組織まで及ぶ。治癒後は瘢痕を残す。
痂皮:血漿成分、膿、細胞成分などが表皮に固着した状態。
鱗屑:肥厚した角層が表皮に付着した状態。
亀裂:角層から真皮に及ぶ断裂性病変。
瘢痕:皮膚欠損部を増殖した結合組織と表皮が覆った状態。
萎縮:皮膚全体が菲薄化した状態。

他にも以下のような用語もあり、なかなかわかりづらい。

滲出性丘疹:表皮の炎症によって海綿状態がおこった状態。
小水疱:滲出性丘疹の内部に、より滲出液が貯留する状態。
膿疱:水疱内に炎症細胞が多く入り、肉眼的に濁りを認める状態。
湿潤:小水疱や膿疱が破れ、液体成分が漏出した状態。
結痂:漏出した滲出液が固まった状態。
落屑:障害をうけた表皮細胞が脱落した状態。
苔癬化:炎症が繰り返されて、表皮が反応性に肥厚した状態。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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