記事
処方箋の1日量から1回量への変更はいつから?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約4分58秒で読めます.
5,544 ビュー. カテゴリ:1日量から1回量に
今現在の処方せんの記載様式は、
ベイスンOD錠0.2 3錠
1日3回 毎食直前 28日分
ブロプレス錠8 1錠
1日1回 朝食後 28日分
という形が多いですが、
ベイスンOD錠0.2 1回量として1錠
1日3回 毎食直前 28日分
ブロプレス錠8 1回量として1錠
1日1回 朝食後 28日分
このように処方せんの記載を変えるという案が検討されています。
医師法施行規則第21条には以下のように書かれている。
医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、 用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は 医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。
分量と用量の違いがあいまい。
診療報酬請求書等の記載要領の「調剤報酬明細書の記載要領」には以下のように書かれている。
(21) 「処方」欄について
ア 所定単位(内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く。以下同じ。)にあっては1剤1日分、湯薬にあ っては内服薬に準じ1調剤ごとに1日分、内服用滴剤、屯服薬、浸煎薬、注射薬及び外用薬に あっては1調剤分)ごとに調剤した医薬品名、用量(内服薬及び湯薬については、1日用量、 内服用滴剤、注射薬及び外用薬(ただし、湿布薬を除く。)については、投薬全量、屯服薬については1回用量及び投薬全量)、剤形及び用法(注射薬及び外用薬については、省略して差 し支えない。)を記載し、次の行との間を線で区切ること。
レセプト上は、内服薬については1日量と書かれている。
しかし「処方せんの記載上の注意事項」には以下のように書かれている。
(3) 用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使 用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用 (使用)に際しての留意事項等を記載すること。特に湿布薬については、1回当たりの使用量及 び1日当たりの使用回数 、又は投与日数を必ず記載すること。
1回当たりの服用量の記載が義務付けられている。
1日量と1回量の併記が義務付けられているにも関わらず、実際に処方箋に併記している医療機関は14.5%にとどまることが2016年の中間報告でわかった。
「実施する期限が決められていなかった為」「システム変更に伴う費用がかかる為」「院内に混乱を招く為」「周りの病院も行っていない為」などの理由が多かったようだ。
欧米が1回量記載なので、日本もグローバルスタンダードでということのようです。
日本での調剤は、箱から錠剤を出して、錠数を数えて患者さんに渡しますが、欧米では箱や瓶のまま渡すそうです。そのため数え間違いがありません。
日本での調剤形態がこのままで、処方せんだけグローバルスタンダードにされると、間違いが増えます。
今までは「1日量×日数」で計算していたものが、今後は「1回量×1日の使用回数×日数」となり、計算が増えるためです。
果たしていつから変更になるのだろうか?変えなくても良いんじゃないかな。
処方せんには1回量も記載すべき?
医師法施行規則第21条には、
医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。
と書かれている。
そして「診療報酬請求書等の記載要領等について」という厚生労働省通知の「処方せんの記載上の注意事項」で、
(2) 分量は、内服薬については1日分量、内服用滴剤、注射薬及び外用薬については投与総量、屯服薬については1回分量を記載すること。
(3) 用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。
と、書かれている。
内服薬は、1日量を書かなければいけない。
1回当たりの服用(使用)量については、「…等を記載すること。」だから、書かなくてもいい、ってことなんだろうな現行の解釈としては。
いつ変わるんだろうな。
処方せんの確認事項
処方医の署名または記名・押印 : 処方医の直筆署名であれば押印不要、その他は押印が必要です。
薬価基準収載品と薬価基準未収載品が同一処方せん内に処方 : 自由診療と保険診療の混合診療は認められていないため、疑義照会し、処方せんの再発行を医療機関に申し出て変更してもらうか、訂正してもらいます。
医薬品の規格単位漏れ : 疑義照会を行い、医療機関から訂正印をもらいます。
用法・用量の指示(特に外用) : 指示がなければ医療機関に疑義照会を行います。
処方せんの訂正方法 : 二重線による訂正と訂正印がなければ医療機関から訂正してもらいます。
「以下余白」「〆」 : 処方の終了としての記載が必須。
医薬品の長期投与 : 長期投与が認められていないものは、疑義照会を行います。
約束処方・略号などの記載 : 疑義照会を行い医療機関に訂正印をもらいます。
薬局名・日付印 : 判読できなければ再度押印もしくは記入します。
調剤済み印 : 氏名が判別できなければ再度押印します。
疑義照会の記録 : 備考欄に「相手」「時刻」「内容」「薬剤師名」の記載が必須です。
参考書籍:保険薬局新入局薬剤研修テキスト
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。