2026年2月6日更新.2,742記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ほくろが皮膚がんになる?

ほくろが皮膚がんになる?

「このほくろ、大丈夫でしょうか?」
皮膚科だけでなく、薬局や健診の場でもよく聞かれる質問です。

テレビやインターネットでは
「ほくろががんになる」
「気づいたときには手遅れ」
といった不安をあおる表現も多く、
必要以上に心配している人も少なくありません。

一方で、本当に危険なサインを
「ただのほくろだと思って放置してしまう」
ケースがあるのも事実です。

・ほくろと皮膚がんの関係
・どんなほくろが危険なのか
・逆に、どんなほくろは心配しすぎなくていいのか
・医療機関を受診すべきタイミング

を、できるだけわかりやすく整理します。

① そもそも「ほくろ」とは何か

― 医学的には「色素性母斑」
一般に「ほくろ」と呼ばれているものの多くは、
医学的には 色素性母斑 と呼ばれます。

これは
・メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が
・皮膚の一部に集まってできた
良性の皮膚病変 です。

● 重要な前提
・ほくろの 大多数は一生良性
・何も問題を起こさず、そのまま過ごします

つまり
「ほくろ=皮膚がんの予備軍」
ではありません。

② それでも「ほくろが皮膚がんになる」ことはある?

結論から言うと、
あります。

ただし、ここには重要な補足があります。

● 皮膚がんの中でも注意すべきタイプ
ほくろと特に関係が深いのは
悪性黒色腫(メラノーマ) と呼ばれる皮膚がんです。

● 発生のしかたは2通り
①もともとあったほくろが変化してがん化する
②ほくろとは関係なく、新しく突然出てくる

実は
②の「新しく出てくる」ケースの方が多い
ことが知られています。

このため
「昔からあるから安心」
「ほくろじゃないから大丈夫」
どちらも 過信は禁物 です。

③ 危険なほくろを見分ける「ABCDEルール」

皮膚科で世界的に使われているのが
ABCDEルール です。

A:Asymmetry(左右非対称)
・円形や楕円形ではなく
・形がいびつ、左右で違う

B:Border(境界が不整)
・フチがギザギザ
・ぼやけている
・周囲ににじむような色

C:Color(色が均一でない)
・黒・茶・赤・白・灰色など
・複数の色が混ざっている

D:Diameter(大きさ)
・6mm以上
・または短期間で明らかに大きくなる

E:Evolution(変化)
・色が濃くなる
・盛り上がる
・形が変わる
・出血・かゆみ・痛みが出る

最も重要なのはE(変化) です。

④ 「昔からあるほくろ」は安全?

多くの人が気になるポイントです。

● 基本的な考え方
・子どもの頃からあって
・何年も変わらないほくろ
は、良性であることが多いです。

● ただし例外もある
次のような変化があれば要注意です。
・急に大きくなった
・色が濃くなった
・盛り上がってきた
・出血やかさぶたを繰り返す

「昔からある」+「最近変わった」
この組み合わせは、受診を強く勧めます。

⑤ 日本人に多い「見逃されやすい皮膚がん」

日本人では
・足の裏
・手のひら
・爪の下
にできるタイプの悪性黒色腫が比較的多いことが知られています。

● なぜ見逃されやすい?
・日常的に見えにくい
・ほくろや血豆と勘違いされやすい
・痛みがないことが多い

特に
「足の裏にある黒い点」
は、念のため皮膚科で確認 する価値があります。

⑥ よくある誤解とその真実

❌ ほくろを触るとがんになる?
→ 医学的根拠はありません

ただし
・こすれて出血
・変化に気づく

きっかけになることはあります。

❌ 小さいほくろは大丈夫?
→ サイズより変化が重要

小さくても、
形や色が急に変わるものは要注意です。

❌ 盛り上がっている=悪い?
→ 良性のほくろでも盛り上がることはある

見た目だけでの判断は危険です。

⑦ 皮膚科では何をするの?

「受診すると、いきなり切られるのでは?」
と不安に思う方も多いですが、実際は違います。

● 主な診察の流れ
・視診
・ダーモスコピー(拡大鏡で詳しく観察)
・必要な場合のみ
  切除
  病理検査

多くの場合
その場で「経過観察でOK」と判断されることも多い
のが現実です。

⑧ 市販薬・セルフケアで注意すべき点

ほくろに
・角質除去薬
・いぼ治療薬
・民間療法
を使うのは 推奨されません。

理由は
・正体がわからない病変を
・自己判断で処理してしまう危険がある
からです。

⑨ 受診を勧める目安(まとめ)

次のどれかに当てはまれば、皮膚科受診を検討してください。
・最近、形・色・大きさが変わった
・出血・かゆみ・ただれがある
・色がまだら
・足の裏・爪・指先にある
・「なんとなく今までと違う気がする」

👉 「念のため」受診は、決して大げさではありません。

おわりに

ほくろと皮膚がんの話は
「怖がらせすぎ」も
「軽く考えすぎ」も
どちらも問題です。

大切なのは
・変化に気づくこと
・必要なときに専門家に見せること

それだけで
皮膚がんの多くは早期発見・早期治療が可能 です。

「これって大丈夫かな?」
そう思ったときに
安心のために確認する
それが、いちばん賢い選択です。

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生息地:雪国
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