更新日:2016年12月21日.全記事数:3,096件.今日の勉強

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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妊娠中、授乳中にお酒を飲んじゃダメ?


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アルコールの胎児への影響

アルコールは容易に胎盤を通過して胎児に移行しますので、母体の血中アルコール濃度がそのまま胎児に影響を及ぼすと考えられます。
アルコールによる胎児への影響としては、胎児性アルコール症候群のほか、早産児や低出生体重児、流産、死産との関連も報告されています。

胎児性アルコール症候群

胎児性アルコール症候群の特徴としては、胎内および出産後の発育遅延、頭蓋形成不全、顔面の奇形、心奇形、行動障害、中枢神経系の異常などがあり、特に中枢神経系の機能障害は終生問題となります。

胎児性アルコール症候群の発生機序はまだ詳しくはわかっていませんが、アルコール依存に伴う栄養不良や代謝障害、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドなどの影響のほか、妊婦の素因や生活環境などが総合的に関与しているものと考えられています。

【1月23日 Relaxnews】妊娠した女性の習慣的な飲酒が胎児の発育に悪影響をおよぼす胎児性アルコール症候群(FAS)の危険性を高めることは知られているが、特に妊娠7週目から12週目の飲酒の危険が大きいとする米大の研究論文が17日、発表された。
 論文を発表したのは米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)のハルナ・サワダ・フェルドマン(Haruna Sawada Feldman)氏率いる研究チーム。研究チームは、妊娠中の女性1000人あまりを30年間かけて調査。その結果、妊娠7週目から12週目までの飲酒と、胎児の体重と身長の発育不全や顔面変形に関連性があることを発見した。これらはFASの兆候とされる症状だ。
 妊婦で1日の飲酒量がグラス1杯増えるごとに、胎児で唇の変形リスクが25%、頭部が小頭となるリスクが12%、出産時の低体重リスクが16%、それぞれ増えたという。
 論文の共同執筆者、米ノースカロライナ大学(University of North Carolina)のフィリップ・メイ(Philip May)氏は「論文は、妊娠7週から12週での飲酒、特に大量の飲酒が、FASの子どもに典型的な顔面風貌の特徴4項目や、出生時の低身長および低体重との関連を明確に示したものだ」と述べた。さらに、女性や胎児ごとにFASのしきい値は異なるため、妊娠中の飲酒に「安全」な量はないと、メイ氏は指摘した。
■最善策は「妊娠したら飲まない」こと
 一方、1週間あたり1~2杯程度の飲酒ならば、妊娠中も胎児の発育に影響はないとした、メイ氏らの研究とは矛盾する結果の研究報告も最近出ている。とはいえ、実際のところ、妊娠中の飲酒には多くの専門家が注意を促している。
 英国の英王立助産学会(Royal College of Midwives)の顧問、ジャネット・ファイル(Janet Fyle)氏も、医療関係者向けの米医療情報サイトWedMDとのインタビューで、次のように指摘している。
「習慣的な飲酒でも少量ならば胎児の発達に影響はないことを示す、確実な証拠はありません。ですから私たちは女性たちに、このようにアドバイスしています。『妊娠するつもりがあるか、あるいは現に妊娠中であれば、飲酒を避けることがベストです』と」妊娠中の飲酒、第7~12週目でFASリスク高まる 米研究 国際ニュース AFPBB News

アルコール摂取量と胎児への影響

妊娠中のアルコール摂取量と胎児への影響についてはさまざまな報告があります。
純アルコールとして1日平均50mL以上が胎児性アルコール症候群の発症と関連するというものや、一時に少なくとも純アルコール75mL、月に少なくとも純アルコール675mLの飲酒を大量摂取したものなどです。

アルコールの摂取量と胎児への影響については、「これ以下であれば胎児に影響がない」という安全量は確立されていませんので、妊娠がわかったらアルコールの摂取はやめるべきでしょう。

少量のアルコールもたまに飲むくらいなら、胎児に対する影響は少ない」とする考え方もありますが、絶対に安全なアルコールの下限量というものはわかっておらず、少量でも胎児に影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中のアルコール摂取はいっさい避けるように指導することが望ましいでしょう。

また、不妊傾向の人が養命酒を飲むこともあるらしい。
それで妊娠がわかった場合、妊娠初期にも養命酒を飲んでおり、「大丈夫かな?」と不安になる。
妊婦に養命酒は禁忌とはなっていませんが、アルコールを含むので注意。

授乳中にお酒を飲んじゃダメ?

アルコールは分子量が小さい為、急速に母乳中に移行します。

母乳中濃度は血漿中濃度の約90~95%に達するといわれています。

1g/kg(母親の体重)以上のアルコール量は射乳反射を阻害し、2g/kg以上では哺乳によるオキシトシンの遊離を阻害すると報告されています。

米国医学研究所は、アルコールの摂取量について1日あたり0.5g/kg(母親の体重)以下と勧告しています。

60kgの女性では、ビール2缶、テーブルワインでグラス2杯、リキュール60mLに相当します。
けっこう飲めますね。

一般的に飲酒後、通常30~60分で母乳からアルコールが検出され、つくられた母乳中のアルコール濃度は母親の血中アルコール濃度とほぼ同程度となる。乳房には赤ちゃんが吸う1回分程度の母乳がたまり、授乳によって新たな母乳がつくられるが、一度できたアルコール入りの母乳からアルコールが消えることはないという。

授乳中のアルコールの摂取量について、海外の複数の論文には「体重1キロあたりアルコール0・5グラム」と記されている。
これは体重50キロの人なら500mlの缶ビール1本、ワインだとフルボトルの4分の1にあたる量だ。
社団法人アルコール健康医学協会によると、体重50キロの人がビール500mlを摂取したときの一般的血中アルコール濃度は0・06%。ピンとこないが、実はこの数値、リンゴやブドウなど果物の天然果汁に含まれるアルコール濃度とほぼ同じというデータが、独立行政法人農林水産消費安全技術センターの過去の実験結果に残されている。
同じ論文では、体重1キロあたりのアルコール量が1~1・5グラムになると、母乳をつくるのに必要なホルモンであるプロラクチンとオキシトシンの分泌が悪くなるとされている。

アルコール代謝能力には個人差があり、お酒に弱い人は、他の人より血中アルコール濃度が高くなるため注意が必要。

授乳中にタバコを吸っちゃダメ?

ニコチネルTTSの添付文書には以下のように記載されています。

「授乳中の婦人には使用しないこと。〔ヒト母乳中へ移行することが報告されている。〕 」

ニコチンは母親の血漿濃度の1.5~3倍の濃度で母乳に移行し、半減期は母乳中、血漿中とも60~90分です。喫煙によって射乳反射が抑制され、血清プロラクチン濃度が低下して母乳の分泌量が減少します。

それによって乳児の体重増加の割合が低下し、不眠・下痢・嘔吐・哺乳量の低下などが懸念されます。

また、家族が喫煙することで乳児が受動喫煙にさらされるため、呼吸器疾患に罹患しやすくなります。

授乳中にコーヒー飲んじゃダメ?

カフェインの添付文書には、以下のように記載されています。

「胎盤を通過し、また母乳中に容易に移行するので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には長期連用を避けること。」

母乳中のへのカフェインの移行量が多いと、乳児に神経過敏や不眠が起きるとの報告があります。

6人の母親において、コーヒー(100mgのカフェインを含む)を飲用した4時間後の母乳中濃度を測定すると、平均8.2μg/mLでした。

母乳100mLに約1%のカフェイン量となります。

母親のコーヒー飲用が1日3杯までなら、カフェインは乳児の尿中に検出されません。

しかし、乳児の肝機能は未熟で、コーヒーの飲用量、乳児の哺乳量・代謝・蓄積・排泄なども考えなければなりません。

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コメント

  1. 根拠ないメディアやブログが多い中、とてもわかりやすく参考になりました!

    匿名:2017/4/30

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