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ワーファリンを飲んでいてもコラージュフルフルを使っていい?
公開. 更新. 投稿者: 1,730 ビュー. カテゴリ:相互作用/薬物動態.この記事は約2分3秒で読めます.
ワーファリンとコラージュフルフル

最近、テレビのCMで「コラージュフルフル プレミアム」という商品をみた。
コラージュフルフルは昔から、フケ症、脂漏性皮膚炎に使われるシャンプーとして聞いたことがある。
ただ、そのテレビCMは「お父さん頭臭い」と子供から言われて、頭皮の臭い、加齢臭に対するデオドラント商品的なイメージのCMでした。
市販薬の場合、同じ商品名でも成分が違うこともあるので、その可能性も考えましたが、「コラージュフルフル プレミアム」にもミコナゾール硝酸塩が含有されています。
ミコナゾール硝酸塩といえば、フロリードゲル。
フロリードゲルといえば、併用禁忌となる薬が多くあります。
ワルファリンカリウム、ピモジド、キニジン、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル、ロミタピドメシル酸塩と併用禁忌です。
ただフロリードゲルは口腔内に塗布して飲み込む薬なので、体内での相互作用に注意が必要ですが、コラージュフルフルのような外用、しかも、すぐに洗い流すシャンプーでは注意する必要は無い。
ちなみに、フロリードDクリームの相互作用には、ワルファリンが記載されており、
ワルファリンの作用を増強することがある(皮膚からの吸収はほとんど認められていないが、外国において、ワルファリンとの併用により出血を来した症例が報告されている)。
と書かれている。
外用薬であっても、注意は必要である。
しかし、シャンプーでは必要ないだろう。
しかし、薬剤耐性(AMR)対策が叫ばれる昨今、体臭対策のような軽い動機で、デオドラント感覚で、このような商品を使用するのはいかがなものかといったことは考えさせられる。
ワルファリンとミコナゾール
ワルファリンの併用禁忌で特に注意すべきものとして、ビタミンK以外にミコナゾールがある。
特に口腔カンジダに使われる「フロリードゲル」はその形状からも塗り薬という認識を持ちやすく、内服薬との相互作用に対する注意が薄い。
外用薬のフロリードDクリームはワルファリンと併用注意になっているが、添付文書には「皮膚からの吸収はほとんど認められていない」と記載されており、ミコナゾールは皮膚からの吸収がほとんど認められていないので、併用は問題ないと思われる。市販の薬用シャンプーで「コラージュフルフル」というミコナゾールを含有した商品があるが、これについても使用に問題はないだろう。
フロリード膣坐剤についても添付文書上「腟からの吸収はほとんど認められていない」と併用注意に記載されている。しかし、市販のカンジダ用膣錠・膣坐剤はワルファリンを使用している患者は「使用してはいけない」となっているため、市販薬の販売時には注意する必要がある。




2 件のコメント
こんにちは。いつもブログ拝見させていただいています。私は20歳の男です。最近ニキビの薬でミノペン100を朝昼夕に処方されました。歯牙着色が起こる可能性は考えられますか?
過去のブログでミノマイシンは石灰化に伴い歯に着色が起こるとありました。
少しでも歯牙着色の可能性は考えられますか?また着色が起こった場合、もう着色は落ちないと考えるべきですか?
コメントありがとうございます。
ミノマイシンで歯牙着色が起こる可能性は考えられます。
投与期間によってリスクは異なりますが、ニキビの治療であればある程度長期に服用する可能性が高いでしょう。
小児期ほどリスクは高くないかも知れませんが、一度起こった着色は茶渋のように落ちにくいでしょう。