更新日:2017年1月17日.全記事数:3,079件

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B型肝炎は治らない?


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B型肝炎にインターフェロンは効かない?

B型肝炎はDNAウイルスなので、RNAウイルスであるC型肝炎のように、治療により完全にウイルスが排除されることはない。

また、自然経過でウイルス量が減少することもあるため、治療対象の基準や治療期間が明確に提示されておらず治療が困難とされている。

RNAウイルスとDNAウイルスの違い

ウイルスは遺伝子によってDNA型RNA型に分かれます。
B型肝炎ウイルスはDNA型で、C型肝炎ウイルスはRNA型。

インターフェロンがよく効くのはRNA型のC型肝炎ウイルスです。

DNAウイルスは、人の肝細胞の中に一部が組み込まれ、治療によってもウイルスが体内から完全には排除されません。
RNAウイルスは、人の肝細胞の中には組み込まれず、インターフェロンなどの治療で完全にウイルスを体から排除することが可能です。

セロコンバージョン

B型肝炎の治療目標は、肝炎を鎮静化させ、肝硬変や肝癌への進展を防止することが最終的な治療目標である。

B型慢性肝炎では、HBVを完全に排除させる治療法が現時点ではない。

よってウイルス量を減らして肝炎を鎮静化させる。

その際、HBVの増殖時に作られるHBe抗原が陰性化し、HBe抗体が陽性化するセロコンバージョンが指標の一つとなる。
セロコンバージョンが起こると、多くの場合ウイルスの増殖は収まる。

35歳未満では自然にセロコンバージョンが起こる可能性が高く、経過観察となることもある。
35歳以上では自然経過でのセロコンバージョンが期待できず、核酸アナログ製剤での治療が行われる。

セロコンバージョンが起きれば安心?

成人は免疫機能が確立しているため、肝炎ウイルスに感染しても、多くの場合は不顕性感染で自然に治癒します。
一部の人では急性肝炎を発症し、一過性の感染を経て治癒します。

しかし、免疫機能が未熟な乳幼児、透析患者、免疫抑制薬を使用している人などが肝炎ウイルスに感染すると、免疫機能がウイルスを異物と認識できないため肝炎を発症しないことがあり、ウイルスが排除されず、ウイルスを体内に保有した状態(持続感染)になります。
このように、ウイルスを体内に保有している人を「キャリア」と呼びます。

キャリアの症状の経過で、ポイントとなるのが「セロコンバージョン:Seroconversion(Sero:血清、conversion:変化)です。
血液中のHBe抗原が陰性となり、HBe抗体が陽性になることを意味しています。

セロコンバージョンは、HBVが免疫機能の攻撃をうけて、自分のDNAの一部を変異させることで起こります。
免疫機能によってウイルスの活動が押さえ込まれるため、肝炎が沈静化し、無症候性キャリアとなります。

しかし実際には、セロコンバージョンが起きた後もウイルスが増殖を続け肝炎が進行し、肝硬変や肝がんに移行する人もいることがわかってきました。
原因としては、セロコンバージョンの後でも、HBVに変異が起こり、より増殖能力の強いHBVが発生してしまうことなどが考えられています。

このように、B型肝炎はどのような経過をとるのか判断が難しいため、キャリアの方はたとえセロコンバージョンが起きた後でも、定期的な検査が必要です。

核酸アナログ製剤は止められない?

B型肝炎は治らない。つまり核酸アナログ製剤は一生飲み続ける必要がある。

しかし、最近はシーケンシャル療法という最終的にドラッグフリーを目指す試みも行われている。

 核酸アナログ製剤は、HBVがウイルスの複製課程で逆転写反応を行うことを利用して、逆転写酵素を阻害することによりHBVウイルス量を低下させ、肝炎を沈静化させる。しかしIFNと異なり、薬を中止するとほとんどの症例で肝炎は再燃する。一旦内服を開始してから勝手に核酸アナログ製剤を自己中止すると、時に肝炎の急性増悪を起こし、最悪の場合肝不全で死に至る場合があるので、核酸アナログ製剤を自己中止しないよう患者に強く指導する必要がある。なお平成20年度のガイドラインではSequential療法と呼ばれる、エンテカビルからIFNへの連続療法も症例によっては推奨されている。若年者に対する核酸アナログ投与の場合は、核酸アナログを一度開始するとそのあと何十年も薬を飲むことになる。しかし、核酸アナログ製剤を投与後に中止すると、上記のごとく肝炎の再燃はほぼ必発である。そこで核酸アナログを一定期間投与して、HBVウイルス量を低下させた段階でIFNを開始し、核酸アナログを中止してもリバウンドが起きないようさせてから、最終的にはIFNを中止するのがSequential療法である。独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター│B型肝炎について

薬を飲まなくなっても、再発再燃の可能性は潜む。

核酸アナログとは?

B型肝炎に使われる薬に、核酸アナログという薬があります。

核酸アナログとは、DNA(デオキシリボ核酸)を構成する核酸塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)のアナログ。

アナログとは類似・相似を意味する。

ゼフィックス(ラミブジン)はシトシンのアナログ。
ヘプセラ(アデホビル)はアデニンのアナログ。
バラクルード(エンテカビル)はグアニンのアナログ。

もともと抗癌剤として開発されました。

これらの核酸塩基の類似物質が、B型肝炎ウイルスにのみ特異的に働いて、人間のDNAには影響を及ぼさないのか心配。

人間の細胞が持つDNAを作る酵素は天然の核酸と同じ型しか選びませんが、HBVの逆転写酵素は天然型でない方の核酸も取り込みむしろ天然でない方を多く取り込んだとの報告があります。

そのため人間に対する毒性が低く副作用が少ない、という話。

C型肝炎は治る?

C型慢性肝炎では、HCVを体内から排除することが第1の治療目標となる。

中心的な役割を担うのがインターフェロン療法で、使用する薬剤や治療の期間は、基本的にはHCVの血清型(1型、2型)とウイルス量で決定される。

なお、日本人は1型がHCV感染者の70%を占めるが、1型は2型に比べてインターフェロンが効きにくい。

C型肝炎は基本的に完治すれば再発はしません。

ただ、完治という診断が正しいかどうかは不明です。

肝炎ウイルスが確認できなかったとしても、どこかに潜んでいたものが増殖する可能性があります。

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